Content Builderとは Dynamic ContentやA/Bテストを分かりやすく解説
#Marketing Cloud #A/Bテスト #Content Builder #Dynamic Content
目次
- 1. Dynamic Contentを使うと変わる3つの成果
- 1.1 コンバージョン率の改善につながる理由
- 1.2 配信準備の工数が減る仕組みとは
- 1.3 誰にでもできる設定手順のポイント
- 2. セグメント配信の柔軟性が高まる2つの工夫
- 2.1 AttributeとData Extensionの違いを押さえる
- 2.2 複雑な条件を整理するQuery活用術
- 3. A/Bテストで見える、成果を伸ばす判断軸
- 3.1 どこを比較すべきか?有効なテストパターン例
- 3.2 勝ちパターンを見逃さない設定・分析のコツ
- 4. Einsteinコンテンツでできる、さらに一歩進んだ配信最適化
- 4.1 Engagement Scoringで反応を可視化する
- 4.2 Einstein Content Selectionの導入ステップ
- 5. Content Builderを応用活用するための4ステップまとめ
- 5.1 Dynamic Contentを1パターンから始める
- 5.2 テスト配信は“1つの仮説”で設計する
- 5.3 Einstein活用は段階的に取り入れる
- 5.4 成果を振り返るテンプレートを持つ
- 6. まとめ
Salesforce Marketing Cloudの「Content Builder」は、メールコンテンツの作成を効率化するだけでなく、パーソナライズや配信最適化を支える中核機能です。
この記事では、基本操作を習得済みの方を対象に、Dynamic ContentやA/Bテストといった応用的な機能を、具体的な使い方とともにわかりやすく解説していきます。
Dynamic Contentを使うと変わる3つの成果

「メールは送っているのに、反応がいまいち伸びない」——そんなモヤモヤを感じたことはありませんか?
Dynamic Contentを活用することで、ただの一斉配信が“読まれるメール”へと変わります。ここでは、成果がどう変わるのかをリアルに感じられる3つのポイントをご紹介します。
コンバージョン率の改善につながる理由
Dynamic Contentは、受信者の性別や地域、興味関心などに応じて、メールの中身を出し分けることができます。たとえば「女性には女性向けの商品画像」「東北エリアの人には店舗情報付きのバナー」といった具合に、自動で切り替えられるのです。
その結果、メールの中身が“自分のための情報”に見えるため、開封率やクリック率、さらには購入や問い合わせといったコンバージョン率の向上にもつながります。数字として成果が返ってくると、運用の手応えも変わってくるはずです。
配信準備の工数が減る仕組みとは
出し分け配信と聞くと、「設定が面倒そう」と感じる方もいるかもしれませんが、実際はその逆。Dynamic Contentを使えば、ひとつのテンプレート内に複数のパターンを組み込めるため、別々にメールを作る必要がなくなります。
条件さえ設定しておけば、自動で出し分けてくれるので、運用の手間は驚くほど軽くなりますよ。
誰にでもできる設定手順のポイント
設定は難しくありません。Content Builderの画面上で、ブロックを選び、表示条件を指定するだけ。AMPscriptなどの専門知識がなくても大丈夫です。
まずは「性別」や「地域」など、比較的シンプルな属性から始めるのがコツ。慣れてきたら、「直近の購入履歴」や「興味のあるカテゴリ」など、より細かい条件にも挑戦してみましょう。やればやるほど、手応えと成果がついてくるはずです。
セグメント配信の柔軟性が高まる2つの工夫
「どんなにいいメールでも、刺さる相手に届かなければ意味がない」——それは多くのマーケターが感じている課題です。セグメント配信を柔軟に設計することで、“誰に・何を届けるか”の精度がぐっと上がります。
このセクションでは、そのために欠かせない2つの考え方をご紹介します。
AttributeとData Extensionの違いを押さえる
まず知っておきたいのが、配信条件をどこに持たせるかという点です。Marketing Cloudでは、基本的な顧客情報は「Attribute」、より柔軟なデータ設計には「Data Extension(DE)」が使われます。
たとえば、「年代・性別」といった静的な情報であればAttributeで十分ですが、「過去3か月の購入履歴」や「商品カテゴリごとの閲覧傾向」など、動的な条件で絞り込みたい場合は、Data Extensionが不可欠です。ここを理解しておくと、配信設計の幅が一気に広がります。
複雑な条件を整理するQuery活用術
「こんな条件で抽出したいけど、設定が煩雑すぎる……」というときに力を発揮するのがSQL Queryです。
Query機能を使えば、「〇日以内に商品Aを購入したが、商品Bを購入していない顧客」のような複雑な抽出も、ひとつのステートメントで済みます。
しかも、一度作っておけばテンプレート化して再利用できるため、毎回条件を組み立てる必要はありません。運用の効率も正確さも、ぐっと向上しますよ。
A/Bテストで見える、成果を伸ばす判断軸

「なんとなく件名を決めて、配信して終わり…」そんな経験、ありませんか?A/Bテストは、配信の“なんとなく”をデータに変える手段です。
このセクションでは、成果を左右するテストの設計と、効果的な見極め方をお伝えします。
どこを比較すべきか?有効なテストパターン例
A/Bテストと一口に言っても、件名・送信時間・本文構成など、試せるポイントは多岐にわたります。ただし、いきなり複数の要素を同時に変えてしまうと、何が成果に影響したのか分からなくなってしまうことも。
まずは「件名の語尾を変える」「CTAの文言を2パターン用意する」など、ひとつの仮説に絞って試すのがおすすめです。検証結果が明確に出るので、次の一手にもつながりやすくなります。
勝ちパターンを見逃さない設定・分析のコツ
Marketing Cloudには、テスト結果に応じて自動で“勝ちパターン”を本配信してくれる便利な機能があります。ただ、その判定基準(開封率なのか、クリック率なのか)は施策の目的によって見極めが必要です。
たとえば「まずはメールを読んでもらいたい」なら開封率を重視、「リンクから商品ページに誘導したい」ならクリック率を見るべきでしょう。
また、テストは1回限りの勝負ではなく、継続的に実施してこそ意味があります。毎回記録を取り、傾向を把握することで、配信戦略に“勘”ではなく“確信”が持てるようになります。
Einsteinコンテンツでできる、さらに一歩進んだ配信最適化
「もう少し成果を伸ばしたい。でも、これ以上は手が回らない……」そう感じたら、Einstein機能の出番です。
AIの力を借りることで、工数をかけずに配信を最適化し、パーソナライズの精度をグッと高めることができます。ここでは、特に使いやすい2つの機能をご紹介します。
Engagement Scoringで反応を可視化する
Einstein Engagement Scoringでは、ユーザー一人ひとりの反応度を点数で“見える化”できます。メールの開封やクリックといった行動に基づき、「高エンゲージメント」「中程度」「非アクティブ」などのグループに自動分類される仕組みです。
このスコアを参考にすれば、「誰に優先的に送るべきか」「どの層にリマインドを入れるべきか」といった判断がしやすくなります。思いつきではなく、根拠のあるターゲティングができるようになるのは大きな強みです。
Einstein Content Selectionの導入ステップ
Content Selectionは、複数のバナーやテキストの中から、受信者ごとに“最適”と判断されたコンテンツを自動で差し込んでくれる機能です。あらかじめ画像やコピーにタグを設定し、Einsteinに学習させるだけで運用が始められます。
導入には準備が必要ですが、いきなり全メールに導入する必要はありません。まずは1〜2か所に絞って試し、効果や運用感を確認するのが現実的です。慣れてくれば、配信設計の頼れる味方になってくれるでしょう。
Content Builderを応用活用するための4ステップまとめ

ここまで読んで、「便利そうだけど、どこから手をつければいいの?」と感じた方もいるかもしれません。
そこで最後に、実際の現場で“今日から始められる”4つのステップをまとめました。焦らず、自分のペースで進めていきましょう。
Dynamic Contentを1パターンから始める
いきなり複雑な出し分けを目指す必要はありません。まずは、「男性と女性で画像を変えてみる」「地域ごとにバナーを差し替えてみる」など、分かりやすい条件からスタートしてみてください。
「ひとつ変えるだけで反応が違う」——その手応えを感じられると、自然と次の工夫もしたくなってくるはずです。
テスト配信は“1つの仮説”で設計する
A/Bテストを行う際は、必ず「これを変えたら、こうなるはず」という仮説を持ちましょう。たとえば、「絵文字を件名に入れると、開封率は上がるのか?」といった問いを明確にしておくと、結果の解釈もしやすくなります。
テストは回数ではなく“設計の質”が成果を分ける――これは、どの現場でも共通の鉄則です。
Einstein活用は段階的に取り入れる
AIの導入というと身構えてしまいがちですが、すべてを一気に使いこなす必要はありません。まずはEngagement Scoringで、反応の高い層とそうでない層を把握するところから始めてみてください。
「どこに注力すればいいか」が見えるようになるだけでも、配信設計がずっと楽になりますよ。
成果を振り返るテンプレートを持つ
どんなに良い施策も、やりっぱなしではもったいないもの。開封率やクリック率、テスト結果の内容などを毎回記録しておくと、自分の中に“判断の軸”が育っていきます。
Excelでもスプレッドシートでも構いません。簡単なテンプレートを作って、運用の中に振り返りを組み込んでいくと、次の一手がクリアに見えてくるようになります。
まとめ
Marketing CloudのContent Builderは、単なるメール作成ツールではありません。Dynamic Contentやセグメント配信、A/Bテスト、Einsteinといった機能を活用することで、「誰に・何を・どう届けるか」の精度が大きく変わります。
本記事では、それぞれの機能がどんな課題を解決し、どう活用していけるかを実践的にご紹介しました。「ここから何か変えられるかもしれない」と感じてもらえたなら、そこが一歩目です。
最初からすべて完璧にこなす必要はありません。1つ試して、少し改善して、また次の施策につなげていく。そんな積み重ねが、成果にも、自分の自信にもつながっていきます。
“送って終わり”のメール配信から、“届いて動かす”メールマーケティングへ。その転換点として、Content Builderの応用活用がきっと役立ってくれるはずです。
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