Account Engagement(旧:Pardot)APIの概要や使用上の注意点を解説
目次
- 1. Account Engagement(旧:Pardot)のAPIとは?
- 1.1 APIの役割
- 2. Account Engagement(旧:Pardot) APIの仕組み
- 3. Account Engagement(旧:Pardot)APIの使用が必要となる理由
- 3.1 外部CRMツールのデータが必要な場合
- 3.2 外部ツールと統合する場合
- 4. API使用上の注意点
- 4.1 要求を発行する前にAPIでの認証が必要
- 4.2 Account Engagement(旧:Pardot)のAPIにはコール制限がある
- 5. 外部ツールとのAPI連携
- 5.1 Account Engagement(旧:Pardot)とSlackの連携手順
- 6. Account Engagement(旧:Pardot)のAPIを利用するポイント
- 6.1 Account Engagement(旧:Pardot)のログインはSalesforce経由で統一
- 7. まとめ
「マーケティングオートメーションに他のツールで管理しているデータを取り込みたい」
「できれば、Account Engagement(旧:Pardot)上で外部データを更新したい」
Account Engagement(旧:Pardot)を利用してデータを取り込む中、Salesforce製品以外のデータが必要となる場合が考えられます。たとえば、プロスペクトのコーポレートサイトの現状を知るためのGoogleサーチコンソールとの連携などです。
Account Engagement(旧:Pardot)では、APIを使うことで外部システムと連携できます。今回は、Account Engagement(旧:Pardot)のAPIについて、概要を解説しましょう。使用上の注意点なども紹介するので、ヒントとしてお役立てください。
Account Engagement(旧:Pardot)のAPIとは?
それでは、Account Engagement(旧:Pardot)のAPIについて概要を説明します。Account Engagement(旧:Pardot)は、REST APIを使うことで外部ツールのデータと、内部データを連携できる手段です。APIとは、アプリケーション・プログラミング・インターフェースの略称となります。外部アプリケーションと連携させるための仕組みです。
APIの役割
APIは外部のシステムとの連携の橋渡しの役割があります。外部システムのデータをAccount Engagement(旧:Pardot)上でチェックしたり、更新作業ができます。Account Engagement(旧:Pardot)のツール内で取りあつかう以下のデータを統合した施策立案ができるでしょう。
- プロスペクト(見込み客)
- ビジター(訪問者)
- アクティビティ(活動)
- 商談
- メール
- 外部データアプリケーション
Account Engagement(旧:Pardot)でマーケティング活動する場合、通常は、APIの使用は不要です。プロスペクトのデータを取得したい場合は、Account Engagement(旧:Pardot)のフォームやフォームハンドラーを使って顧客データを取得します。ただし、フォームやフォームハンドラー経由で取得できないデータなどは、外部ツールとの連携が必要です。その際に役立つ機能がAPIとなります。
Account Engagement(旧:Pardot) APIの仕組み
では、APIの仕組みついて解説しましょう。APIは、Account Engagement(旧:Pardot)アカウントやAccount Engagement(旧:Pardot)ユーザロールとすべての面で連携できる仕組みです。
Account Engagement(旧:Pardot)では、外部ソースデータをコネクタに接続する自動的な連携ができます。コネクタは、SalesforceのプライベートDMPとなるCDPデータソースオブジェクトに転送する仕組みです。コネクタを使用することで自動的に同期が開始されます。
同期の仕組みは、SalesforceとAccount Engagement(旧:Pardot)を統合するうえで必要な部分です。
Account Engagement(旧:Pardot)APIの使用が必要となる理由
Account Engagement(旧:Pardot)APIが必要となる理由は、2つの状況から判断できます。
外部CRMツールのデータが必要な場合
Account Engagement(旧:Pardot)は、Salesforce製品とのシームレスな関係があるため、Salesforce CRMとの連携では問題なくデータ共有ができます。ただし、外部のCRMツールとのデータ統合では、API連携が必要です。Salesforce以外のツールとデータ統合する方法は、2つあります。
- 外部のCRMツールと統合するためにAPI連携する
- 外部のCRMツールで管理しているデータを定期的にインポートする
外部ツールと統合する場合
Account Engagement(旧:Pardot)では、サポートしていない外部ツールなどと統合する場合も考えられます。APIを使う場合は、サードパーティ製ツール利用時に必要な機能です。Salesforceでは、AppExchangeサービスを活用してあらゆる外部ツールとの連携ができます。
API使用上の注意点
それでは、Account Engagement(旧:Pardot)APIを使用するうえでの注意点を紹介しましょう。
要求を発行する前にAPIでの認証が必要
Account Engagement(旧:Pardot)では、要求を発行する前にAPIでの認証が必要となります。Account Engagement(旧:Pardot)により要求を発行する場合は、「HTTP GET」もしくは「POST」による対応です。
SSL認証によりGET要求の安全性が担保できますが、注意しなければなりません。安全な要求には、POSTの使用をおすすめします。POSTメッセージ本文に長いパラメータ値が含まれている際の対応となるでしょう。
Account Engagement(旧:Pardot)のAPIにはコール制限がある
Account Engagement(旧:Pardot)では、1日のうちにAPIを要求するコールの回数で制限があります。コール制限は、エディション別で異なる設定です。上位エディションを申し込めばコール数を増やせます。
Growthエディション:日次APIコール制限数25,000回
Plusエディション:日次APIコール制限数50,000回
Advancedエディション:日次APIコール制限数100,000回
Premiumエディション:日次APIコール制限数100,000回
外部ツールとのAPI連携
Account Engagement(旧:Pardot)と外部ツールを連携した場合の例として、コミュニケーションツール「Slack」との統合例を紹介します。API連携によりAccount Engagement(旧:Pardot)側からフォーム送信のアクションによりSlackが通知する連携です。
Account Engagement(旧:Pardot)とSlackの連携手順
Account Engagement(旧:Pardot)とSlackの連携は、次の手順で設定します。
Slack上で設定する手順
Salesforce Pardot for Slack(Beta)を入手して、Slack上にAPPを作成します。
- Salesforce Pardot for Slack(Beta)からJSONファイルを利用
- 「Review summery & create your app」のダイアログ画面表示で「create」を選択
- 「install App」項目からTokenを取得
Account Engagement(旧:Pardot)上で設定する手順
- Account Engagement(旧:Pardot)の「設定」を開く
- 「編集」ボタンを選択
- 「Pardot Slackコネクター(ベータ)」を有効化
- 「コネクター」へ移動する
- 「コネクターを作成」画面で「Slack」を選ぶ
- 「コネクター」内の「Slackコネクター(ベータ)上にワークスペースを追加(Slack設定時に取得したTokenを追加)
- 「チャネルを追加」画面で通知の送り先任意チャネルを追加
上記の手順により、完了アクション画面でSlackの通知が表示されます。通知の表示を確認できれば、設定が完了です。Slackで連動することにより、プロスペクトの情報(役職・会社名・メールアドレス・電話番号など)がメッセージに自動登録されます。
参考データURL:https://resources.docs.salesforce.com/latest/latest/en-us/sfdc/pdf/pardot_slack_beta.pdf
Account Engagement(旧:Pardot)のAPIを利用するポイント
Account Engagement(旧:Pardot)のAPIを利用するポイントとして、2022年2月に変更された多要素認証後の対応を解説します。
Account Engagement(旧:Pardot)のログインはSalesforce経由で統一
Account Engagement(旧:Pardot)のログインは、Salesforce経由で統一されました。
Salesforce製品のログインは、Spring’21以降ログインアカウントがSalesforceアカウントによる多要素認証へ変更となっています。そのため、Salesforce側にAccount Engagement(旧:Pardot)API用のユーザを作成しなければなりません。手順は、次のとおりです。
- Salesforceのユーザ作成画面を開く
- ユーザライセンス項目が「Identity」であることを確認(Salesforceを利用しない場合の割り当て)
- Account Engagement(旧:Pardot)の管理者としてログイン
- 該当するユーザを開く
- 「ユーザを編集」を選択
- 「CRMユーザ名」項目でSalesforceにより作成したユーザ名を指定
以上で、Account Engagement(旧:Pardot)ユーザをSalesforceアカウントで紐づけられます。続いて、OAuth接続の設定です。SalesforceアカウントでSalesforceを開きAccount Engagement(旧:Pardot)に接続する設定です。
- 「設定」を開く
- Lightningの場合「アプリケーションマネージャ」を開く(Classicの場合「作成」を開く)
- Lightningの場合「新規接続アプリケーション」(Classicの場合「節即アプリケーション」→「新規」)
- 画面に以下の項目を入力
- 「保存」で完了
- 「コンシューマ鍵」と「コンシューマの秘密」をコピーして保管
- Salesforceの「設定」を開く
- 「Account Engagement」を入力
- 「Account Engagementのホーム」を開く
- 「管理者の割り当て」を選択
- ビジネスユニットIDをコピーして保管
接続アプリケーション名:Pardot Integration
API参照名:Pardot Integration
OAuth 設定の有効化:チェックあり
コールバック URL:https://login.salesforce.com/services/oauth2/callback
選択した OAuth 範囲:Pardotサービスにアクセス
Web サーバフローの秘密が必要:チェックあり
引用元:https://base.terrasky.co.jp/articles/MZFUB
まとめ
本記事では、Account Engagement(旧:Pardot)のAPIについて解説してきました。
API連携のポイントや注意点などお役に立てたでしょうか。Account Engagement(旧:Pardot)では、戦略の確度を上げるため外部ツールとの連携が必要になる場合が考えられます。