データ分析とは 背景と分析ツールをわかりやすく解説
目次
データ分析の重要性が再び脚光を浴びています。特に「データマイニング」という言葉が一時期広まり、多くのビジネスの現場で新たな発見を促す手法として注目されました。
しかし、その後しばらくは聞かれなくなっていました。最近では、IT技術の進展に伴い、再びデータ分析が注目されています。
ハードウェアの価格が下がり、仮想化技術や分散処理技術の普及により、かつて高額だったシステム構築が手軽になり、企業がデータ分析を活用する新しい時代が到来しています。
データマイニングの登場
この頃、「データマイニング」という言葉が広まったように思います。データをいろいろな角度で検証することで、何かビジネスに活かすことができる新しい発見をすることです。一つのトレンドになりましたが、その後最近までの10年ぐらいは聞かなくなりました。
「今、データ分析」が注目されている背景
さて、今、「データ分析」に、再度、光が当たっている背景は主にIT技術の進展にあります。サーバー等のハードウェアの価格が大きく下がり、またその安価なサーバーを複数使い一つのシステムとして利用可能とする仮想化技術が大きく進展します。平行して、その環境上で機能するHadoopのような分散処理技術も普及し、以前のような分析専用の大規模システムが不要になって来ました。以前は数千万単位だったシステム構築も、数百万単位で可能となり、機能もより充実した感じです。
また、サーバー側ではなくクライアント側(PC側)の技術も進みました。メモリが安くなったことにより、メモリ上に大容量のデータを蓄積し、それを使い分析するソフトウェア(Qlikview,Tableau等)のベンダーが誕生します。今まで、サーバー/クライアント間で時間をかけて往復していたのが、1000万件を超えるデータをクライアント側に置くことで、一瞬で分析データを表示することができます。一つのグラフ上のバー等を変更することで、関連したグラフが連動して瞬時(本当に!)に更新されます。エクセルやパワーポイントのグラフが互いに連動するイメージです。正直な感想として、データを分析するのが楽しく、本当の意味で「データマイニング」の時代が来た感があります。
QlikはQlikView(Qliktec)の意味
主なデータ分析ツールとその利用
オンメモリ処理のBIベンダーが出てきて、ガートナー(システム業界の分析会社)のリサーチでも、ビジュアライズビジネスインテリジェンスという分野が出来ました。そのトップを走っているのが、先程、説明したQlikview(Qliktec社),Tableauになります。 無料試用がどちらも可能で、特にQlikviewはPersonal版なら無料でPCにインストール期限なしで利用することが可能です。通常は、企業での利用を許可しないものですが、Qliktec社に聞いたところ、「是非、お使いください」ということです。(ただし、サポートはなし)トレーニングマニュアルもダウンロード可能なので、簡単に体験可能です
まだ、マーケット的には未だ大きなシェアをもっているコグノス、ビジネスオブジェクト等のオンメモリでのツールを開発、公開しています。これらはさすがに大企業を主としているため、デザイン的にも安定度も完成度も高いようです。ただ、金額的にも、大企業向けのようです。
データ分析の今後
今後10年は、この分野は大きく発展していきます。もともと、ビックデータは世の中で日々蓄積されている大量のデータ(インタネットのアクセスログ、気象データ、交通データ等)の分析を対象としています。これらのデータ蓄積は今後も爆発的に拡大するでしょうし、それに合わせてその分析技術も格段に進歩することが予想されます。
それに合わせて企業でのデータ技術も同様に進みます。 医療機器業界で主流となっている販売実績データだけではなく、企業間の流通データを統合して分析するようにサービスが出てくることが予想されます。今後10年を考えて、基盤となる主な方向は以下のように考えます。
オンメモリ技術の進展による高速データ分析
上述したオンメモリ技術の進展により、分析対象は飛躍的に大きくなり、分析速度もどんどん上がってきます。今のPCでもメモリを積めば1000万件のレポート分析ができますので、PCやタブレットに搭載されるメモリが大きくなればあたり前になります。タブレットを現場で見ながら、同僚と数字を見ながら討議する時代です。
クラウドサービスによるデータの集中化
現在、Amazon、Google, Microsoftに代表されるようなクラウドサービスや、より小さな企業が提供するサービスも含め、どんどん利用が進みます。データも自社で保有するのではなく、クラウド上に保有し、複数箇所から利用することが多くなります。合わせて、今後はその集まったデータを企業グループ単位や業界単位で一か所に集め、全体で分析することが進むと思っています。 企業単位ではなく、より多くの単位で分析することで、業界をより効率的にすることが可能になり、強い業界になると考えます。
70、80年代の生産技術では日本が世界のトップを走っていましたが、その後、ERP等ソフトウェア改革は欧米が、インターネットの世界では新興国が活躍しています。データ分析でも、現在は欧米が先行していますが、これからの技術の進展や各国の環境の変化により、都度状況は変わっていくと思われます。数字を見ていくこと自体は、細かいことを真面目に日々実行する日本人が得意なところです。どうにか、今後やってくるだろう「データ分析の時代」には勝者グループの一角に入りたいところです。
まとめ
IT技術の進化に伴い、仮想化技術や分散処理技術の普及により、企業が手軽に大規模データを活用できる環境が整いました。特に、オンメモリ技術の進展により高速なデータ分析が可能になり、HadoopやQlikview、Tableauといったツールが普及し、企業の意思決定に貢献しています。今後も、ビッグデータの拡大と共に分析技術はさらに進化し、クラウドサービスを活用したデータの集中化が進むでしょう。これにより、企業や業界全体で効率的なデータ活用が期待されます。日本も、この新たな「データ分析の時代」において、優位に立つための技術革新と実行力が求められるでしょう。
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