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Tableauでデータを深く掘り下げる:LOD計算の完全ガイド

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データビジュアライゼーションは、ビジネスの意思決定において不可欠な要素です。Tableauはその強力なツールの一つであり、特にLOD(Level of Detail)計算は、データ分析の精度と柔軟性を大きく高めます。この記事では、Tableau中級者向けに、LOD計算の概要から具体的な使用例までを詳しく解説し、データを必要な形で絞り込む方法について解説します。

LOD計算の重要性

TableauにおけるLOD(Level of Detail)計算は、データ分析の深化と精度向上において中心的な役割を果たします。データビジュアライゼーションにおいて、異なる視点からデータを分析し、より深い洞察を得ることはビジネス上の意思決定に直結します。LOD計算は、データをより詳細なレベルで理解し、複雑なデータセットから有意義な情報を抽出するための強力なツールです。この計算を活用することで、Tableauユーザーはデータの潜在的な価値を最大限に引き出し、より効果的なビジネス戦略を立てることが可能になります。

LOD計算が必要な状況

複数の集計レベルでの分析が必要な場合
例えば、全国の各地域での売上と、全国全体の売上を同時に分析する場合、LOD計算を使用しないと、地域ごとの売上の平均値が全国平均に影響を与え、誤った解釈を引き起こす可能性があります。

特定の次元を無視した分析が必要な場合

特定のキャンペーンやイベントの影響を除外してデータを分析したい場合、EXCLUDE関数を使用してこれらの要素を分析から除外することができます。これにより、イベントの影響を受けない通常のビジネスパフォーマンスを正確に評価できます。

LOD計算を行わない場合のデメリット

データの誤解釈

LOD計算を行わないと、特定の次元に基づく重要な洞察を見逃す可能性があります。これにより、データの誤解釈や不正確な分析結果に基づく意思決定が行われるリスクが生じます。

分析の柔軟性の欠如

LOD計算を使用しない場合、データの集計レベルがビューに依存してしまい、分析の柔軟性が制限されます。これにより、特定のビジネス上の問いに対する答えを見つけることが困難になることがあります。

LOD計算の概要

TableauにおけるLOD計算は、データ分析の深化と精度向上に不可欠な機能です。特にFIXED、INCLUDE、EXCLUDEの三つの関数は、異なる分析ニーズに応じてデータを絞り込む際に重要な役割を果たします。これらの関数を理解し適切に活用することで、より洗練されたデータ分析が可能になります。

精度の向上と柔軟性の提供(FIXED関数)

FIXED関数は、特定の次元に基づいてデータを集計し、その結果を他の計算やビジュアライゼーションに使用できます。これにより、集計レベルを固定することで、データの精度を向上させることができます。たとえば、地域別の平均売上を計算する際、FIXED関数を用いることで、各地域の売上を正確に把握し、全体の平均と比較することが可能になります。この機能は、データの集計レベルをビューのレベルから独立させることで、分析の柔軟性を大幅に高めます。

追加の次元を考慮した分析(INCLUDE関数)

INCLUDE関数は、特定の次元を集計に含めることで、より詳細なデータ分析を可能にします。これは、特定の次元を追加的なコンテキストとして分析に組み込むことができるため、より豊かなデータの視点を提供します。例えば、顧客ごとの平均購入額を計算する際に、顧客の居住地域を含めることで、地域別の消費傾向をより詳細に分析することができます。このように、INCLUDE関数は、追加の次元を考慮することで、データ分析の深さと幅を増加させます。

特定の次元の影響を排除する分析(EXCLUDE関数)

EXCLUDE関数は、特定の次元を集計から除外することで、より一般的なデータ分析を可能にします。これにより、特定の次元の影響を排除して、より広範なデータの視点を得ることができます。例えば、特定の地域を除外して全国の平均売上を計算することで、その地域の特異性を排除した分析が可能になります。この機能は、特定の次元によるデータの歪みを排除し、より一般化された結果を得るために重要です。

FIXED関数の詳細と使用例

TableauのFIXED関数は、データ分析において特定の次元に基づく集計を固定するために使用されます。この関数は、ビューのレベルに関係なく、指定された次元に基づいてデータを集計し、一貫性のある分析を提供します。FIXED関数の適切な使用は、データ分析の精度を高め、より深い洞察を得るために不可欠です。

FIXED関数の基本的な構文

FIXED関数の基本的な構文は以下の通りです
{FIXED [次元]: 集計式}
ここで、[次元]は集計を固定する次元を指定し、集計式はその次元に基づいて計算される式です。これだけではピンとこない人も多いと思いますので、具体例を見ていきましょう。

使用例:地域別平均売上の計算

例えば、全国の各地域での平均売上を計算する場合、FIXED関数を使用して各地域の売上を固定的に集計し、それを全国平均と比較することができます。この計算は以下のように行います
{FIXED [地域]: AVG([売上])}
この式は、各地域ごとに売上の平均を計算し、その結果を他の計算やビジュアライゼーションに使用できます。これにより、地域ごとのパフォーマンスを正確に評価し、全国平均との比較を行うことが可能になります。

応用例:製品カテゴリ別の売上比較

別の応用例として、製品カテゴリごとの売上を固定的に集計し、全体の売上と比較することもできます。これは、特定の製品カテゴリが全体の売上にどの程度貢献しているかを理解するのに役立ちます。例えば、以下の式を使用します
{FIXED [製品カテゴリ]: SUM([売上])}
この式は、各製品カテゴリごとに売上の合計を計算し、それを全体の売上と比較するために使用できます。

(青が全カテゴリの売上、オレンジが各カテゴリの)

INCLUDE関数の詳細と使用例

TableauのINCLUDE関数は、特定の次元を現在のビューの詳細レベルよりも細かいレベルで集計に含めるために使用されます。この関数は、追加の次元を分析に組み込むことで、より豊かなデータの視点を提供し、データ分析の深さと幅を増加させます。INCLUDE関数は、特定のコンテキストにおけるデータの詳細な理解を可能にし、より洗練された洞察を得るために重要です。

INCLUDE関数の基本的な構文

INCLUDE関数の基本的な構文は以下の通りです
{INCLUDE [次元]: 集計式}
ここで、[次元]は集計に含める追加の次元を指定し、集計式はその次元を含めた上で計算される式です。INCLUDE関数についても具体例で見ていきましょう。

使用例:顧客ごとの平均購入額の計算

例えば、顧客ごとの平均購入額を計算する場合、INCLUDE関数を使用して顧客の居住地域を分析に含めることができます。これにより、地域別の消費傾向をより詳細に分析することが可能になります。この計算は以下のように行います
{INCLUDE [顧客ID]: AVG([購入額])}
この式は、各顧客ごとに購入額の平均を計算し、それを地域や他の次元と組み合わせて分析することができます。これにより、顧客の購買行動をより深く理解し、地域別のマーケティング戦略を策定する際に役立ちます。

応用例:製品カテゴリと顧客セグメントの分析

別の応用例として、製品カテゴリごとの売上を、顧客セグメントごとに分析することもできます。これは、特定の顧客グループが特定の製品カテゴリにどの程度貢献しているかを理解するのに役立ちます。例えば、以下の式を使用します
{INCLUDE [顧客セグメント]: AVG([売上])}
この式は、各顧客セグメントごとに売上の平均を計算し、製品カテゴリとの関連性を分析するために使用できます。

EXCLUDE関数の詳細と使用例

TableauのEXCLUDE関数は、特定の次元を現在のビューの集計から除外するために使用されます。この関数は、特定の次元の影響を排除して、より広範なデータの視点を得ることができます。EXCLUDE関数は、特定の次元によるデータの歪みを排除し、より一般化された結果を得るために重要です。

EXCLUDE関数の基本的な構文

EXCLUDE関数の基本的な構文は以下の通りです
{EXCLUDE [次元]: 集計式}
ここで、[次元]は集計から除外する次元を指定し、集計式はその次元を除外した上で計算される式です。

使用例:特定のイベントの影響を除外した売上分析

例えば、特定のプロモーションイベントの影響を除外して全国の平均売上を計算する場合、EXCLUDE関数を使用することができます。これにより、イベントの影響を受けない通常のビジネスパフォーマンスを正確に評価することが可能になります。この計算は以下のように行います。
{EXCLUDE [イベント]: AVG([売上])}
この式は、特定のイベントを除外して全国の平均売上を計算し、イベントの影響を排除した分析を行うことができます。イベントを考慮するか否かで数値が異なっているのがわかります。

応用例:季節要因を除外したトレンド分析

別の応用例として、季節要因を除外して製品の売上トレンドを分析することもできます。これは、季節的な変動を排除し、製品の本質的な売上トレンドを理解するのに役立ちます。例えば、以下の式を使用します
{EXCLUDE [季節]: SUM([売上])}
この式は、季節を除外して製品の売上の合計を計算し、季節要因による影響を排除したトレンド分析を行うことができます。季節を除外することで、純粋に地域ごとに数値が集計されています。

LOD計算の応用:実践的なケーススタディ

LOD(Level of Detail)計算は、Tableauにおけるデータ分析をより深く、具体的に行うための強力なツールです。実際のビジネスシナリオにおいて、LOD計算を適用することで、複雑なデータセットから有意義な洞察を得ることが可能になります。以下に、LOD計算を応用したいくつかの実践的なケーススタディを紹介します。

ケーススタディ1:地域別売上と顧客行動の分析

企業が地域別の売上と顧客行動を分析し、マーケティング戦略を最適化したい場合。
このような場合はFIXED関数を使用して、各地域の総売上を計算し、それを顧客の購買行動データ(例:購入頻度、平均購入額)と組み合わせます。これにより、地域別の売上パフォーマンスと顧客行動の関連性を明確に分析できます。

ケーススタディ2:製品カテゴリ別のパフォーマンス評価

企業が製品カテゴリ別のパフォーマンスを評価し、在庫管理や製品開発を改善したい場合。
こういった場合はINCLUDE関数を使用して、特定の製品カテゴリにおける顧客の購入パターン(例:購入頻度、購入時の平均金額)を分析します。これにより、特定の製品カテゴリに対する顧客の関心度や購買行動をより詳細に理解し、製品戦略を調整できます。

ケーススタディ3:特定イベントの影響分析

企業が特定のプロモーションイベントの影響を分析し、将来のイベント戦略を計画したい場合。このような場合はEXCLUDE関数を使用して、イベント期間中のデータを除外し、通常のビジネスパフォーマンスを評価します。また、イベント期間中のデータと通常期間のデータを比較することで、イベントの効果を具体的に分析できます。画像の例の場合、通常期間の売上(下段)において、EXCLUDE関数を使用することでイベント期間中のデータを除外して集計することを行っています。

まとめ

TableauのLOD(Level of Detail)計算は、データ分析の精度と深さを大幅に向上させる重要な機能です。FIXED、INCLUDE、EXCLUDEの各関数を適切に活用することで、データの集計レベルを細かく制御し、より洗練された分析を行うことが可能になります。これらの関数を用いることで、地域別の売上分析、顧客行動の詳細な理解、特定イベントの影響分析など、ビジネス上の重要な洞察を得ることができます。LOD計算は、Tableauを使用する上で不可欠なスキルであり、データ駆動型の意思決定に大きく貢献します。

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