ブログ

NDBオープンデータの読み取りに欠かせない用語の解説まとめ

#オープンデータ #NDBオープンデータ #用語

積極採用中
セミナー情報

NDBオープンデータを利用しようと考え、活用の方法やデータの取得を調べている方のために、用語集を作成しました。

NDBオープンデータについて勉強し始めたばかりの方にもわかりやすいよう解説したので、お役立てください。

NDBオープンデータ基礎編


NDBオープンデータを使ったことはありますか?
NDBオープンデータは、日本の医療を網羅的に分析することのできる貴重なデータです。
都道府県、月、疾患ごとに現在行われている医療のさまざまな分析ができ、活用することが可能です。

NDBオープンデータについて知りたい、活用したいと考えている方は、ぜひこの用語集を参考にしてください。

オープンデータ

オープンデータとは、国、地方公共団体及び事業者が保有する公のデータのうち、次の項目にすべてあてはまる形で公開されたデータのことを指します。

  1. 機械判読に適したもの
  2. 無償で利用できるもの
  3. 営利目的、非営利目的を問わず二次利用可能なもの

オープンデータの促進により、人口統計や公共施設の場所などをはじめとした様々な公共データを市民や民間企業が有効活用できるようになります。
さらに社会経済全体の発展に貢献することを目的として、世界中で推進されています。
参照:オープンデータ基本指針(平成29年5月30日高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・官民データ活用推進戦略会議決定)

NDB

NDB、National DataBaseとは、レセプト情報・特定健診等情報データベースのことです。
厚生労働省が医療費適正化計画の作成と実施、評価のため、調査や分析などに利用し、行政機関や研究者に提供されています。

実際に格納されているデータは以下の2つです。

  • レセプト情報
  • 特定健診・特定保健指導情報

これらの情報は、医療保険者から厚生労働省へ提供され、匿名化してデータベースに入れられます。

レセプト

日本の国民皆保険制度では、医療保険者が医療費の一部を負担しています。
レセプトとは診療報酬明細書のことで、実施した保険診療に対して、医療機関が医療保険者へ請求するために発行します。

レセプト情報に含まれるのは、おもに医療費についての情報です。
保険病名、実施した検査内容と費用、処置内容と費用、処方内容と薬剤費などの情報が含まれ、網羅性が高いという特徴があります。

特定健診・特定保健指導

特定健診・特定保健指導は、40歳以上75歳未満が対象です。
特定健診とは、生活習慣病の予防のため、メタボリックシンドロームに着目して高リスクの人を早期発見するための健診です。
必要に応じて医療機関への受診勧奨や保健指導につなげることが目的とされています。

特定保健指導とは、生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による生活習慣病の予防効果が多く期待できる人を対象に、保健師、管理栄養士などが生活習慣を見直すためのサポートをします。
データベースに含まれる情報は血圧や腹囲、BMI、採血データ、特定保健指導の内容などです。

NDBオープンデータ

NDB に格納されているすべてのデータは、個人情報を完全に匿名化するのが困難なため、対象を限定して提供されています。

  1. 公的機関:国の行政機関、都道府県及び市区町村
  2. 法人等:大学その他の研究機関(大学及び研究開発独立行政法人等)、民間事業者
  3. 個人:国から研究費用を補助されて業務を行う個人

しかし、これらの情報のうちNDBに格納されているデータのうち、汎用性が高く、様々なニーズのある基礎的なデータに関して自由に活用できるよう公表する要望が高まりました。
そのため、厚生労働省は平成28 年10月から NDB オープンデータを公表しています。

NDBオープンデータの公表対象は、医科入院外レセプト、医科入院レセプト、DPC レセプ
ト、調剤レセプト、歯科レセプト、及び特定健診です。

NDBオープンデータは、解説編とデータ編の2 部構成になっています。
解説編はNDBオープンデータに関する説明や集計表の一部をグラフ化したものになり、データ編は集計表で、利用者が自由に加工・分析できます。

NDBオープンデータ分析編


NDBオープンデータの全体図が理解できるよう、用語を解説してきました。

本章では、実際にどのようなデータが格納されていてどのような分析が可能なのかが理解できるよう、用語を解説します。

NDBオープンデータ分析サイト

NDBオープンデータ分析サイトとは、NDBオープンデータの利活用に際して、利用者が理解を深めることを目的とし、厚生労働省がデータ分析環境を提供しているサイトです。

NDBオープンデータは大きく分けて4つの項目(医科診療行為、歯科傷病、薬剤、特定健診)に分かれています。
さらにそれぞれが小項目に分かれて集計されています。

医科診療行為

医科診療報酬点数表項目

歯科傷病

歯科診療報酬点数表項目
歯科傷病

薬剤

特定保険医療材料

特定健診

特定保険医療材料
特定健診検査項目
特定健診質問票項目

医科診療報酬点数表項目、歯科診療報酬点数表項目、歯科傷病、薬剤データ、特定保険医療材料の5項目は「都道府県別」「性・年齢別」で集計されています。

さらに、医科診療報酬点数表項目については「二次医療圏別」、「診療月別」の集計、一部の診療行為に対する「都道府県別/性・年齢 別」のクロス集計が公開されています。

歯科診療報酬点数表項目については「二次医療圏別」の集計が公開されています。

特定健診検査項目、特定健診質問票項目については「都道府県別/性・年齢別」 「二次医療圏別/性・年齢別」でクロス集計されています。

NDBオープンデータ分析サイトでは、興味のある項目について、都道府県別や性年齢別にグラフ化するとどのようなデータになるかを見ることができます。
例えば、在宅医療を受けた人を性年齢別や都道府県別で表示したり、特定健診の質問票で運動をしていると答えた人の割合を都道府県別に表示したりすることができます。

2次医療圏

都道府県は、医療政策を立案するために、病院や診療所の病床の整備を図るべき地域的単位として、1〜3次の医療圏を設定しています。

1次医療圏は診療所などの日常的な医療を提供する区分で、主に市区町村単位です。

2次医療圏は、救急医療や入院治療が完結するように設定した区域です。

3次医療圏は、重度のやけどの治療や臓器移植など特殊な医療や先進医療を提供する単位で、各都府県がひとつの区域です。

複数の市区町村で1単位とされ、医師数や病床数などの計画はこれをベースに考えられています。
地域医療の基本的な単位といえます。

したがって、地域医療に関して現実に即した詳細な分析を行う際には、2次医療圏の概念が重要になります。

クロス集計

収集したデータを、設問をかけ合わせて集計することを「クロス集計」といいます。
クロス集計を行うと、あるデータの傾向をふたつの項目別に細分化して見ることができます。

例えば、60歳以上の男性が手術を受けた回数を都道府県別に表示する、などという解析ができます。
項目ごとに大きく傾向が異なる場合に有効な解析方法です。 

DPC制度

DPC制度とは、医療費の計算方式に定額制をとりいれたものです。
患者の病名や治療内容に応じて診断群分類を設定し、分類ごとに1日当たりの入院費用を定めます。
患者にとって、病名や治療内容に応じてどのくらいの医療費がかかるのかの目安が分かりやすくなることがメリットです。

DPCデータには患者の性別、生年月日、病名、病期分類など病態等の情報や重症度、医療・看護必要度など日ごとの患者情報が含まれており、個人情報を含んだ貴重なデータです。
このうちDPCレセプトの情報はNDBオープンデータに格納されています。

まとめ

NDBオープンデータに関する基礎的な用語と活用する際に必要な用語に関して解説しました。
NDBオープンデータを分析すると、日本でどのような保険医療が行われているかが分析でき、地域ごと、性別年齢別の傾向も詳細に知ることができます。
ぜひNDBオープンデータについて学び、ビジネスに活用してみませんか。

<医療系オープンデータ>
弊社では医療系オープンデータをはじめとするさまざまな無料オンラインセミナーを実施しています!
>>セミナー一覧はこちら

また、弊社では活用しやすいよう加工した【DPCデータ】や【病床機能報告データ】を提供しています。こちらもお気軽にお問い合わせください。
>>DPCデータ提供サービスについてはこちら
>>病床機能報告データ提供サービスについてはこちら

全国の医療機関(医科・歯科・薬局)マスタを無料または有料で提供いたします。
>>医療機関マスタの詳細こちら!
>>医療機関マスタ提供に関するQ&Aはこちら

CONTACT
お問い合わせ

ご相談やご依頼、病院マスタなどについてのお問い合わせはこちらのお問い合わせフォームから。

サービスなどについてのお問い合わせ 病院マスタについてのお問い合わせ

メールお問い合わせ