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Power BIのデータ型とは? 設定方法・種類・変換エラーの注意点までわかりやすく解説

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「なぜか合計されない」「グラフが壊れる」…その原因、実は“データ型”かもしれません。
Power BIでレポートを作っていると、「計算ができない」「時系列で並ばない」などの予期せぬトラブルに遭遇することがあります。その多くは、**見落とされがちな“データ型の設定ミス”**に原因があります。特に「社員番号なのに先頭のゼロが消えた」「日付なのにテキスト扱いで並び替えができない」といった細かなトラブルは、意識しないままでは気づきにくいものです。

本記事では、そうした“気づきにくい落とし穴”を回避するために、Power BIのデータ型の基本・設定方法・エラー対策まで、わかりやすく解説していきます。

Power BIにおけるデータ型とは?


Power BIでは、取り込んだデータに対して「データ型」を正しく設定することが非常に重要です。データ型とは、各データ項目が「数値」「文字列」「日付」など、どういった種類の情報かを示す定義のことを指します。正しいデータ型の設定は、DAX関数による計算やグラフ・表の表示、分析精度に直結します。
Power BIでは自動的に型推測が行われますが、誤認識されるケースも少なくありません。そのため、意図的にデータ型を確認・調整することがトラブル防止の第一歩となります。

Power BIで使える主なデータ型一覧

Power BIでは、取り込んだデータを正しく解釈し、分析できるように「データ型」が必ず設定されています。
ここでは、Power BIで扱うことができる代表的なデータ型と、その特徴について整理していきます。
データ型の理解は、正しい集計、フィルター、レポート作成の基本です。

また、Power BI DesktopとPower Queryでは、利用できる型や扱い方に若干の違いがあるため、それぞれについて確認しておきましょう。

Power BI Desktopで扱えるデータ型


Power BI Desktopで設定・利用できる主なデータ型は、以下の通りです。

これらは、レポート作成時やDAX式の作成時に大きな影響を与えます。
たとえば、数値型でなければ合計や平均が取れず、文字列型のままでは数値集計が正しくできません。

Power Queryで扱えるデータ型

Power Queryでは、Power BI Desktopとは少し異なる独自のデータ型が用意されています。

データの加工・変換を行う過程で、正しい型設定がされていないと、後続処理やレポート作成時に思わぬエラーや不具合を引き起こすことがあります。
代表的なデータ型は以下の通りです。

特に注意が必要なのは、**「Date/Time型」**です。
Power BI Desktopでは単なる「日付型」として扱いたい場面でも、Power Query側で「Date/Time型」のままだと、思わぬ違い(たとえば、時刻が原因で集計ミス)が生じることがあります。そのため、データ読み込み時や加工時には、型が適切に設定されているか必ず確認する習慣をつけることが重要です。

データ型の違いが及ぼす影響

Power BIにおいて、データ型の設定ミスはレポート作成や分析結果に大きな影響を及ぼします。具体的には、以下のようなトラブルが発生するリスクがあります。

たとえば、売上金額が数値型ではなく文字列型で取り込まれてしまった場合、グラフに合計値を表示しようとしても、正しく計算されず、グラフが空白になったりエラー表示になったりします。また、日付型でない列を時系列グラフに使おうとすると、年月日が順番通りに並ばず、正しい分析ができません。このように、データ型は単なる設定項目ではなく、レポート全体の精度と使いやすさに直結する重要なポイントなのです。

データ型の設定・変更方法

Power BIでは、インポートしたデータに自動でデータ型が割り当てられます。

しかし、すべてのデータ型が正しく認識されるわけではなく、実際のレポート作成では手動での修正が欠かせません。

ここでは、

  • Power BI Desktop上でのデータ型の設定方法
  • Power Queryエディターでの型変換手順

について順番に解説していきます。

正しいデータ型を設定することで、レポートの精度やメンテナンス性を高めることができます。
また、型ミスによる「気づきにくいエラー」を防ぐためにも、早い段階で型を意識した作業を心がけましょう。

Power BI Desktopでの設定手順

Power BI Desktopでは、インポートしたデータに対して簡単にデータ型を設定・変更できます。
基本の流れは次のとおりです。

データ型の変更手順

  1. フィールドペインから対象列を選択
  2. 左側のフィールド一覧から、型を変更したい列(例:売上金額)をクリックします。

  3. 「列ツール」タブからデータ型を選ぶ
  4.  リボンにある「列ツール」タブを開き、「データ型」のプルダウンから適切な型(数値、日付など)を選択します。

  5. 変更を確認・適用
  6.  変更後、Power BIが自動で再計算を行います。内容を確認し、レポート作成に進みましょう。

💡ワンポイントアドバイス

  • 取り込んだ直後に、必ずデータ型を一括確認しておくのがおすすめです。
  • 特に数値・日付・テキスト型は、誤認識されやすいので注意しましょう。
  • 型を途中で変えると、既存のビジュアルやDAX式に影響を及ぼす場合があるので、慎重に変更してください!

Power Queryでの設定・変換手順

Power Queryエディターでは、データを取り込んだ後に型変換を行うことができます。

ただし、**変換処理の順序(ステップ)**によって結果が変わる場合があるため、Desktop以上に注意が必要です。

データ型の設定手順(Power Query編)

  1. Power Queryエディターを開く
  2. ホームタブの「データの変換」をクリックして、Power Queryエディターを開きます。

  3. 対象列を右クリックし「データ型の変更」を選択
  4. 型を変更したい列を右クリックし、「データ型」→適切な型(数値、テキスト、日付など)を選びます。

  5. ステップ(適用した操作)を確認
  6. 画面右側の「適用したステップ」に「型の変更」が追加されていることを確認します。

Power Query特有の注意点

  • 型変換はステップとして記録される
  • → 型を変更するたびにステップが増えるため、後で編集・削除も可能です。

  • ステップの順序に注意
    → たとえば「データ削除→型変換」と「型変換→データ削除」では結果が変わることもあります。型の設定はできるだけ後半でまとめて行うのがおすすめです。
  • 自動型認識は完璧ではない
    → 取り込み時に自動で型が付与されますが、誤認識も多いため、必ず手動で確認・修正をしましょう。

自動認識されるデータ型とそのリスク

Power BIでは、データを読み込んだ時点で、システム側が自動的にデータ型を推測して設定してくれます。

この機能のおかげで、基本的なデータ整備は素早く進めることができますが、必ずしも正しい型が割り当てられるとは限りません。

自動認識の例

  • 数字の列 → 数値型(整数・小数)
  • 日付の列 → 日付型
  • テキストが混じった列 → テキスト型
  • 空白が多い列 → テキスト型や「null」扱いになることも

自動認識の落とし穴(よくあるミス例)

たとえば、社員番号や郵便番号のように「数字っぽいけれど実は文字列で管理すべき」ものを、自動で数値型にされてしまうと、先頭の0が消えてしまい、重大なデータミスにつながる可能性もあります。

自動認識はあくまで仮設定だと考え、データ型は必ず人間の目でチェック・手動修正するクセをつけましょう。

データ型設定でよくあるエラーと解決策


Power BIでレポートを作成していると、データ型の設定ミスによるエラーやトラブルに直面することがあります。
ここでは、実際によく起きるエラー例とその解決策を具体的に整理していきましょう。

さらに注意しておきたいポイント

  • 数値型に変換するときは、小数点の扱い(整数か小数か)も意識する
  • 日付型にする場合、フォーマットの統一(yyyy/mm/dd など)を事前に確認する
  • 「Null除去」や「欠損値処理」をせずに型変換をすると、集計値がずれてしまう場合もある

データ型を正しく設定するメリットとは?


データ型を正しく設定しておくことで、レポート作成や運用の安定性が大きく向上します。
ここでは、実務上どんなメリットがあるのかを整理してみましょう。

実際に起こりうる改善例

  • 「文字列型」になっていた日付データを「日付型」に適切に変更した結果、カレンダーテーブルとの連携がスムーズになった。
  • 売上データの型ズレを修正したことで、月次レポートの集計ミスが解消された。
  • データ更新後もエラーなくリフレッシュが完了し、メンテナンス作業の負担が大幅に軽減された。

このように、データ型を適切に設定しておくことは、レポートの正確性・運用効率の両面で大きなメリットをもたらします。

まとめ|Power BIではデータ型設定が土台になる

Power BIで正確なレポートを作成・運用していくためには、データ型の設定がレポート作成の「土台」であるという意識が欠かせません。
本記事では、データ型の基本から、設定・変更方法、よくあるエラーとその対策、適切な型設定がもたらすメリットまで整理してきました。

なお、データ型設定に関するさらに詳しいノウハウや、実務で役立つテクニックについては、【例)Power BIスライサー解説
など、他の記事でも解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
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