AWSとPower BIを接続する方法!ODBCコネクタとPostgreSQLコネクタの違いも分かりやすく紹介
#Power BI #AWS #ODBCコネクタ #PostgreSQLコネクタ
目次
- 1. Power BIとAWSをつなぐメリット
- 1.1 クラウドデータを直接分析できる強み
- 1.2 Excelやローカル処理との違い
- 2. Power BIから利用できるAWS主要サービス
- 2.1 Amazon Athena(S3データをSQLで分析)
- 2.2 Amazon Redshift(高速DWH)
- 2.3 Amazon RDS(PostgreSQLやMySQLなど)
- 2.4 Amazon OpenSearch Service(ログ分析・全文検索)
- 3. AWSとPower BIの接続方法は2パターン
- 3.1 Power BI Desktopから直接接続
- 3.2 オンプレミスデータゲートウェイ経由でPower BI Serviceと接続
- 3.3 Amazon Athenaを例にした接続手順
- 4. ODBCコネクタとPostgreSQLコネクタの違い
- 4.1 ODBCコネクタとは(汎用・多用途だがやや遅い)
- 4.2 PostgreSQLコネクタとは(専用・高速・制約あり)
- 4.3 ケース別の選び方
- 5. 運用時の注意点とベストプラクティス
- 5.1 IAMの権限設定とセキュリティ管理
- 5.2 接続失敗時のチェックポイント
- 5.3 定期更新と共有の工夫
- 6. まとめ|AWS×Power BI接続の選び方
Power BIは、Excel感覚でデータを可視化・分析できるBIツールとして多くの企業で利用されています。
一方、AWS(Amazon Web Services)は企業のデータ基盤を支えるクラウドサービスの代表格です。
「AWSにあるデータをPower BIで可視化したい」
「ODBCとPostgreSQL、どちらのコネクタを選べばいいのか迷う」
こうした声は現場でよく聞かれます。
本記事では、Power BIとAWSを接続するメリットから、主要サービスの接続方法、ODBCとPostgreSQLコネクタの違い、そして運用のベストプラクティスまでを体系的に解説します。
Power BIとAWSをつなぐメリット

クラウドデータを直接分析できる強み
AWS上に蓄積された膨大なデータをPower BIから直接参照できるため、
最新の情報をリアルタイムに可視化できます。
ローカルにデータをダウンロードする必要がなく、セキュリティ面でも安全です。特に、在庫管理や売上ダッシュボードなど「最新データを即時に確認したい業務」では、Power BIとAWSを直結するメリットが大きいです。
Excelやローカル処理との違い
Excelでは数万行を超えると処理が重くなりがちですが、Power BIはAWSのデータベースやDWHに直接クエリを送信することで、大規模データも効率的に分析可能です。
また、AWSの認証や権限管理をそのまま活かせるため、ユーザーごとのアクセス制御(RLS: Row Level Security)との親和性も高いのが特徴です。
Power BIから利用できるAWS主要サービス

Power BIでは以下のAWSサービス向けコネクタが用意されています。
用途ごとの特徴を押さえておきましょう。
Amazon Athena(S3データをSQLで分析)

- S3に保存されたCSVやログデータをSQLで分析可能
- 非構造化データやログ分析に最適
- ODBCドライバ経由で接続するのが一般的
Amazon Redshift(高速DWH)

- 大規模データを扱うためのデータウェアハウス
- Power BIとの相性が良く、高速な集計が可能
- 複雑な分析や経営レベルのダッシュボードに向く
Amazon RDS(PostgreSQLやMySQLなど)

- SQL Server、PostgreSQL、MySQLなど複数DBエンジンを提供
- 既存システムのデータベースをそのままクラウド運用可能
- PostgreSQLの場合、専用コネクタを使うとパフォーマンス良好
Amazon OpenSearch Service(ログ分析・全文検索)

- 大量のログデータを検索・可視化するサービス
- Power BIでは検索結果を取得し、セキュリティ監視やアクセスログ分析に活用できる
それぞれの特徴を整理したものを以下の表にまとめましたので、利用シーンをイメージしながら参考にしてください。

AWSとPower BIの接続方法は2パターン

Power BI Desktopから直接接続
Power BI DesktopにはAthenaやRedshift用のコネクタが用意されており、ローカル環境から直接データに接続可能です。
小規模な分析や個人利用であれば、この方法が手軽で導入コストも低いです。
オンプレミスデータゲートウェイ経由でPower BI Serviceと接続
企業利用ではPower BI Serviceを使った共有・定期更新が重要になります。この場合、AWS上のEC2に「オンプレミスデータゲートウェイ」を構築し、Power BI Serviceと連携させる方法が一般的です。
これによりクラウド上で自動更新をスケジュール設定でき、チーム利用にも適応できます。
Amazon Athenaを例にした接続手順

AWSとPower BIを実際に接続する流れを、Amazon Athenaを例に解説します。
AthenaはS3上のデータをSQLで分析できるサービスで、Power BIからの接続事例としてよく利用されます。
1. AWS側の準備(公式リンクで補足)
Athenaを使うには、事前に以下の設定が必要です。
- S3にCSVファイルを保存する
- IAMでAthena/S3にアクセスできるユーザーを作成
- Athenaで外部テーブルを作成し、データを参照可能にする
これらの操作はAWSマネジメントコンソール上で行います。
具体的な操作画面やSQL例についてはAWS公式ドキュメントをご確認ください。
※本記事ではAWS側の詳細設定は割愛しますが、上記公式手順を参照してください。
Power BI Desktop側の設定
手順は以下の通りです。
- [データの取得] → [Amazon Athena] を選択
- DSNの選択画面

事前に設定したODBC DSNを選択します。
各入力項目
[DSN]:事前に作成した Athena用 ODBC DSN 名 をプルダウンから選択
例:Athena64 / Athena-Prod-Tokyo など
[Role]:通常は 空欄。Assume Role が必要な構成のみ、DSN側に Role ARN を設定して使う
例:(空欄推奨)※必要なら arn:aws:iam::123456789012:role/PowerBI-AthenaRole
[Advanced options]:接続直後に実行したい Athena SQL を書く
例:SELECT col1,col2 FROM db.schema.table WHERΕ dt >= DATE ‘2025-01-01
[データ接続モード]:通常は インポート(推奨)。
データの読み込み
Athenaで作成したテーブルが一覧に表示されるので、読み込みたいテーブルを選択します。
→選択したテーブルがPower BIに取り込まれ、通常のデータモデルとして利用できます。
ODBCコネクタとPostgreSQLコネクタの違い

Power BIでよく使われるのがODBCとPostgreSQLの2種類のコネクタです。それぞれの特徴を比較してみましょう。
ODBCコネクタとは(汎用・多用途だがやや遅い)
- Open Database Connectivityの略
- さまざまなデータベースに接続可能
- ドライバ経由のため柔軟だが、パフォーマンスは専用コネクタに劣る場合あり
PostgreSQLコネクタとは(専用・高速・制約あり)
- PostgreSQL専用のコネクタ
- 高速かつ効率的に接続可能
- 対応するのはPostgreSQLのみ
ケース別の選び方
- AthenaやRedshiftを利用 → ODBCコネクタ
- RDSのPostgreSQLを利用 → PostgreSQLコネクタ
- 複数種類のDBを統合 → ODBCコネクタ
運用時の注意点とベストプラクティス

AWSとPower BIを組み合わせる場合、単に接続するだけではなく「セキュリティ」「設定の正確さ」「運用管理」がポイントになります。
以下に代表的な注意点をまとめました。
IAMの権限設定とセキュリティ管理
権限を広げすぎるとセキュリティリスクが高まります。最小権限での設定とキー管理が基本です。
- S3やAthenaへの権限は必要最小限に設定
- アクセスキーは長期保存せず、定期的にローテーション
接続失敗時のチェックポイント
トラブルの多くは設定不備に起因します。エラーが出た場合はまず以下を確認します。
- ODBCドライバのバージョンが環境に合っているか
- IAMポリシーにAthenaとS3のアクセス権限があるか
- DSN設定(リージョン・認証情報)が正しいか
定期更新と共有の工夫
業務利用では「データの鮮度」と「チームでの使いやすさ」が重要です。
- Power BI Serviceでスケジュール更新を設定
- ゲートウェイを経由してチーム利用を可能にする
- 大規模データはビューや集計テーブルで負荷を軽減
まとめ|AWS×Power BI接続の選び方

AWSとPower BIを組み合わせることで、クラウド上の膨大なデータを効率的に分析できるようになります。ただし、接続方式や利用するコネクタによって特性が大きく異なるため、環境や目的に応じた選択が必要です。
小規模な分析か、大規模な運用か、あるいは特定のDBを利用するのか、その判断が成果を左右します。
- 小規模分析 → Power BI Desktop+ODBC接続
- 大規模運用 → オンプレミスゲートウェイ経由でPower BI Service連携
- RDSのPostgreSQL → 専用コネクタを活用
結論として、AWSの拡張性とPower BIの表現力を掛け合わせることで、
データ活用の幅は大きく広がります。
最適な接続方式を選び、堅牢な運用体制を整えることで、より迅速で精度の高い意思決定につながります。
<Power BIハンズオンセミナー>
弊社ではPower BIをはじめとするさまざまな無料オンラインセミナーを実施しています!
>>セミナー一覧はこちら
<Power BIの導入支援>
弊社ではPower BIの導入支援を行っています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
>>Power BIの導入支援の詳細はこちら
<PowerBIの入門書を発売中!>
弊社ではPower BIの導入から基本的な使い方・活用方法の基礎などをわかりやすく解説した書籍も販売しています。
>>目次も公開中!書籍の詳細はこちら



