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病院架電リストをエクセルで作るポイントは?医療系オープンデータの活用法を解説

医薬品や医療機器を取り扱っているメーカーは、各病院に自社の医薬品や医療機器の魅力をアピールし、売上を伸ばすことが重要でしょう。テレアポ率を向上させるには、ただ闇雲に営業するのではなく、さまざまなデータを盛り込んだ架電リストの活用が効果的です。
架電リストの作成では、病院の従業員数、患者数、医療機器、レセプト情報など医療機関の情報が載っている医療系オープンデータの活用が必須です。医療系オープンデータを活用すれば、ニーズの高い医薬品や医療機器を効率よく各病院に紹介できるからです。ただし、医療系オープンデータの情報は非常に膨大なため、ポイントを抑えつつ効率よく整理する必要があります。

さらに、まとめた架電リストを実際の現場で活用できるよう、まとめる際の工夫も必要です。

そこで今回は、ホームページ上に無料で公開されている医療系オープンデータを活用して、病院への架電リストをエクセルでまとめる際の手順や注意点をお伝えします。

架電リストの作成手順

病院の架電リストの具体的な作成手順を説明します。以下の4つのステップに分けて、詳しく見ていきましょう。

1、医療系オープンデータを入手する
2、病床機能報告制度を活用し、セグメントとターゲットを絞り込む
3、表を見やすく整える
4、作成したファイルはスプレッドシートで管理する

1、医療系オープンデータを入手する

医療系オープンデータは、各都道府県や厚生労働省のホームページにて無料で公開されています。そこにアクセスすることで、簡単にダウンロードが可能です。

2、病床機能報告制度を活用し、セグメントとターゲットを絞り込む

病床機能報告制度とは、病院が担っている医療機能と、今後の方向性を毎年報告する制度のことです。例えば、積極的な治療を中心とした急性期病院と、病状が安定しているが医療的処置を必要とする慢性期病院、精神疾患を抱える患者を受け入れる病院とでは、患者層や治療内容が全く異なります。

このように、一口に「東京の病院」といっても医療機能はさまざまです。そこで、同じような医療機能を持つ病院をセグメントごとに分けてまとめましょう。セグメントごとにまとめた病院のニーズ(必要とする医療機器や医療物品)を把握することで、メーカーが紹介したい商品のターゲットと合致する病院を効率良く絞ることができます。これにより、業務の無駄を大幅に減らすことが可能です。

こうすることで、業務の無駄を大幅に減らすことが可能です。病院側も、抱える問題を解決するために、新たな商品を積極的に取り入れたいと考えるでしょう。

3、表を見やすく整える

オープンデータをダウンロードすると、あらかじめ表にまとめられて表示されます。表を並べ替えたり表示形式を変更したりすることで、表が見やすく整います。また、不要なデータが存在する場合は、必要に応じてデータを削除することでより見やすい表を作成できるでしょう。

4、作成したファイルはスプレッドシートで管理する

エクセルで作成したデータは、スプレッドシートで管理します。スプレッドシートを使えば、エクセルで作成したデータをそのまま使用できます。また、データはグーグルアカウント上に保存されるため、会社内で同一ファイルの共有が可能です。

なお、社内で共有されたスプレッドシートは、データの編集がリアルタイムで反映されるため、グループで便利に共有・活用できます。

エクセル形式でまとめるメリット


エクセル形式で架電リストをまとめるメリットは次の3つです。

1、表示形式を簡単に変えられる
2、関数が活用できる
3、グラフ作成が簡単

1、表示形式を簡単に変えられる

「金額」「割合」「個数」「日付」など、列ごとに表示したい形式を設定することで、数値を入力するだけで自動的に変換されるようになります。また、小数を含む数値に桁数を設定したり、パーセントで表示したい場合は「パーセンタスタイル」を設定することもできます。

2、関数が活用できる

エクセルではたくさんの関数を活用できます。関数を使えば、1カ所の項目にデータを入力するだけで、指定した残りの項目に計算されたデータを自動的に入力できます。
関数を活用することでデータ入力の時間が大幅に短縮され、業務効率化につながります。

3、グラフ作成が簡単

エクセル形式なら、入力したデータを元にグラフを作成できます。グラフにしたいデータの範囲を選択し、「挿入」タブからグラフの種類を選ぶだけで、簡単にグラフの作成が可能です。使用した架電リストのデータをまとめる際にも、便利に使用できます。

エクセル形式でまとめるときの注意点

エクセル形式でデータをまとめる際の注意点を2つ紹介します。

営業担当者の入力工数を減らす工夫をする

セルにデータを一つひとつを入力すると、データ入力だけで時間がかかり、仕事の効率が悪くなります。そのため、エクセル関数を活用し、営業担当者のデータの入力行程を最小限に減らす工夫をする必要があります。

データ書き換えや情報漏えいのリスクを想定しておく

エクセルで作成したファイルをスプレッドシートで読み込むと、ファイルがグーグルドライブ上に保存され、リアルタイムで閲覧・編集できるようになります。

スプレッドシートでは、ファイルの管理者が特定のユーザーに「閲覧のみ」または「編集可能」の権限を付与することで、ファイルの共有者を簡単に増やせます。

そのため、ファイル共有者が増えるほど、情報が漏えいするリスクや予期せぬデータの書き換えのリスクが増加します。これらのリスクがあるので、相応の対策を用意しておくことが必要です。

たとえば、次のような対策が考えられます。

営業エリアごとにファイルを分けて共有・管理する
特定の営業スタッフにのみ「編集可能」権限を付与する

ファイルの共有者を増やす場合、営業エリアごとに細かくわけ、それぞれ権限を付与して共有します。全体エリアの情報をまとめたファイルは、営業責任者のみが管理するようにします。

こうすることで、あるエリアのファイル情報が漏えいした場合に、そのエリアの営業担当者が関係したとすぐに分かります。「漏えいしよう」と考えている者にとって心理的ハードルが高くなるため、情報漏えいを予防できます。また、全体エリアのファイルが漏えいした場合、営業責任者の責任だとわかるので、原因救命と責任追求が容易となり、対策の立案もできます。

2つ目の対策は、営業ファイルの「編集可能」権限を特定の営業スタッフ(架電リストを手元に置いて営業電話をかけるスタッフと、その上司の2名程度)に限定する方法です。他のスタッフに付与する権限は「閲覧のみ」とします。こうすることで、データ書き換えのリスクを相対的に低減できます。

まとめ


今回は、架電リストをエクセルで作るポイントやメリットをお伝えしました。医療系オープンデータは、医療機関が公開しているさまざまな情報が盛り込まれており、メーカーがターゲットを絞る上で非常に有益な情報です。

表にまとめたり、関数活用できたりするエクセルを使用することで、データ入力の行程を減らせる他、今後の分析にも役立てられます。

また、これらのデータをスプレッドシートに反映すれば、リアルタイムでのデータ閲覧や編集が可能になり、より効率的に業務をこなせるようになります。ただし、スプレッドシートは簡単に閲覧できる分、情報漏えいのリスクもあるため、十分な対策が必要な点に注意しましょう。

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