病院訪問のための営業リストを見直す際のポイントとは
目次
病院訪問する上で欠かせない「営業リスト」。営業リストがあれば効率的な営業活動ができます。しかし、それはあくまで中身の伴った「質の高い営業リスト」に限定されます。
今回は、病院訪問のための営業リストにおいて、どのような情報が必要であり、なぜその情報が必要なのか解説させていただきます。
是非ご活用いただき、質の高い営業リスト作成にお役立てください。
営業リストとは
営業リストとは、いわゆる「顧客管理リスト」になります。企業によってリスト内容は多岐に渡りますが、「病院」を対象とした営業リストを作成するとなれば、主に以下の内容を含む必要があります。
・顧客名
・住所
・電話番号
・FAX番号
・診療時間
・代表者名
・診療科
・診療科毎の担当者
・診療科毎の納入機器情報(なにがいつ納入されたのか・・・など)
・過去の商談状況
・現在の商談状況
・キーマン情報
なぜ営業リストが必要なのか
営業リストは、営業活動を行う上で非常に重要なツールです。なぜなら営業リストがあることで戦略的に営業活動ができるからです。
例えば医療機器メーカーにおける営業リストの場合は、リストに納入機器情報を記載することが必須です。
この情報があることで、例えば「検査科に納入されている機器は新しいが、OP室に納入されている機器は古いからOP室を中心にキーマンにアプローチしよう。」という形で営業計画を立てることができ、効率的かつ戦略的に営業活動できるようになるのです。
病院訪問のための営業リストを見直すためのポイント
キーマンは誰か
ここでの「キーマン」とは、例えば病院が設備投資する上で「機器導入をするか否かの判断を行う人」になります。つまり「商談時に必ず関わる人」ということになるのですが、このキーマンを把握しているか否かで商談確度は大きく変わります。つまり、キーマンにアプローチできるか否かが商談を受注できるか否かに関わる、と言っても過言ではありません。言うまでもなく、キーマンと関係を築き、キーマンに商品をご評価いただければ受注に繋がる可能性は格段に上がります。
一方でキーマンとは無縁の、商談窓口となり得ない担当者にいくら商品を紹介しても時間の無駄になってしまうケースがあります。
最悪の場合、失注になるケースもあるのです。キーマンが誰なのかを見極めることは商談時に非常に重要なのです。
キーマンの専門領域
キーマンが医師の場合、得意としている専門領域(専門診療科)を正確に把握しているか否かも重要です。なぜなら診療科情報を把握することで、「診療科に適した商品」を提案することができるからです。例えば訪問したい病院の院長に超音波画像診断装置(以下、エコー)を提案したい場合、院長の専門領域の情報が必要です。
もし院長の専門領域が循環器科であれば、心臓エコーに特化したエコーを紹介するべきです。なぜなら循環器科が特に専門として診ている部分が心臓だからです。院長が消化器科だった場合は、消化器である腹部の臓器を診察したいわけですので、腹部エコーに特化したエコーを紹介するべきです。
では、消化器科の医師に心臓に特化したエコーを紹介した場合、どうなるか。高確率で不採用となるでしょう。そうなってしまうと、貴重な営業時間が無駄になってしまいます。このことから、キーマンの専門領域を知ることは非常に有意義になるのです。
キーマンの出身大学・元々いた職場の情報
キーマンの情報として、出身大学や元々いた病院の情報を知ることは有意義です。
例えばキーマンの医師がA大学病院出身であれば、現在A大学病院に導入されている医療機器を調べ、同じ物を提案することで商談に発展するケースがあるからです。
あるいはキーマンの医師の情報をB大学病院のスタッフから収集することも可能な場合がありますので、キーマンの「古巣」を知ることは有意義であると言えます。
病院における系列施設の情報
特に医療法人の病院であれば「関連施設」を多く持つ病院も少なくありません。クリニックや特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などを関連施設として持つ病院もありますので、そういった情報があればチャンスです。
例えばB病院を攻略したい場合、関連するBクリニックからアプローチすることが有効な場合があります。なぜならB病院のキーマンとBクリニックのキーマン同士が親族の場合があるからです。もしBクリニックのキーマンに対し商品を提案し、ご評価いただき、かつ関係構築ができたならば、B病院のキーマンをBクリニックのキーマン経由でご紹介いただけることもあり得ます。
あるいは、BクリニックのキーマンからB病院のキーマンへ商品をご紹介いただくことあり得るわけです。紹介営業が最も効率的な営業手法でもありますので、系列施設の情報は是非とも押さえておきたい情報の1つです。
面会時間の情報
診療時間と面会時間は異なります。誰に面会するかにもよりますが、院内スタッフによって、面会しやすい時間はバラバラです。だからこそ正確な情報を把握することが必要になります。
担当者によって、出勤する曜日や時間帯が決まっているケースもありますので、そういった情報を押さえることもポイントになるでしょう。
過去の商談情報
過去、誰に何を提案し、商談の結果がどうなったかという情報は極めて重要です。なぜならこれらの情報を把握することで、今後の対策が講じやすくなるからです。
例えば過去、キーマンに対しAEDを提案したが、「院内にAEDは不要。」と判断された施設があったとします。この事実を知っていれば、このキーマンが属する施設に対し、今後AEDを提案する必要はないわけです。
一方で、この情報を知らず、もしキーマンにAEDを再度提案したらどうなるでしょうか。間違いなくまた「いらない。」という判断になるでしょう。キーマンからすると、以前に不要と言っている物を営業から再度提案されているわけですから、人によっては煩わしいと感じることもあるかもしれません。
また、営業サイドとしても間違いなく不要と判断される機器を、再び時間を割いて紹介しているわけですから、貴重な営業時間が無駄になってしまうわけです。AEDが不要と分かっているのであれば、その分、別の機器を紹介する時間が捻出できます。過去の商談状況を把握することは、無駄のない営業計画を立てる上でも必須になるのです。
現在の商談情報
現在においても、誰に何をどのように提案しているのか、という情報を残しておくことは必要です。
現在得られた情報が、年月が経つにつれ「過去の商談情報」つまり「将来の財産」になるからです。将来の財産をいかに増やしておけるか否かが、質の高いリストを作るためのポイントになるのです。
移転新築・改築情報
病院が今後、移転新築・改築する情報があればチャンスです。なぜなら移転新築・改築するタイミングで新たに設備投資することが多いからです。
例えば移転新築するタイミングで電子カルテを新たに導入する施設であったり、院内を改築するタイミングで古くなった医療機器を更新する施設などがあり得ます。特に高額商品を扱う企業にとっては、移転新築・改築情報を押さえることは極めて重要でしょう。
まとめ
営業リストは、営業マンにとって必須のツールです。営業リストがあることで、営業活動を効率よく、戦略的に進めることができるからです。
しかし、単なる営業リストでは、結果は伴いません。質の良い営業リストを作成し、活用することこそが、素晴らしい営業成績を生み出すことに繋がるからです。
質の良い営業リストを作るために、普段からアンテナを張りつつ、日々営業活動に努めていきましょう。