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AWSとPower BIを接続する方法!ODBCコネクタとPostgreSQLコネクタの違いも分かりやすく紹介

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Power BIは、Excel感覚でデータを可視化・分析できるBIツールとして多くの企業で利用されています。

一方、AWS(Amazon Web Services)は企業のデータ基盤を支えるクラウドサービスの代表格です。
「AWSにあるデータをPower BIで可視化したい」
「ODBCとPostgreSQL、どちらのコネクタを選べばいいのか迷う」
こうした声は現場でよく聞かれます。

本記事では、Power BIとAWSを接続するメリットから、主要サービスの接続方法、ODBCとPostgreSQLコネクタの違い、そして運用のベストプラクティスまでを体系的に解説します。

Power BIとAWSをつなぐメリット

クラウドデータを直接分析できる強み

AWS上に蓄積された膨大なデータをPower BIから直接参照できるため、
最新の情報をリアルタイムに可視化できます。

ローカルにデータをダウンロードする必要がなく、セキュリティ面でも安全です。特に、在庫管理や売上ダッシュボードなど「最新データを即時に確認したい業務」では、Power BIとAWSを直結するメリットが大きいです。

Excelやローカル処理との違い

Excelでは数万行を超えると処理が重くなりがちですが、Power BIはAWSのデータベースやDWHに直接クエリを送信することで、大規模データも効率的に分析可能です。

また、AWSの認証や権限管理をそのまま活かせるため、ユーザーごとのアクセス制御(RLS: Row Level Security)との親和性も高いのが特徴です。

Power BIから利用できるAWS主要サービス


Power BIでは以下のAWSサービス向けコネクタが用意されています。
用途ごとの特徴を押さえておきましょう。

Amazon Athena(S3データをSQLで分析)

  • S3に保存されたCSVやログデータをSQLで分析可能
  • 非構造化データやログ分析に最適
  • ODBCドライバ経由で接続するのが一般的

Amazon Redshift(高速DWH)

  • 大規模データを扱うためのデータウェアハウス
  • Power BIとの相性が良く、高速な集計が可能
  • 複雑な分析や経営レベルのダッシュボードに向く

Amazon RDS(PostgreSQLやMySQLなど)

  • SQL Server、PostgreSQL、MySQLなど複数DBエンジンを提供
  • 既存システムのデータベースをそのままクラウド運用可能
  • PostgreSQLの場合、専用コネクタを使うとパフォーマンス良好

Amazon OpenSearch Service(ログ分析・全文検索)

  • 大量のログデータを検索・可視化するサービス
  • Power BIでは検索結果を取得し、セキュリティ監視やアクセスログ分析に活用できる

それぞれの特徴を整理したものを以下の表にまとめましたので、利用シーンをイメージしながら参考にしてください。

AWSとPower BIの接続方法は2パターン

Power BI Desktopから直接接続

Power BI DesktopにはAthenaやRedshift用のコネクタが用意されており、ローカル環境から直接データに接続可能です。

小規模な分析や個人利用であれば、この方法が手軽で導入コストも低いです。

オンプレミスデータゲートウェイ経由でPower BI Serviceと接続

企業利用ではPower BI Serviceを使った共有・定期更新が重要になります。この場合、AWS上のEC2に「オンプレミスデータゲートウェイ」を構築し、Power BI Serviceと連携させる方法が一般的です。

これによりクラウド上で自動更新をスケジュール設定でき、チーム利用にも適応できます。

Amazon Athenaを例にした接続手順


AWSとPower BIを実際に接続する流れを、Amazon Athenaを例に解説します。

AthenaはS3上のデータをSQLで分析できるサービスで、Power BIからの接続事例としてよく利用されます。

1. AWS側の準備(公式リンクで補足)

Athenaを使うには、事前に以下の設定が必要です。

  • S3にCSVファイルを保存する
  • IAMでAthena/S3にアクセスできるユーザーを作成
  • Athenaで外部テーブルを作成し、データを参照可能にする

これらの操作はAWSマネジメントコンソール上で行います。
具体的な操作画面やSQL例についてはAWS公式ドキュメントをご確認ください。

※本記事ではAWS側の詳細設定は割愛しますが、上記公式手順を参照してください。

Power BI Desktop側の設定

手順は以下の通りです。

  1. [データの取得] → [Amazon Athena] を選択
  2. DSNの選択画面
  3. 事前に設定したODBC DSNを選択します。

各入力項目
[DSN]:事前に作成した Athena用 ODBC DSN 名 をプルダウンから選択
例:Athena64 / Athena-Prod-Tokyo など

[Role]:通常は 空欄。Assume Role が必要な構成のみ、DSN側に Role ARN を設定して使う
例:(空欄推奨)※必要なら arn:aws:iam::123456789012:role/PowerBI-AthenaRole

[Advanced options]:接続直後に実行したい Athena SQL を書く
例:SELECT col1,col2 FROM db.schema.table WHERΕ dt >= DATE ‘2025-01-01

[データ接続モード]:通常は インポート(推奨)。

データの読み込み

Athenaで作成したテーブルが一覧に表示されるので、読み込みたいテーブルを選択します。
→選択したテーブルがPower BIに取り込まれ、通常のデータモデルとして利用できます。

ODBCコネクタとPostgreSQLコネクタの違い


Power BIでよく使われるのがODBCとPostgreSQLの2種類のコネクタです。それぞれの特徴を比較してみましょう。

ODBCコネクタとは(汎用・多用途だがやや遅い)

  • Open Database Connectivityの略
  • さまざまなデータベースに接続可能
  • ドライバ経由のため柔軟だが、パフォーマンスは専用コネクタに劣る場合あり

PostgreSQLコネクタとは(専用・高速・制約あり)

  • PostgreSQL専用のコネクタ
  • 高速かつ効率的に接続可能
  • 対応するのはPostgreSQLのみ

ケース別の選び方

  • AthenaやRedshiftを利用 → ODBCコネクタ
  • RDSのPostgreSQLを利用 → PostgreSQLコネクタ
  • 複数種類のDBを統合 → ODBCコネクタ

運用時の注意点とベストプラクティス


AWSとPower BIを組み合わせる場合、単に接続するだけではなく「セキュリティ」「設定の正確さ」「運用管理」がポイントになります。

以下に代表的な注意点をまとめました。

IAMの権限設定とセキュリティ管理

権限を広げすぎるとセキュリティリスクが高まります。最小権限での設定とキー管理が基本です。

  • S3やAthenaへの権限は必要最小限に設定
  • アクセスキーは長期保存せず、定期的にローテーション

接続失敗時のチェックポイント

トラブルの多くは設定不備に起因します。エラーが出た場合はまず以下を確認します。

  • ODBCドライバのバージョンが環境に合っているか
  • IAMポリシーにAthenaとS3のアクセス権限があるか
  • DSN設定(リージョン・認証情報)が正しいか

定期更新と共有の工夫

業務利用では「データの鮮度」と「チームでの使いやすさ」が重要です。

  • Power BI Serviceでスケジュール更新を設定
  • ゲートウェイを経由してチーム利用を可能にする
  • 大規模データはビューや集計テーブルで負荷を軽減

まとめ|AWS×Power BI接続の選び方


AWSとPower BIを組み合わせることで、クラウド上の膨大なデータを効率的に分析できるようになります。ただし、接続方式や利用するコネクタによって特性が大きく異なるため、環境や目的に応じた選択が必要です。

小規模な分析か、大規模な運用か、あるいは特定のDBを利用するのか、その判断が成果を左右します。

  • 小規模分析 → Power BI Desktop+ODBC接続
  • 大規模運用 → オンプレミスゲートウェイ経由でPower BI Service連携
  • RDSのPostgreSQL → 専用コネクタを活用

結論として、AWSの拡張性とPower BIの表現力を掛け合わせることで、
データ活用の幅は大きく広がります。

最適な接続方式を選び、堅牢な運用体制を整えることで、より迅速で精度の高い意思決定につながります。

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