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医療業界における後値引きについて商流と仕組みを徹底解説します!

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医療業界における後値引きについて知っていますか?
今回は医療業界における後値引きの概念、歴史、商流、メリットなどを整理してご紹介します。

医療業界で後値引きの概念について紹介

医療業界には「後値引き」という商取引上の慣習があります。

反対概念として、先値引きがあり、こちらは、あらかじめ値引いた金額で販売することを指します。(通常取引で良くみられる形態で、一般的に値引き販売というと、こちらを指します)

後値引きとは、その名の通り、まず仕切り価格で販売し、翌月以降に取り決めの金額分を値引きをすることを指します。

後値引きの歴史を紹介します!


業界大手のとあるメーカーが、大手ディーラー向けに始めたのが起源という話があります。

後述する通り、大手ディーラーは導入メリットが特に大きいので、他も追随したのでしょう。

他の業界の商流同様、エンドユーザ(医療業界で言えば、病院・クリニック・薬局・大学等)には複数のディーラーが出入りしています。

仕組みはなるべく統一されていた方が便利でしょうし、大手が声をあげると業界への影響が大きいというのも、業界問わずといったところでしょうか。

医療業界の後値引き商流について

医療業界の商流は(医療業界に限らずですが)、メーカーと卸業者(ディーラー)とエンドユーザという構造になっています。

これにより、メーカーは製品製造に注力でき、販売に関しては卸業者に協力してもらうことで利益拡大を狙うことができます。

この点、他の業種と大きな違いはありません。

ディーラー側とメーカー側の後値引きのメリット

後値引きをするディーラー側のメリットについて

在庫管理の複雑化を排除することが出来ます。

大手であれば、仕入れ部門と、後値引き部門が分かれていることも珍しくありません。

仕入れ部門からすると、仕入れ時に購入価格を考慮する必要がなくなりますので、仕入れ作業に注力できるようになります。

(仕入れ時はエンドユーザがどこであるかを考慮せず、メーカーとディーラーによって決めた製品ごとの一律の価格が適用されます)

後値引き部門としても、どの在庫を引き当てたのかを考える必要がなくなるため、後値引き計算が楽になります。

(エンドユーザへの実績ベースで計算すればよいだけです。どこどこ病院宛の在庫、という考えは値引き計算上は不要です)

後値引きをするメーカー側のメリットについて

安い価格での横流しを防ぐことができます。

製品価格は、「どのディーラーが、どの病院に納入する場合に、いくら」という決定方法になるため、

同じ製品でも、病院が異なれば価格が違います。

この仕組み上、先値引きの場合は、「一番安い病院に納入する建前で安く購入し、実際は別の病院に「横流し」する」ことを防げません。

しかし、後値引きの場合は、エンドユーザへの販売実績を元に値引き計算をするので、不当な商流を防ぐことができます。

医療業界の後値引き仕組みについて

特にメーカー側には、専門スタッフが必要になることが多いでしょう。

というのも、ディーラーから送られてくる実績を元に値引き計算を行うわけですが、

実績のフォーマットが各社異なることが多いですし(MD-netを利用したEDI実績データであれば原則、統一されています ※別ブログにより後述予定)

エンドユーザマスタのメンテナンスや値引き価格の認識違いによる調整など、作業工程が非常に複雑です。

双方とも金額に関わる部分なので、なあなあにすることができません。

(私の経験上、ザルなディーラーも意外とありますが、大手は専属スタッフがいることも珍しくないので割と厳しめでしょうか)

メーカーとしても、この点を適当におこなって、後々金額調整となったら、目も当てられません。

(私の経験上、計算月ないであればまだしも、締め日をまたいだり、四半期、会計年度をまたぐと最悪です。)

金額の齟齬については、一見まともに計算できていそう(双方結果に合意した)でも、非常に気が付きにくい穴が眠っていたりします。

この辺りの「勘」は1年やそこらでは養えないでしょう。

(弊社は専門チームを有しており、上記のような要所を踏まえ対処方法をマニュアル化しています。

とはいえ、情報や仕組みはナマモノで、経験はマニュアルを読んだだけでは落とし込めないので、悩ましいところです)

次回以降、値引き計算の実処理について詳しくご説明させていただきたいと思います。

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