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【2026年4月度】医療機関マスタの最新差分データ分析 〜病院廃止・診療所化・病床減少に見る地域医療再編と事業承継の兆候〜

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医療機関を対象に営業活動やデータ分析を行う皆様へ、最新の医療機関動向をお届けします。
皆様は、精度の高い「病院マスタ」や「病院リスト」をどのように整備されていますでしょうか。
フロッグウェルでは、厚生労働省が毎月公開しているオープンデータ「コード内容別医療機関一覧表」をもとに、独自のノウハウで使いやすい形に加工・変換し、最新情報を反映した医療機関マスタを提供しています。
また、単に最新データを提供するだけでなく、前月度と比較して差分があったレコードのみを抽出し、「差分データ」として提供しているのが大きな特徴です。
本記事では、2026年4月度の医療機関マスタ「医科」の差分データから、一部項目について統計・分析を行った結果をご紹介します。

医療機関コードとは?マスタ管理の落とし穴


医療機関マスタを自社で管理する際、多くの方が直面するのが「医療機関コード」の変更によるデータの分断です。
医療機関コードとは、各医療機関に割り当てられる識別番号ですが、代表者、開設者、管理者の変更などにより変更されることがあります。
コードが変わると、過去の営業履歴や取引履歴、導入済みシステムの利用状況などと紐付かなくなり、リストのメンテナンスに大きな手間がかかります。
この課題を解決するため、弊社のマスタには「独自の管理用コード」を設定しています。医療機関コードが変更されても、弊社が同一医療機関と判断した場合は、独自の管理用コードで新旧データをスムーズに紐付け管理することが可能です。

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当月の変動件数と注目ポイント

全体変動件数

  • 新規開院:331件
  • 廃止・休止:213件
  • 経営体変更:81件
  • 勤務医数変更:2,448施設
  • 管理者変更:216件
  • 病床数変更:-1,296床(全体差分)
  • 診療科変更:260施設

今月の注目ポイント

今月は、地域医療の「ダウンサイジング」と「再編の兆候」が複数の項目で確認された月となりました。

当月は、病院の完全廃止が3件、病院から診療所への変更が3件、統合による廃止が1件発生しています。これらの事例の一部では、建物の老朽化、改修の困難さ、医師確保や患者数の変化など、医療機関の運営体制に関わる課題が背景にあることが確認されています。

また、廃止・診療所化に至った施設とは別に、現存する医療機関においても、一般病床を中心に全体で-1,296床の病床減少が確認されました。さらに、非常勤医が増加した施設も1,411施設にのぼり、医療提供体制の維持や勤務体制の見直しが進んでいる可能性があります。

これらの変動は、M&Aや事業承継コンサルティング会社にとって、廃止に至る前の支援ニーズや、地域内での連携・統合可能性を検討するうえで重要なシグナルとなります。

今月の注目記事

今月の差分では、病院の統廃合、病院廃止、病院から診療所への変更といった、地域医療の提供体制に関わる動きが複数確認されました。
建物の老朽化、医師不足、患者数の減少、病床維持の難しさなどを背景に、病院機能の見直しや他施設への統合、診療所化が進むケースが見られます。

統廃合

一般財団法人岩手済生医会 中津川病院
https://www.hoyoin.jp/cgi-local/news.cgi?f1=1770355634&f2=staff
中津川病院は、三田記念病院への統合集約を発表しています。立地場所が土砂災害特別警戒区域に指定されたことなどを背景に、地域医療機能を維持するため、病院機能を集約する動きとして注目されます。

病院廃止

北友会勝田病院
https://h.hykai.jp/
北友会勝田病院は、1984年の開院以来、内科・外科・がん治療などを中心に地域医療を担ってきた病院です。公開情報では、建物老朽化への対応や大規模修繕工事、リニューアル遅延について触れられています。

医療法人社団 雙和会 原整形外科病院
https://www.haraseikeigeka.or.jp/
原整形外科病院は、昭和44年より診療所として、昭和57年より病院として西池袋で診療を続けてきましたが、令和7年12月30日をもって閉院することを公表しています。

医療法人財団 紘友会 三鷹病院
http://www.mitakabyoin.or.jp/
三鷹病院は、2026年1月をもって閉院することを公表しています。病棟閉鎖後は外来のみを継続していましたが、建物老朽化により改修対応が困難となり、今後は新たに診療所を開設する方針です。

病院から診療所への変更

福島県厚生農業協同組合連合会 会津みさと診療所
https://aizumisato-clinic.com/
JA福島厚生連高田厚生病院は、2026年4月1日より「会津みさと診療所」として新たに運営を開始しました。入院機能は坂下厚生総合病院へ集約し、外来診療や健診機能は継続される予定です。

高松市立しおのえ診療所
https://www.city.takamatsu.kagawa.jp/kurashi/kenkou/iryo/shionoe-branchhosp/s_byouin_hotaru.files/42.pdf
高松市では、塩江町の医療施設整備について、新築計画から既存施設の改修へ方針転換したことが報じられています。医師確保の難しさや施設整備の遅れなどを背景に、病床機能の見直しが進められてきました。

阿波医院
https://www.pref.tokushima.lg.jp/file/attachment/985002.pdf
阿波病院については、2026年度中に閉院し、吉野川医療センターに統合される計画が報じられています。患者数の減少、医師不足、施設老朽化などを背景に、病床廃止、診療所化、統合へと進む事例として注目されます。

新規開院の動向

このグラフは、当月に新たに開院した医療機関を都道府県別および施設種別、病院・診療所別に整理したものです。
都道府県ごとの件数分布や施設種別の内訳を見ることで、開院動向の地域的な偏りや、病院と診療所の構成差を把握できます。

新規開院するクリニックの中には、将来的な分院展開や周辺エリアでの成長を視野に入れている医療法人が含まれる場合があります。
M&A・事業承継の観点では、新規開院データは「売り手候補」ではなく、むしろ将来的な買い手候補や連携先候補を把握するための情報として活用できます。

新規開院の動向

当月の新規開院は合計331件で、内訳はすべて診療所でした。病院の新規開院は0件です。

都道府県別では、東京都81件、大阪府34件、愛知県24件が上位に入っており、都市部に集中している傾向が見られます。
新規開院は、引き続き都市部を中心に動きが大きい一方で、病院の新設は確認されていません。医療提供体制の拡大は、病院よりも診療所を中心に進んでいると考えられます。

廃止・休止の動向

このグラフは、当月に廃止または休止となった医療機関を都道府県別に整理したものです。
都道府県ごとの件数分布を見ることで、どの地域で施設の減少が多く発生しているかを把握できます。

完全な廃止に至ってからでは、M&Aや事業承継による支援の余地は限られます。
そのため、廃止・休止が多い地域は、地域全体で後継者不在、建物老朽化、人材不足、患者数減少などの課題を抱える施設が一定数存在している可能性があります。
廃止・休止データは、すでに閉鎖された施設を追うだけでなく、「廃止に至る前の類似施設」を見つけるための地域分析の入口として活用できます。

廃止・休止の動向

当月に廃止または休止となった施設は合計213件でした。

都道府県別では、福岡県27件、大阪府27件、東京都21件が上位でした。特定の地域に極端に偏るというよりも、都市部を含む広い範囲で発生しています。
今月の病院廃止の中には、長年地域医療を支えてきたものの、建物の老朽化や改修困難などを背景に閉院に至ったケースも確認されました。
こうした情報は、地域医療の維持に向けて、早期の承継支援や統合支援が必要となる施設を把握するうえで参考になります。

経営体変更の動向

このグラフは、当月に経営体の変更があった医療機関を都道府県別に整理したものです。
開設者の情報をもとに、個人から法人への変更や、法人から個人への変更などに分類しており、地域ごとの経営主体の変化の傾向を把握できます。

「個人から法人への変更」は、将来の事業承継や組織運営の安定化を見据えた準備である可能性があります。
すべての法人化がM&Aや第三者承継に直結するわけではありませんが、経営体変更は、医療機関の経営方針や組織体制に変化が起きている重要なタイミングです。
M&A・事業承継コンサルティング会社にとっては、法人化や組織変更が発生した医療機関を、中長期的な承継支援や経営支援の候補として継続的にモニタリングすることが有効です。

経営体変更の動向

当月の経営体変更は合計81件でした。
内訳では、個人から法人への変更が63件と大半を占めており、法人化の動きが継続していることが確認できます。法人から個人への変更は10件、組織変更は8件でした。
都道府県別では、大阪府20件、北海道11件が上位となり、東京都と福岡県がそれぞれ6件で続いています。

経営体変更は、単なる名称変更ではなく、経営主体や運営体制の変化を伴うケースがあります。医療機関のライフサイクルを把握するうえで、継続的に確認すべき項目です。

勤務医数の変動

このグラフは、医科データに基づき、勤務医数の増減を都道府県別に整理したものです。
常勤医と非常勤医に分けて表示することで、増加・減少の分布や勤務形態の違いによる変動の特徴を読み取ることができます。

※本グラフは、勤務医数の人数差分ではなく、常勤医・非常勤医それぞれで増加/減少が発生した施設数を集計しています。同一施設で常勤医・非常勤医の両方に変動がある場合は、双方にカウントされます。

常勤医の減少や非常勤医の増加は、医師確保の難しさや勤務体制の見直しを示す可能性があります。
特に、常勤医を十分に確保できない施設では、非常勤医の活用により診療体制を維持しているケースも考えられます。
こうした施設は、直ちにM&A対象であるとは限りませんが、今後の診療継続、診療科維持、後継者確保に課題を抱える可能性があります。
M&A・事業承継支援の観点では、勤務医数の変動は、経営状態そのものではなく、医療提供体制の変化を把握するための補助指標として活用できます。

勤務医数の変動
勤務医数の変動

当月に勤務医数の変動があった施設は合計2,448施設でした。
常勤医が増加した施設は398施設、減少した施設は408施設でした。非常勤医が増加した施設は1,411施設、減少した施設は683施設でした。

組み合わせ別では、常勤医が「変動なし」かつ非常勤医が「増加」した施設が1,163施設と最も多く、非常勤医の活用拡大が目立っています。
都道府県別では、勤務医数に何らかの変動があった施設数は東京都529施設、神奈川県184施設、大阪府146施設が上位でした。

また、グラフ上では、常勤医・非常勤医それぞれの増加施設数、減少施設数を分けて表示しています。増加・減少の双方で東京都が多く、都市部を中心に勤務医体制の変動が広く発生していることが確認できます。
勤務医数の変動は都市部で多く確認されていますが、地方部においても常勤医確保や診療体制維持に関する課題を把握するうえで重要な項目です。

管理者変更の動向

このグラフは、当月に管理者変更があった医療機関を都道府県別に整理したものです。
病院と診療所の内訳をあわせて見ることで、地域ごとの変更件数の偏りや施設種別の違いを把握できます。

管理者、つまり院長や施設管理者の変更は、親族内承継、世代交代、勤務医からの昇格、グループ内での人事異動など、さまざまな背景で発生します。
管理者変更があった施設は、新たな経営体制に移行したタイミングであるため、経営課題の整理や今後の方針確認が行われやすい時期とも考えられます。
M&A・事業承継の観点では、管理者変更を「即時の譲渡ニーズ」と見るのではなく、代替わり後の経営課題や中長期的な承継方針を確認するきっかけとして活用することが有効です。

管理者変更の動向

当月の管理者変更は合計216件で、病院が21件、診療所が194件でした。
都道府県別では、東京都41件、神奈川県15件、大阪府15件が上位となっています。

診療所が中心ではありますが、病院での管理者変更も一定数確認されています。病院規模での管理者交代は、地域医療体制や法人運営に影響を与える可能性もあるため、継続的な確認が必要です。

病床数の変動

このグラフは、当月の病床数の増減を病床区分別および都道府県別に整理したものです。
病床区分ごとの増減や地域別の差分を見ることで、医療機能の再編や地域差の傾向を把握できます。

病床数の減少は、医療機関の機能縮小、病棟再編、医師・看護師確保の難しさ、稼働率の変化など、さまざまな要因によって発生します。
病床を大きく減少させている施設は、必ずしも経営危機にあるとは限りません。一方で、地域内での役割や提供機能を見直している可能性があるため、M&A・事業承継支援の観点では重要な確認対象となります。

特に、病床減少、診療科減少、勤務医数減少、管理者変更などが複合的に発生している施設では、将来的な統合、連携、承継支援の検討余地が高まる可能性があります。

病床数の変動

当月の病床数差分は全体で-1,296床でした。
区分別では、増加側として一般241床、精神4床、療養62床、感染症2床が確認された一方、減少側では一般-1,105床、精神-181床、療養-313床、感染症-6床が確認されています。

特に一般病床の減少幅が大きく、医療機能の見直しや病床再編が進んでいる可能性があります。
都道府県別では、神奈川県+117床、滋賀県+29床、北海道+16床と増加が見られる地域もありますが、全国全体では減少側の動きが大きい結果となりました。
病床数の差分は、地域医療の再編や施設ごとの経営判断を読み解くうえで、非常に重要な指標です。

診療科の変動

このグラフは、当月に追加または減少した診療科を整理したものです。
診療科の領域別の変動や都道府県ごとの分布を見ることで、診療機能の見直しがどの領域・地域で起きているかを把握できます。
なお、グラフでは主要診療科を対象に、内科系、外科系、その他に分類して表示しています。

診療科の追加や減少は、医師の採用・退職、専門領域の見直し、患者ニーズの変化、地域内での役割分担などを反映している可能性があります。
診療科が減少した施設では、特定領域の専門医確保が難しくなっているケースや、不採算部門の見直しが進んでいるケースも考えられます。

一方で、診療科を追加した施設では、新たな診療機能への投資や、地域内での役割拡大を進めている可能性があります。
M&A・事業承継の観点では、診療科変動は単独で判断するのではなく、病床数、勤務医数、管理者変更、経営体変更と組み合わせて見ることで、支援ニーズや連携可能性を把握しやすくなります。

診療科の変動
診療科の変動 診療科の変動

当月に診療科変動があった施設は合計260施設でした。
都道府県別では、東京都38件、大阪府24件、北海道23件が上位でした。
追加が目立った診療科は、消化器内科20件、糖尿病内科19件、精神科15件でした。
一方、減少が目立った診療科は、胃腸内科17件、内科15件、循環器内科14件でした。

診療科の変動は、特定の領域で診療機能の見直しが進んでいる可能性を示しています。医師確保や地域ニーズの変化を把握するうえで、継続的に確認したい項目です。

今月の総括

今月は、建物の老朽化や改修困難、医師確保や患者数の変化などを背景とした「病院の廃止」や「病院から診療所への変更」が複数確認されました。
また、現存する施設においても、一般病床を中心とした大幅な病床数の減少や、非常勤医の活用拡大が確認されています。

これらの変動は、単に施設数が増えた・減ったという情報にとどまりません。医療機関がどのように機能を維持し、どの領域を縮小し、どのような体制に移行しようとしているのかを読み解くための重要なデータです。

M&A・事業承継コンサルティング会社にとっては、廃止後の情報だけではなく、廃止に至る前の変化を早期に把握することが重要です。
病床数の減少、勤務医数の変動、管理者変更、経営体変更、診療科の増減といった複数の差分を組み合わせることで、将来的な承継支援、統合支援、地域連携支援の可能性がある医療機関を見つけやすくなります。

今後も、医療機関マスタの差分データを継続的に確認することで、地域医療の変化を早期に把握し、より精度の高い営業戦略や支援先の探索につなげることができます。

注意事項
本記事は、公開されている病院関連データをもとに作成した差分情報の整理・一般的な情報提供を目的としています。
内容の正確性、最新性、完全性を保証するものではありません。医療機関の利用や取引、支援判断に関する最終判断は、各医療機関の公式情報および公的機関の情報をご確認のうえ行ってください。
また、差分分析の一部にAIツールを用いています。一般的な推測や誤りを含む可能性があります。

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