Data360(旧:DataCloud)との連携設計とは 顧客統合とリアルタイム活用の全体像を分かりやすく解説
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目次
- 1. Data360(旧:DataCloud)とMarketing Cloudを連携することで変わる3つのこと
- 1.1 セグメント配信の精度が上がる理由
- 1.2 リアルタイム施策が可能になる背景
- 1.3 顧客理解が深まり、施策のPDCAが早くなる
- 2. 連携に必要な設計ステップと考慮点
- 2.1 ユースケース設計とKPIの明確化
- 2.2 データマッピングとID解決のポイント
- 2.3 トリガー設計と連携タイミングの考え方
- 3. 活用シーン別に見る導入パターンの違い
- 3.1 EC×Web接客:在庫×閲覧履歴でレコメンド
- 3.2 アプリ×メール配信:アクション直後の自動フォロー
- 3.3 オフライン×オンライン統合:POS連携による会員施策
- 4. 連携を成功させるための運用と体制の工夫
- 4.1 部署間連携をどう設計に落とし込むか
- 4.2 連携初期にありがちな落とし穴と対処
- 4.3 PoC止まりを防ぐ推進体制のつくり方
- 5. まとめ
顧客データの価値を最大限に引き出すには、システムをどう連携させるかが重要です。とくにSalesforceのData360(旧:DataCloud)とMarketing Cloudを組み合わせることで、これまで分断されていた情報が“ひとつの顧客像”として統合されます。
本記事では、CDPやDMPの運用を担う担当者の視点から、両クラウドを連携させる際の設計全体像と実践のポイントを解説します。
Data360(旧:DataCloud)とMarketing Cloudを連携することで変わる3つのこと

Data360(旧:DataCloud)とMarketing Cloudを連携させると、単なるシステム接続にとどまらず、マーケティングの考え方そのものが変わります。これまで点在していた顧客データがリアルタイムでつながり、チーム全体の判断や施策の精度が高まるのです。
ここでは、実務で特に大きな変化をもたらす三つの視点を紹介します。
セグメント配信の精度が上がる理由
Data360(旧:DataCloud)は、購買・閲覧・行動といった複数チャネルのデータを統合できます。Marketing Cloudがその情報を即時に参照することで、配信対象をより細かく抽出できるようになります。
たとえばECサイトで「カートに商品を入れたまま購入していないユーザー」だけを抽出し、翌日に自動リマインドメールを送るといった施策も容易です。属性ではなく行動を基準にした配信へと切り替わることで、顧客の反応率が上がります。
リアルタイム施策が可能になる背景
従来のCDP連携では、データが反映されるまで数時間の遅れがありました。Data360(旧:DataCloud)ではこのタイムラグを最小限に抑え、Marketing Cloudにほぼリアルタイムでデータを渡せます。
これにより、店舗での「ポイント利用」やアプリでの「お気に入り登録」など、瞬時の行動を起点に施策を打てるようになります。顧客の動きに合わせたタイミングでメッセージを届けることで、体験の一貫性が生まれます。
顧客理解が深まり、施策のPDCAが早くなる
Data360(旧:DataCloud)で集約したデータは、Marketing Cloudの配信結果と組み合わせて分析できます。たとえば「再購入促進メールがどのセグメントで成果を上げているか」といった検証が容易になり、改善サイクルが自然と速まります。
マーケティングとデータ分析が同じ基盤で連動することで、部門を越えた協働が進みます。データを見てすぐ動ける体制が整う――それが、この連携の真価といえるでしょう。
また、これらの変化は単にマーケティングの効率を高めるだけではありません。顧客が求める体験を、データを通じてより具体的に描けるようになる。意思決定のスピードと顧客理解の深さ――その両立を実現できるのが、Data360(旧:DataCloud)連携の大きな価値です。
連携に必要な設計ステップと考慮点

Data360(旧:DataCloud)とMarketing Cloudの連携は、単にシステムを接続するだけでは機能しません。目的の整理やデータ構造の理解、運用体制の準備といった「設計の前提」を整えることが、成果を左右します。
ここでは設計段階で押さえておきたい三つの観点を紹介します。
ユースケース設計とKPIの明確化
最初に決めるべきは、なぜ両システムをつなぐのかという目的です。目的が曖昧なままだと、連携は動いても施策の成果にはつながりません。
たとえば「休眠顧客の再購入促進」や「アプリ経由の購買率向上」など、具体的なユースケースとKPIを最初に設定しておくと、関係部門との合意形成がスムーズになります。
また、短期的な改善と中長期的な価値向上の両面から目標を設計することも重要です。すぐ成果が出る施策と、顧客基盤を強化するための仕組みづくり。この二つを並行して描くことで、現場と経営層の視点がずれにくくなります。
データマッピングとID解決のポイント
次に整理すべきは、データの紐づけ設計です。Data360(旧:DataCloud)には複数の識別子を統合できるID解決機能があり、会員IDやメールアドレス、Cookieなどを結びつけて一人の顧客像を構築します。
ただし、システムごとに項目名やデータ型が異なる場合は注意が必要です。マーケティング担当者自身が「このデータを何に使うのか」を定義しておくことで、後の運用トラブルを防ぎやすくなります。
さらに、外部システムを連携させる場合は更新頻度の差にも配慮が必要です。POSデータが1日1回、Webデータが10分ごとに更新されるようなケースでは、時間軸を合わせないと分析にズレが生じます。データ連携の設計とは、単に結ぶだけでなく“タイミングをそろえる作業”でもあるのです。
トリガー設計と連携タイミングの考え方
リアルタイム施策を実現するうえで鍵となるのが、トリガーの設計です。どの行動を起点にデータを送るのかを明確にしておくことで、連携後の自動化が安定します。
たとえば「カート放棄」「アプリ起動」「店舗購入完了」など、主要なイベントを定義し、リリース前にテスト環境で動作確認を行っておくと安心です。
また、すべてを即時処理にしようとすると運用負荷が高まります。現実的には「どこまでをリアルタイムにするか」「どこをバッチ処理にするか」を切り分けるのが理想です。顧客体験を損なわない範囲で速度設計を行うことが、安定運用の近道といえます。
活用シーン別に見る導入パターンの違い

Data360(旧:DataCloud)とMarketing Cloudの連携は、企業の業種や顧客接点によって最適な設計が変わります。
ここでは、代表的な三つの活用パターンを取り上げ、目的やデータ構造の違いを整理します。
EC×Web接客:在庫×閲覧履歴でレコメンド
ECサイトでは、顧客の行動データをどれだけ即時に反映できるかが成果を左右します。Data360(旧:DataCloud)に蓄積された在庫・購買情報をMarketing Cloudと連携させることで、閲覧履歴と在庫状況を掛け合わせたレコメンドが可能になります。
たとえば「残りわずかな商品を閲覧した顧客」に限定キャンペーンを自動配信する、といった施策です。これまで担当者の判断に頼っていた販促タイミングが自動化され、在庫回転率の向上につながります。
実務では、在庫データをSalesforce内で常に最新化できる仕組みを整えることが鍵です。マーケターと在庫担当が同じ数値を見ながら動く体制を築くと、意思決定のスピードが変わります。
アプリ×メール配信:アクション直後の自動フォロー
アプリ利用者との接点では、タイミングが最も重要です。お気に入り登録やアプリ起動といった行動をトリガーに、Marketing Cloudからメールを送る仕組みを構築すれば、ユーザーの離脱を防ぎやすくなります。
Data360(旧:DataCloud)のリアルタイム連携を活かすことで、アプリ内の行動データをすぐに配信ロジックへ反映できます。Push通知とメールを組み合わせた自動施策も実現しやすくなり、アクティブ率の維持にも効果的です。
一度シナリオを設計しておけば、以降はデータが動くたびに施策が自動で回ります。手動対応が減ることで、運用チームの負担も大きく軽減されます。
オフライン×オンライン統合:POS連携による会員施策
実店舗を持つ企業では、POSデータとの連携が欠かせません。Data360(旧:DataCloud)が店舗・EC・アプリの購買情報を統合し、Marketing Cloudがそのデータを基に配信を行うことで、顧客単位の体験設計が可能になります。
たとえば「店舗での購買から30日経過した顧客」へ自動的にフォローメールを送るなど、来店後の再アプローチも仕組み化できます。オンラインとオフラインを分けず、ひとつの購買体験として設計する――これが連携活用の理想形です。
POSデータが即時にMarketing Cloudへ渡ることで、店舗スタッフが翌日の販促を立てやすくなります。現場とシステムが同じ時間軸で動くことが、継続的な成果につながるのです。
連携を成功させるための運用と体制の工夫

Data360(旧:DataCloud)とMarketing Cloudの連携は、仕組みを作って終わりではありません。運用を続けるなかで、データの鮮度や施策の整合性をどう保つかが成果を左右します。
ここでは、運用体制を安定させるための三つの視点を紹介します。
部署間連携をどう設計に落とし込むか
マーケティング、システム、店舗運営――それぞれの部署でデータの見方は異なります。その違いを前提に、どこを共通ルールにするのかを最初に決めておくことが大切です。
たとえば「顧客IDの管理方法」「属性更新のタイミング」「セグメント命名規則」などを明文化しておくと、後々の齟齬を防げます。Data360(旧:DataCloud)のデータ定義書を共通言語として扱い、各部署が同じ図面を参照できるようにしておくことが、プロジェクトの安定運営につながります。
さらに、定例ミーティングなどで連携データの更新状況を確認する場を設けると効果的です。Marketing Cloudの配信結果と照らし合わせながら改善点を議論することで、データ品質を維持できます。
連携初期にありがちな落とし穴と対処
運用初期は、仕組みそのものよりも想定外の動きが発生しやすい時期です。たとえばデータ更新が遅延する、特定条件で配信が走らないといったケースがあります。
多くは「想定シナリオを事前に定義していなかった」ことが原因です。主要なユースケースごとに、正常時と異常時の動作をセットで設計しておくと、トラブルが起きても迅速に対応できます。
また、導入初期は自動化の範囲を絞るのが現実的です。重要なシナリオから始め、結果を見ながら段階的に広げていくと、安定性と拡張性のバランスがとりやすくなります。
PoC止まりを防ぐ推進体制のつくり方
Data360(旧:DataCloud)連携のプロジェクトは、PoC(概念実証)で止まってしまうことも珍しくありません。原因は、実務部門と技術部門の分断にあります。
おすすめは、両領域を横断できる連携推進チームを設けることです。運用担当が現場の課題を吸い上げ、技術側がそれを仕組みに落とし込む。この往復が継続的な改善を生みます。
さらに、定期的に施策レビューの場を持ち、Marketing Cloudの配信データとData360(旧:DataCloud)の分析結果を照らし合わせると、成果が可視化されやすくなります。最終的なゴールはツールの導入ではなく、「自社で回せる体制を育てること」。この視点を共有できるかどうかが、連携を持続可能な仕組みに変える鍵です。
まとめ
Data360(旧:DataCloud)とMarketing Cloudの連携は、単なるシステム接続ではなく、企業が顧客理解をどこまで深められるかを問う取り組みです。どんなに高度な仕組みを導入しても、目的や設計思想が整理されていなければ成果は生まれません。
ユースケースとKPIを明確に描くこと。ID解決やトリガー設計を現実的な粒度で整えること。そして、運用を支えるチームが同じ目的を共有し続けること。この三つの要素がそろって初めて、Data360(旧:DataCloud)とMarketing Cloudの連携は動き続ける仕組みになります。
実際の現場では、分断されていたデータがつながることで「顧客の行動が見えるようになった」という声も多く聞かれます。分析が施策に直結し、改善のスピードが上がる。その循環が生まれたとき、マーケティングがようやく現場のリズムに合うものへと変わります。
Data360(旧:DataCloud)との連携設計は、データを動かすためではなく、体験を動かすための仕組みづくりです。その視点で全体を見直すことが、これからのマーケティングを強くする第一歩になるでしょう。
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