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デジタル庁アイデアボックスとは?オープンデータに関する使用方法など解説

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デジタル庁のアイデアボックスを知っていますか?
オープンデータやデジタル社会に関心のある人は聞いたことがあるのではないでしょうか。
デジタル庁アイデアボックスとは、デジタル庁が、デジタル化の推進に関して国民のニーズを調べるため、テーマを決めて意見を募集するwebサービスです。
国民がデジタル化によってどのようなサービス向上を求めているかといった要望や、デジタル化社会の発展にはなにが必要かといった意見を知ることができます。
デジタル庁アイデアボックスを理解して、オープンデータやデジタル化の知識を深め、活用してみませんか。

デジタル庁アイデアボックスとは


デジタル庁アイデアボックスとは、デジタル庁の政策やサービス改善に関するテーマや質問に対し、国民から意見やアイデアを募集しているweb上のサービスです。
随時自由に意見を受け付けるのではなく、デジタル庁から定期的にテーマを投げかける形で運営されています。
一方向の回答ではなく、一般からの回答に対してオープンに共有・議論することができるコミュニティプラットフォームになっています。

デジタル庁アイデアボックスの目的

アイデアボックスは、デジタル庁が目指すデジタル社会を体現するためのツールと言えます。
2022(令和4)年、デジタル化によって政府が実施すべき事項を記載した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が策定されました。
これによると、デジタルにより目指す社会は「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会」です。
重点計画の内容にもアイデアボックスで集めた国民の意見が活かされています。

デジタル技術の進展が現在までにもたらしたことは、利用者の状況に応じたサービスが低コストで提供できるようになったことです。
さらなるデジタル化で、「誰一人取り残されることなく、多様な幸せが実現できる社会
」を目指しています。
キーワードは「人に優しいデジタル化」で、国民のニーズを反映させることが重要とされています。

そのための原則が、「デジタル社会を形成するための10原則」として挙げられています。

  1. オープン・透明
  2. 公平・倫理
  3. 安全・安心
  4. 継続・安定・強靭
  5. 社会課題の解決
  6. 迅速・柔軟
  7. 包摂・多様性
  8. 浸透
  9. 新たな価値の創造
  10. 飛躍・国際貢献

この原則のうち、「オープン・透明」を実現するため、アイデアボックスは国民誰もがアクセスできるようになっています。
提案に対する相互のリアクションも公開されるシステムです。
また、先述の重点計画の策定にあたって意見を募るなど、社会問題を適切にくみ上げる役割を果たしているとも言えます。

デジタル庁アイデアボックスのメリット


アイデアボックスという形態は、アイデアが見やすく、見る人もコメントしやすいのが特徴です。
複数の人が自由にディスカッションをできるシステムになっているのも重要なポイントです。
意見が一方向性となって建設的な議論が発展しにくい状況を避けられます。

また、意見がばらついたときも、意見の違う人同士の対話が促され、最適解を導くことができます。
採否や議論のプロセスも透明化されるので、最終的な方針に納得を得られやすいこともメリットの一つです。

アイデアボックスでこれまで募集されたアイデア


アイデアボックスは、現在まで形を変えて意見を募集してきました。
最初は内閣官房 IT担当室内に設置されたデジタル改革関連法案準備室が主催して意見募集を行った「デジタル改革アイデアボックス」。次にデジタル庁設立後、「PoliPoli Gov(β版)」での実証事業、最後に現在のアイデアボックスです。

デジタル改革アイデアボックス

デジタル改革アイデアボックスは非常に注目を集め、人気のアイデアが政策に反映されるなど一定の役割を果たしたものの、現在はサービスを終了しています。
代表的な改革の例は、内閣府でのパスワード付きzipファイル廃止です。
これをうけて一般企業でもこれらが廃止になる例が多く見られました。

PoliPoli Gov(β版)

続く意見募集システム、PoliPoli Gov(β版)でも様々なテーマで意見を募集してきました。
例えば、
医療のデジタル化にどんなことを期待しますか?
教育のデジタル化にどんなことを期待しますか?
行政手続きのデジタル化にどんなことを期待しますか?
海外でのデジタル行政の体験談を教えてください
経済成長を実現するためにどのようなデジタル化が必要だと思いますか?
「デジタル人材」の確保や育成のために必要だと思うことはなんですか?
引用元:PoliPoli Gov – 行政に意見を伝えて、政策を進めよう。 (polipoli-gov.com)

など、国民生活から問題を抽出する目的の質問や、デジタル化に必要な施策のアイデアを問うものまで、様々な質問を投げかけてきました。
「PoliPoli Gov(β版)」は利用者同士のディスカッションを行うシステムではありませんが、具体的で専門的なアイデアが多数寄せられました。

デジタル庁アイデアボックス

現在のデジタル庁アイデアボックスでも、過去に募集した質問のアーカイブをみることができます。
例えば、先述した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の改定に向けた意見を6つのパートに分けて施策に反映しています。
誰一人取り残されないデジタル社会の実現
BPRと規制改革
安全・安心
医療・教育等の準公共分野
事業者向け行政サービス
デジタル人材の育成・確保等
これらそれぞれのテーマに関して多数の意見が寄せられました。
引用元:デジタル庁アイデアボックス|デジタル庁 (digital.go.jp)

ほかにも、「オープンデータの推奨データセットの見直し案について」意見を募集していました。
こちらは次の章で詳しく解説します。
運用開始から10ヵ月程度でコメントの総投稿数は1721件、アイデアの総投稿数344件と反響があります。

これらの質問と意見、コメントの内容もオープンデータとして公開されています。

アイデアボックスとオープンデータ


オープンデータが普及してきた現在、活用に際して問題点も表れてきています。
オープンデータの重要な割合を占めるのが自治体が公表するデータです。
自治体ごとに用語や形式が異なるなど、使いにくい点があります。
データの形式を標準化するなどの改善が必要とされています。

これまで、オープンデータの公開と利活用を促進するデータ標準化の具体策として、「推奨データセット」を策定してきました。
「推奨データセット」とは、政府として公開を推奨するデータとその作成に際したルールやフォーマットをまとめたものです。
推奨データセットに該当するオープンデータを公開する自治体数は、468か所(2022年3月時点)で、全自治体の1/4強程度です。
2022(令和4)年10月、デジタル庁は「推奨データセット」の改善を進め、「自治体標準データセット」を試験公開し、その期待や課題をアイデアボックスで募集しました。

意見募集は終了していますが、実際に寄せられたオープンデータの利用者からの意見とディスカッションをみることができます。
これらを参考にすると、オープンデータを使用したい利用者にとってどのような点が使いにくいのか、といった要望の分析ができます。
質問内容や要望からオープンデータの利用法、解析法のヒントを読み取れる可能性があります。

アイデアボックスに寄せられたオープンデータの推奨データセットに関する意見として、以下のようなものが多く寄せられています。

  • オープンデータとして欲しいデータの内容
  • 基本的な解析に用いるデータとして最低限揃えてほしいデータの内容
  • データ解析のためにデータ形式を揃えてほしい
  • データ管理を自治体に分けず、一括してほしい
  • オープンデータ推奨データセットの活用事例を公開してほしい

今後、この質問に答える形でオープンデータの標準化が進んだり、データ活用の事例やロードマップが示されたりする可能性があります。
アイデアボックスの募集内容や寄せられる意見は注目に値します。

デジタル庁アイデアボックスを参考にオープンデータを活用しよう

デジタル庁アイデアボックスは、デジタル化を促進するための知識や意見の宝庫です。
オープンデータに関しても、利用者の立場から素朴な疑問や、専門的な知識を持つ提供者からの意見が集まってきています。
オープンデータ利活用のためのヒントが得られる可能性もあるので、ぜひ参考にしてください。

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