Tableauでマップを作成する方法を分かりやすく解説
目次
- 1. Tableauでマップを作成する手順
- 1.1 <手順1>地理的情報を付与する
- 1.2 <手順2>マップを作成する
- 1.3 <手順3>バックグラウンドマップを変更する
- 1.4 <手順4>バックグラウンドレイヤーを編集する
- 2. 【実践】Tableauでよく使うマップ表現3選
- 2.1 比例シンボルマップ
- 2.2 色塗りマップ
- 2.3 密度マップ(ヒートマップ)
- 3. 地理的データの活用例
- 3.1 売上の地域差分析(エリア戦略の最適化)
- 3.2 店舗パフォーマンス分析(立地の良し悪しを可視化)
- 3.3 顧客分布の把握(マーケティング精度の向上)
- 3.4 物流・配送の効率化(コスト削減に直結)
- 4. カスタマイズオプション
- 4.1 マップスタイルの最適化
- 4.2 レイヤーの調整
- 4.3 色の設計(誤解を生まないための工夫)
- 4.4 ツールチップの設計
- 4.5 インタラクション
- 5. 地理データの活用とマップのカスタマイズ
- 6. まとめ
データの視覚化において、地理情報を表すマップは情報の理解を深めるために重要な役割を果たします。
特にTableauではマップ作成機能が充実しており、直感的な操作で魅力的なマップを簡単に作成することが可能です。
この記事では、Tableauを使用して地理的なデータを視覚化する具体的な手順と、実際のビジネスシーンでよく使うマップ表現を初心者にもわかりやすく解説します。
Tableauの地理的分析を活用することで、ビジネスデータから新たなインサイトを引き出し、より賢明な意思決定が可能になるでしょう。
Tableauのポテンシャルを最大限に活用して、データドリブンな意思決定に役立つ視覚的な分析を行いましょう。
Tableauでマップを作成する手順
Tableauはデータを地理的な文脈で可視化することができ、より具体的なビジネス戦略を練ることが可能です。
ここでは、Tableauでマップを作成するための基本的な流れを解説します。
なお、今回の解説にあたっては、Tableauに付属している「サンプルスーパーストア」のデータを使用します。
<手順1>地理的情報を付与する
Tableauでマップを作成するには、まずはじめに地理的情報をデータに付与するプロセスが必要です。
データセットに含まれる地理的属性(国名、都道府県名、市区町村名など)のフィールドのアイコンをクリックし、「地理的役割」から適切な属性を選択します。
今回は例として、[都道府県]に対して地理的役割を付与しました。

フィールドのアイコンが地球儀のマークになればOKです。これでTableau側が[都道府県]を地理的フィールドとして認識してくれるようになります。
なお、データソースの中にあらかじめ緯度/経度のフィールドが存在する場合は、この手順は不要です。
<手順2>マップを作成する
<手順1>で作成した地理的フィールドをダブルクリックすると、[緯度]と[経度]のフィールドが自動生成され、下図のように都道府県マップのVizが表示されます。
なお、データソースの中にあらかじめ緯度/経度のフィールドが存在する場合は、[緯度]を行シェルフに、[経度]を列シェルフにドラッグ&ドロップします。

これで最低限のマップ作成は完成です。
ここから、マークカードの「色」や「サイズ」などに適切なフィールドを追加していくことで、より意思決定に役立つマップを作成できます。
具体的なマップの作成手順については次の章で詳しくご紹介するため、、ここでは割愛します。
<手順3>バックグラウンドマップを変更する
Tableauでは、バックグラウンドマップのスタイルを変更することもできます。
バックグラウンドマップを変更することで、プレゼンテーションや分析のニーズに合わせた視覚的なカスタマイズが可能です。
下図のように、画面上部の[マップ]>[バックグラウンドマップ] をクリックし、最適な色調のマップを選択します。

デフォルトでは「明るい」になっていますが、例えば「ストリート」や「サテライト」に変更すると、下図のようなバックグラウンドになります。
・「ストリート」にした場合

・「サテライト」にした場合

<手順4>バックグラウンドレイヤーを編集する
さらに詳細なカスタマイズが必要な場合、バックグラウンドレイヤーの編集が役立ちます。
画面上部から、[マップ]>[バックグラウンドレイヤー]をクリックします。

すると、画面左側にバックグラウンドレイヤーの設定画面が表示されます。
ここで特定の地理的要素(国境線、都市名、地形など)のレイヤーを個別に管理し、マップの情報量を調整することが可能です。
デフォルトでは下図のように全てに✓が入っています。

例えば、「ベース」と「地下鉄と鉄道の駅」の✓を外すと、下図のようにマップに含まれる要素が少なくなります。

マップに含まれる要素が多すぎると、ビジネスの意思決定に必要なインサイトを得るのが難しくなります。
そのため、マップに表示する要素は必要最小限に絞っておくのが望ましいです。
【実践】Tableauでよく使うマップ表現3選
Tableauを使用する際、地理的なデータの視覚化にはさまざまなマップ表現が用いられます。
ここでは、その中でも特によく使う下記3つのマップ表現について、具体的な作成手順をご紹介していきます。
- 比例シンボルマップ
- 色塗りマップ
- 密度マップ(ヒートマップ)
これらのマップは、それぞれ異なるデータの視覚化ニーズに対応し、地理的なインサイトを明確に伝えるための強力なツールです。
比例シンボルマップ
比例シンボルマップは、その名のとおり、データの値に比例してシンボルの大きさが変わるマップです。
このタイプのマップは、例えば都市ごとのメジャー(売上、人口など)をマップ上で視覚的に比較したいときに適しています。
今回は、都道府県別に売上の大きさを比較します。
手順1
(地理的役割を付与した)[都道府県]をダブルクリックします。

手順2
[売上]をマークカードの「サイズ」にドラッグ&ドロップします。

手順3
プロットされた円が小さい場合は、マークカードの「サイズ」をクリックし、サイズを調整しましょう。
また、マップの左上にある「+」「ー」をクリックすることで、マップをズームイン(ズームアウト)させることが可能です。
最初の倍率に戻したい時は、「ー」の下にあるクリップのアイコンをクリックします。

これで、都道府県ごとの合計売上を、マップで視覚的に比較できるようになりました。

色塗りマップ
色塗りマップは、地理的な領域ごとに色を塗り分けることで情報を表示します。
これは、地域別利益や人口増加率、選挙結果など、地域に基づくデータを一目で理解するのに役立ちます。
今回は、都道府県別の合計利益で色分けしていきます。
手順1
(地理的役割を付与した)[都道府県]をダブルクリックします。

手順2
[利益]をマークカードの「色」にドラッグ&ドロップします。

手順3
必要に応じて、色分けのルールを変更して完成です。
今回は、利益=0を起点に、利益がプラスの場合は青色に、マイナスの場合は赤色になるように変更しました。
マークカードの「色」>色の編集 から変更が可能です。


なお、今回は[都道府県]に地理的役割を与えて色塗りマップを作成しましたが、[市区町村]で同様の手順を行うと、下図のように市区町村の一地点(ポイント)のみの表示になってしまいます。

この場合、地理的役割を「市区町村」ではなく「郡」に変えることで、市区町村単位で色塗りマップを作成できるようになります。

密度マップ(ヒートマップ)
密度マップ(ヒートマップ)は、データポイントの集中度を色の濃さで表現するマップです。
このタイプのマップは、特定の地域における活動のホットスポットなどを視覚的に捉えるのに適しています。
今回は、市区町村別の合計数量を可視化するための密度マップを作成します。
手順1
(地理的役割を付与した)[市区町村]をダブルクリックします。
なお、今回は密度マップを作成するため、地理的役割は「市区町村」でも「郡」でも同じ結果が得られます。

手順2
[数量]をマークカードの「色」にドラッグ&ドロップします。

手順3
マークカードにあるグラフタイプのプルダウンをクリックし、「密度」に変更します。

手順4
必要に応じて、色の編集を行います。
今回は、マークカードの「色」をクリックし、「自動」から「明るくて濃いオレンジ」に変更しました。

地理的データの活用例
Tableauのマップ機能は「見た目が分かりやすい」だけで終わらせると正直もったいないです。重要なのは、地理情報を意思決定にどう結びつけるかです。ここでは、実務でよく使われる具体的な活用パターンを詳しく解説します。
売上の地域差分析(エリア戦略の最適化)
最も基本的かつ重要なのが、地域別の売上分析です。都道府県や市区町村単位で売上を可視化すると、どのエリアが強く、どこが弱いのかが直感的に把握できます。
例えば、関東圏の売上が高く、地方都市で低い場合、単純に「売れていない」で終わらせるのではなく、
- 商圏人口の違い
- 店舗数の不足
- マーケティング投資の偏り
といった仮説を立てる材料になります。
さらに、前年比や成長率を色分けすれば、「今伸びているエリア」と「落ちているエリア」を同時に把握できます。これにより、投資すべき地域の優先順位が明確になります。
店舗パフォーマンス分析(立地の良し悪しを可視化)
小売業や飲食業では、店舗ごとの売上や来客数を地図上にプロットすることで、立地と業績の関係が見えてきます。
例えば、似たような立地条件でも売上に差がある場合、
- 店舗運営の問題
- ターゲット層とのズレ
- 周辺競合の影響
などを疑うことができます。
また、バブルサイズ(円の大きさ)で売上、色で利益率を表現するなど、複数指標を同時に可視化することで、より深い分析が可能になります。

顧客分布の把握(マーケティング精度の向上)
顧客の住所データをマップに落とし込むことで、「どこに顧客が多いのか」が明確になります。
これにより、
- チラシ配布エリアの最適化
- 広告配信のターゲティング
- 新規出店エリアの検討
といったマーケティング施策の精度を高めることができます。
特に重要なのは、「売上が高い地域」ではなく「顧客密度が高い地域」を見ることです。売上だけでは見えない潜在需要を発見できるケースがあります。
物流・配送の効率化(コスト削減に直結)
配送先やルートを地図上に表示することで、無駄な移動や非効率なルートを可視化できます。
例えば、
- 配送先が特定エリアに集中している
- 無駄に遠回りしているルートがある
といった問題が見えてきます。
これをもとに配送ルートを再設計すれば、時間短縮だけでなく燃料費削減にもつながります。つまり、マップはコスト改善ツールとしても機能します。
カスタマイズオプション
マップは「作る」だけでは不十分で、「どう見せるか」が成果を左右します。ここでは、Tableauで特に重要なカスタマイズ要素を具体的に解説します。
マップスタイルの最適化
Tableauでは背景地図のスタイルを変更できますが、ここでやりがちなのが「かっこいい地図を選ぶ」ことです。これは間違いです。背景はあくまで補助です。
例えば、
- データを強調したい → 淡色(Light)
- 夜間データやヒートマップ → 濃色(Dark)

といったように、「データが見やすいか」を基準に選ぶべきです。
背景が目立ちすぎると、肝心のデータが埋もれてしまいます。
レイヤーの調整
地図には道路や地名など多くの情報を表示できますが、すべて表示すると逆に見づらくなります。
ここで重要なのは必要のない情報は「削ること」です。
例えば、
- 売上の地域差を見る → 道路は不要
- 店舗位置を示す → 地名は必要

左はレイヤーにすべてチェックをいれた図、右は最小限のレイヤーを入れた図

バックグラウンドレイヤーで調整可能
というように、目的に応じて表示要素を最適化します。
情報を足すより、不要な情報を減らすほうが、視認性は大きく向上します。
色の設計(誤解を生まないための工夫)
色は直感的に情報を伝える強力な要素ですが、使い方を誤ると誤解を招きます。
基本ルールはシンプルです。
- 数値の大小 → グラデーション
- カテゴリ → 色分け
さらに重要なのは、「意味のある色」を使うことです。
例えば、
- 赤=危険・低い
- 青=安定・高い
などといった企業ごとの認識に合わせることで、説明なしでも理解されやすくなります。
また、色数を増やしすぎると逆に分かりにくくなるため、3〜5色程度に抑えるのが現実的です。
ツールチップの設計
マップ上にすべての情報を表示するのは無理があります。表示ができないというよりも、情報過多となりマップ表示によるメリットが享受できなくなるリスクが高くなります。そこで活用するのがツールチップです。
ツールチップには、
- 売上
- 利益
- 前年比
- 店舗数
など、補足情報をまとめて表示できます。
さらに、簡単なグラフを埋め込むことも可能です。これにより、「クリックしなくても分かる分析環境」を作れます。
インタラクション
静的な地図は「見るだけ」で終わりますが、インタラクションを加えることで「使えるツール」に変わります。
具体的には、
- フィルター(地域・期間・カテゴリ)
- ハイライトアクション
- ダッシュボード連携
などを設定します。
例えば、特定の地域をクリックすると他のグラフも連動して変わるようにすれば、ユーザーは直感的に分析を進められます。
これは単なる可視化ではなく、「意思決定を支援するUI設計」です。
地理データの活用とマップのカスタマイズ
地理データの活用とマップのカスタマイズは、Tableauにおいて差がつくポイントです。
- 活用例 → 分析の深さを決める
- カスタマイズ → 伝わりやすさを決める
この2つが揃って初めて、「使えるマップ」になります。
逆に言えば、ここを雑にやると、どれだけデータが良くても価値は半減します。
見た目ではなく、「何を伝えるか」「どう使われるか」を軸に設計する。この意識を持てば、マップの質は一段上がります。
まとめ
この記事を通して、Tableauを用いたマップ作成の基本的なステップから、実際によく使うマップ表現の作成方法までを詳しく解説しました。
地理的情報の付与から、マップのカスタマイズまでの流れを学ぶことで、Tableauにおけるデータの視覚的表現が豊かになり、より明確なインサイトを得られるようになります。
Tableau初心者の方々にとって、このガイドが地理的データ分析に取り組むための一助となることを願っています。
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