Account Engagement(旧:Pardot)におけるカスタムオブジェクト連携とは?制限事項と作成手順を解説
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目次
- 1. そもそもカスタムオブジェクトの特徴は?
- 1.1 カスタムオブジェクトで実行できること
- 2. Account EngagementとSalesforceのカスタムオブジェクトには制限がある
- 2.1 カスタムオブジェクトを対応付けできるのはAdvanced Edition の契約が必要
- 2.2 クエリ可能なオブジェクトが連携対象
- 2.3 規模によりプロジェクトマネージャの判断が必要
- 2.4 同期動作の制限事項
- 2.5 連携で利用できる場所に関してのルール
- 2.6 Account Engagement内のカスタムオブジェクトに関するその他のルール
- 3. Account EngagementとSalesforceのカスタムオブジェクト作成手順
- 4. まとめ
「SalesforceでAccount Engagement(旧:Pardot)の情報を管理できるの?」
両ツールの連携機能としては、Salesforce上で、Account Engagementに入ってきた情報を管理できます。Account Engagementは、Salesforceとシームレスな連携ができる点が特徴です。ビジネス現場では、マーケティング担当の入手した見込み客のデータを用途に合わせて、迅速に営業部門へ共有する必要があります。その役割を持っているのが、カスタムオブジェクトです。
この記事では、Account EngagementとSalesforceで連携するカスタムオブジェクトについて、作成や制限事項などを解説します。取引先やリード情報の共有を目的とするマーケティング担当者は、ヒントにしてみてください。
そもそもカスタムオブジェクトの特徴は?
カスタムオブジェクトは、Account EngagementとSalesforceを連携するオブジェクトです。製品のSalesCloudとAccount Engagementを連携する対象項目として、両者間を連携するカスタムオブジェクトがあります。実際は、標準オブジェクトだけではなく、カスタムオブジェクトも連携可能です。
カスタムオブジェクトで実行できること
部署間の連携では、迅速な情報の共有が生命線となります。では、Account EngagementとSalesforceを連携させるカスタムオブジェクトは、どのようなことができるのでしょうか。
カスタムオブジェクトは、Salesforceの「リード」や「取引先責任者」をAccount Engagementのオブジェクトのレコードに「プロスペクト」として紐づけられます。「プロスペクト」と「リード」は、見込み客として同じ認識になります。
Salesforceの「取引先」は、Account Engagementの「アカウント」と紐づき情報の連携が可能です。それ以外は、カスタムオブジェクトとして、同じ情報を連携できます。また、Account EngagementとSalesforceの連携は、標準オブジェクトとカスタムオブジェクトの両方で実行可能です。紐づけの詳細は、参照関係項目と主従関係項目の両方で利用できる仕組みになります。
また、カスタムオブジェクトのデータを使用する場面として、Account Engagement内のダイナミックリストやオートメーションルール、セグメンテーションルールを作成する際の条件として使用することが主な使用用途となります。
Account EngagementとSalesforceのカスタムオブジェクトには制限がある
それでは、Account EngagementとSalesforceの連携におけるカスタムオブジェクトの制限について具体的に説明しましょう。
カスタムオブジェクトを対応付けできるのはAdvanced Edition の契約が必要
Advanced Edition のAccount Engagementユーザーは最大4つまでのカスタムオブジェクトを対応付けが可能で、Plus Edition のAccount Engagementユーザーだとデフォルトだと使用できません。使用したい場合、Advanced Editionにする必要があります。
※Plus Editionは有料(要、都度Salesforce社によるお見積り)での使用もできます。
クエリ可能なオブジェクトが連携対象
対象のカスタムオブジェクトの「queryable」属性が「true」になっている場合は、クエリ可能なオブジェクトが連携対象です。クエリ可能であるか確認する場合は、ユーザ側のインターフェースからではなく、APIから情報を取得しなければなりません。
クエリは、Account EngagementやSalesforce内のほぼすべてのオブジェクトで実行可能です。例外としては、内部オブジェクトがクエリ対象から外れる属性もあります。
規模によりプロジェクトマネージャの判断が必要
カスタムオブジェクトの制限は、規模によりプロジェクトマネージャ(PM)の判断が必要となります。判断をあおる基準は、次のとおりです。
- 80万件以上のレコードを持ったオブジェクトがある場合
- 同期決定のオブジェクト数が4以上になる場合
- たとえば各オブジェクトの合計数が400万レコード以上の場合に同期など
- リードが各オブジェクトに紐づいている状態で判断(平均して分散しているなど)
同期動作の制限事項
カスタムオブジェクトでは、連携する動作環境においても制限があります。具体的な動作環境の制限事項は次のとおりです。
通常の同期間隔:10分
プロスペクトの同期間隔:2~4分
参照関係項目の変更及び数式項目の変更:値が入っていなければ同期されない
Account Engagement内で定義したカスタムオブジェクト作成後のレコード:自動同期対象(手動同期も可)
連携で利用できる場所に関してのルール
カスタムオブジェクトの連携により利用できるルールは、次の3つがあげられます。
オートメーションルール:くり返しの実行が可能な条件に沿ったルール
ダイナミックリストの抽出条件:設定した条件をもとにプロスペクト管理のできるルール基盤のリスト
セグメンテーションルール:1回のみ実行可能な特定の条件に基づいたルール
連携するオブジェクトごとにルールを設定して、くり返し処理にするか、1回のみの処理科ルールの設定として利用します。
Account Engagement内のカスタムオブジェクトに関するその他のルール
Account Engagementからカスタムオブジェクトの同期設定をするには、他にもいくつかルールがあります。
- カスタムオブジェクトは読み取り専用となる
- カスタムオブジェクトに変数タグの利用が許可されない
- 標準ではカスタムユーザロールの権限でカスタムオブジェクトへのアクセス許可がない
- アクセス権限はカスタムユーザロールごとに手動で付与する
- Salesforceのマクロを同期できないAccount EngagementとSalesforceのカスタムオブジェクトを同期するには、以上のような制限をふまえて連携する必要があります。
・参照URL(カスタムオブジェクトの同期に関する考慮事項)
【Salesforce社ヘルプ記事】
https://help.salesforce.com/s/articleView?id=mktg.pardot_custom_objects_considerations.htm&type=5・参照URL(Account Engagementのカスタムオブジェクトに関するFAQ (よくある質問)
)
【Salesforce社ヘルプ記事】
https://help.salesforce.com/s/articleView?id=000380387&type=1Account EngagementとSalesforceのカスタムオブジェクト作成手順
最初に実行するのは、Salesforce側でカスタムオブジェクトを作ります。カスタムオブジェクトでは、カスタム項目の作成が必要です。Salesforce側は、次のような手順になります。
- Salesforceの右上にある「設定」を開く
- 「オブジェクトマネージャ」を開く
- 「作成」を選択
- 「カスタムオブジェクト」を選択
- カスタム項目を作成(項目とリレーション先を設定)
それでは、Account EngagementとSalesforceのカスタムオブジェクトを作成する手順について解説します。連携先のカスタムオブジェクトを作成するには、Account Engagementの「Account Engagement設定」、「オブジェクトと項目の設定」から「カスタムオブジェクト」を開きましょう。
- 「カスタムオブジェクト」内の「カスタムオブジェクトを作成」から「CRMオブジェクト」を選択
- 「CRMオブジェクト」では事前に取得してあるオブジェクトの一覧リストから目的のリストを選ぶ
- Account Engagementの「Account Engagementプロスペクト」を開く
- 「関連オブジェクト」内の項目をチェック(「契約」や「セミナー」など)
- 「カスタムオブジェクト」項目で必要に応じて表示列を追加
ここまでの手順で、「CRMオブジェクト」の一覧に目的のオブジェクトがない場合は、次の方法で検出します。
・目的のオブジェクトに参照関係項目があるか調査
・目的のオブジェクトに主従関係項目があるか調査
・コネクタユーザに参照関係項目の権限があるか調査
・コネクタユーザに主従関係項目の権限があるか調査
・コネクタを使ってメタデータの同期を実行してみる続いて、カスタムオブジェクトがプロスペクトに同期されているかチェックします。以上で、カスタムオブジェクトの作成が完了です。
※注意点※
作成後にカスタムオブジェクトの利用上限数に達していた場合、「警告!Custom Objects の制限に達しました」とエラーが出ます。まとめ
今回は、SalesforceとAccount Engagementのカスタムオブジェクト連携について、制限事項と手順を紹介してきました。
同期制限を理解して、カスタムオブジェクトの作成ができれば両ツールをシームレスに行き来できる情報の連携が容易になります。ぜひ、試してみてください。
<MAツール運用>
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