Power BIのDirect Queryとライブ接続の違いと設定方法
#Power BI #Direct Query #ライブ接続
目次
Power BIでダッシュボードを作成される際、データの“取得”方法はニーズに合わせて検討されていると思いますが、データの“接続”方法までは手を出せていない方、多いのではないでしょうか。
実はデータの接続方法を間違ってしまうと、ダッシュボードの作成・運用において大きく影響が出てしまうことがあります。
Power BIはインポート、ライブ接続、Direct Query の3つのデータ接続方法があります。
インポートは初期のチュートリアルや小規模なデータで利用する機会が多いと思いますが、ライブ接続やDirect Queryは触れる機会が今までなかった、といった方もいらっしゃると思います。
データの接続方法の判断はデータ量、処理速度、更新頻度、セキュリティ要件などを考慮し検討が必要です。
今回はDirect Queryとライブ接続の2つの接続方法について解説します。
Direct Queryとライブ接続の共通点
まずはDirect Queryとライブ接続の共通点を解説します。
Direct Queryとライブ接続はリアルタイム性の向上、データの一元管理によって複数のダッシュボードを効率的かつ効果的に運用することができます
リアルタイム性の向上:どちらの接続方法もデータのリアルタイム性を向上させることを目指しています。ライブ接続ではデータをPower BIモデルにコピーして即座に分析を行い、Direct Queryでは元のデータソースに対してリアルタイムのクエリを実行してデータを取得します。
データの一元管理:どちらの接続方法もデータの一元管理が可能です。ライブ接続ではデータがPower BIモデル内にコピーされ、データの変換や前処理を行い、モデル内での分析を効率的に行うことができます。Direct Queryも基のデータソースにアクセスするためデータの一元的な管理が可能です。
Direct Queryとライブ接続はインポートでデータを取得する方法とは異なり、リアルタイム性の担保やデータの一元管理が可能になります。インポートはPower BIにデータをすべて取り込んでいるので基データの更新・データの整合性が担保できないといった問題があります。
それではDirect Query、ライブ接続のそれぞれの特徴と設定方法について解説します。
Direct Query
Direct Queryは接続先のデータソースからデータを動的に要求することができます。
Direct Queryの特徴
メリット
リアルタイム更新:Direct Queryはデータベース内のデータを使用するため、データベースが更新されるたびにビジュアルが自動的に更新されます。最新のデータを常に活用できます。
大規模データセット:Direct Queryはデータベース内でクエリが実行されるため、大規模なデータセットでも高いパフォーマンスを維持できます。データベースの処理速度に依存するため、クエリ最適化が重要です。
デメリット
データベースへの負荷:クエリがデータベースに対して発行されるため、多くのビジュアルが同時にアクセスされるとデータベースに負荷がかかります。データベースの設計やパフォーマンスの調整が必要です。
データソース
- SQL Server
- リレーショナルDB
- SAP HANA
- Azure SQLデータベース他
Direct Queryの設定方法
それではDirect Queryの設定方法を解説します。
↓今回はDirect Queryを使用するため、SQL Serverのデータコネクタを使用します。Direct Queryにチェックし、接続します。
↓Direct Queryでデータの読み込みができたことを確認します。
↓Direct Queryはインポートでみられるデータビューが表示されていません。
↓Direct Queryで取得したデータをモデルビューで見てみます。ストレージモードがDirect Queryになっていることが確認できました。ストレージモードはインポートやデュアルの設定がありますが、元に戻せなくなるので操作には気を付けましょう。
以上がDirect Queryの設定方法です。取得したデータを基にグラフや表を作成する手順はインポートと変わりません。
次はライブ接続について解説します。
ライブ接続
データソースとリアルタライブ接続イムで接続し、データの更新を反映する方法です。既に存在するデータセットからデータを取得します。ライブ接続の特徴は次の通りです。
ライブ接続の特徴
メリット
既存データセットの活用:ライブ接続を使用すると、レポート毎にデータセットを作成することなく、Power BI Desktopでレポートを作成できます。そのため複数のデータベースやファイルにアクセスせずに更新が可能です。また、データセットのデータ基となるデータベースへのアクセスが一本化するので、データベースの負荷が軽減されます。
デメリット
既存データセットへの依存:ライブ接続を使用すると、既存のデータセットに依存するためレポート毎それぞれに必要なデータが取得できないケースがあります。データセットを作成する際、ライブ接続を前提に広く要件定義をすることで回避できます。
データソース
Power BI サービスに既に存在するデータセット
Azure Analysis Services (AAS) データベース
SQL Server Analysis Services (SSAS) のオンプレミス インスタンス
ライブ接続の設定方法
ライブ接続の設定方法を解説します。
↓今回はOneLakeデータハブを使用し、ライブ接続をします。
↓OneLakeデータハブから接続したいデータセットを選択し、接続します。
↓ライブ接続ができていることを確認します。データにテーブルが追加されていますね。画面下部に“Power BIデータセットにライブ接続済み”と表示されています。
↓ライブ接続はDirect Queryのデータ取得と異なり、データモデルの変更や他テーブルとのリレーションをすることができません。“このモデルに変更を加える”をクリックすると、Direct Query接続が必要ですとコメントが表示されます。先ほど解説したDirect Queryとライブ接続の大きな違いの一つですね。
ライブ接続の設定方法は以上です。Direct Queryとの違いについても触れてみました。
↓ライブ接続のイメージは共有されているデータセットを複数のダッシュボードで利用することで一元性を担保しています。
データ接続方法の選び方
ここまではDirect Queryとデータ接続の解説をしてきました。
ここからはそれぞれの特徴から、データ接続方法の選び方を説明します。ご判断の際の参考にしてみてください。
ライブ接続を選択: リアルタイムなデータ更新が重要な場合や、データベースの負荷を軽減したい場合
インポートを選択: 小規模なデータを静的に処理したい場合や、オフラインでの使用を希望する場合
Direct Queryとライブ接続、インポートの選び方はデータの量、処理速度、更新頻度、セキュリティ要件などを考慮して判断が必要です。また、Power BIはDirect Queryとインポートの両方を使用することも可能です。データのニーズに合わせて適切な接続方法を選ばなければなりません。
データ接続方法の選択は難しい
データ接続方法の選択は運用面だけでなく、技術的な判断も必要です。トライであれば接続方法はインポートでいいかもしれませんが、継続的な運用を考えるとライブ接続やDirect Queryがいいのではないか、疑問も多いと思います。
当社では“分析環境構築サービス”を提供しています。当サービスの概要は以下の通りです。
-データベースの設計
-データモデル設計
-レポート作成
-BIのレクチャー
BIを利用いただける環境を構築・運用面でサポートさせていただきます。
まとめ
- Power BIのデータ接続方法は主に“インポート”、“Direct Query”、“ライブ接続”
- Direct Queryとライブ接続を選択する目的は“リアルタイム性”、“データ一元管理”
- Direct Queryとライブ接続の設定は異なるコネクタ・方法で実施
- Direct Queryとライブ接続、インポートの判断はデータ量・処理速度・更新頻度・セキュリティ要件を考慮し判断が必要
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