Datoramaとは ダッシュボード統合やKPI分析を分かりやすく解説
#Marketing Cloud #Datorama #ダッシュボード統合 #KPI分析
目次
- 1. Datorama(Marketing Cloud Intelligence)とは何か?
- 1.1 Salesforce製品の中での位置づけと役割
- 1.2 従来のBIツールとの違い
- 2. マーケターの課題を解決する3つの強み
- 2.1 データの統合と正規化でレポート作成を自動化
- 2.2 KPIの可視化で成果の説得力を高める
- 2.3 チャネル横断の分析で施策の改善サイクルを高速化
- 3. Datoramaのデータ連携方式を比較解説
- 3.1 API Connect:カスタマイズ性重視の連携方式
- 3.2 TotalConnect:フォーマット自由度が高いファイル連携
- 3.3 LiteConnect:手軽に始めたいユーザー向けの選択肢
- 4. 導入事例に学ぶ、活用シーンと成果
- 4.1 大学のオンライン教育機関がROI向上に成功した事例
- 4.2 広告代理店での多チャネル統合による運用効率化
- 4.3 社内共有レポートの標準化と意思決定の迅速化
- 5. まとめ
マーケティング施策が複雑化するなか、データの分散やレポート作成の負担に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Salesforceが提供する「Datorama(Marketing Cloud Intelligence)」を活用して、データの統合・可視化・分析をどのように効率化できるのかを、実務に即した視点で分かりやすく解説します。
Datorama(Marketing Cloud Intelligence)とは何か?
まずは、Datoramaの基本的な立ち位置や役割を整理しておきましょう。ツールの機能だけでなく、「なぜ導入すべきか?」という視点から理解することで、活用のイメージが明確になります。
Salesforce製品の中での位置づけと役割
Datoramaは、Salesforce Marketing Cloudの中核を担う分析ツールです。正式名称は「Marketing Cloud Intelligence」で、かつてはDatoramaという独立したSaaS製品として知られていました。現在はSalesforceの製品群に組み込まれ、より強固なマーケティング基盤の一部として機能しています。
特徴は、広告・SNS・メール・ウェブ解析など、あらゆるチャネルから取得したデータを一元的に取り込み、リアルタイムで分析・可視化できる点にあります。ただのダッシュボードではなく、統合マーケティングを可能にする“意思決定支援ツール”としての色合いが強いのがポイントです。
従来のBIツールとの違い
一般的なBIツールとの違いは、マーケターの業務に最適化された「柔軟性」と「スピード感」にあります。Datoramaは、初期設定の段階でマーケティング用のテンプレートやKPIが組み込まれており、いちから設計しなくても即座に使い始められる設計になっています。
また、データの正規化(ハーモナイズ)機能が強力で、媒体や形式がバラバラなデータも自動で整形してくれるのは大きな利点です。複雑なクエリを書かずとも、クリック操作でダッシュボードが構築できる点も、エンジニアリソースが限られる現場では大きな助けになるでしょう。
マーケターの課題を解決する3つの強み
日々のマーケティング業務において、「データがまとまらない」「分析に時間がかかる」といった課題を感じている方は多いはずです。Datoramaは、そうした実務上の悩みに対して、機能面から具体的な解決策を提示してくれます。
データの統合と正規化でレポート作成を自動化
異なるチャネルから集まるデータは、形式も単位もバラバラなことがほとんどです。従来は手作業でExcelを駆使して整形していたレポートも、Datoramaではあらかじめ定義されたロジックにより、自動でフォーマットを統一できます。
この「データハーモナイズ」機能によって、担当者の手間は劇的に軽減され、毎日のレポート作成が“数クリック”で完了する状態へと変化します。煩雑な作業が減れば、よりクリエイティブな戦略立案に時間を割けるようになるのも大きな魅力です。
KPIの可視化で成果の説得力を高める
マーケティング成果を正確に伝えるには、数字だけでなく“見せ方”も重要です。Datoramaでは、チャネルごとのKPIを一つの画面にまとめ、視覚的に分かりやすく表現することができます。
たとえば、広告費とCV数の推移、キャンペーンごとのROI比較など、上層部への説明や報告資料にもそのまま活用できるほど整ったダッシュボードが自動生成されます。「データはあるのに、うまく伝えられない」という悩みを感じていた方にこそ、活用していただきたいポイントです。
チャネル横断の分析で施策の改善サイクルを高速化
各チャネルのパフォーマンスをバラバラに見るのではなく、Datoramaを使えば全体を一枚のダッシュボード上で比較・分析できます。これにより、あるチャネルが想定より成果を上げていない場合の早期発見や、次の施策へのフィードバックがスムーズに行えるようになります。
たとえば、SNSの反応が良い地域を特定し、次のメール配信リストに活かすなど、データドリブンな施策改善が現場主導で実現できるようになるのです。「見える化」だけでなく、「次の一手」が考えやすくなる点も、マーケティング現場にフィットする大きな強みです。
Datoramaのデータ連携方式を比較解説
Datoramaは多様なデータソースと接続できる点が大きな特徴ですが、実はその連携方式にもいくつかの種類があります。ここでは、代表的な3つの連携方法の違いや活用シーンについて整理しておきましょう。
API Connect:カスタマイズ性重視の連携方式
API Connectは、Salesforce製品や外部サービスとAPIを介して連携する方法です。定期的な自動取得や複雑なデータ構造への対応が可能で、柔軟性の高さが魅力といえます。
例えば、広告プラットフォームの最新データを1日1回自動取得し、ダッシュボードにリアルタイム反映させるといった運用も可能です。ある程度のシステム知識が必要にはなりますが、その分、自社の要件に合わせた高度な連携が実現できます。
TotalConnect:フォーマット自由度が高いファイル連携
TotalConnectは、CSVやExcelなどのファイル形式でデータをアップロードして連携する方法です。柔軟にマッピングできるため、APIが使えないデータや社内データベースから抽出したファイルとの連携に適しています。
特に、週次や月次でデータを手動更新している企業では、まずこの方式から始めるケースが多いようです。テンプレートに従ってドラッグ&ドロップで設定できるため、現場レベルでも扱いやすい点が好評です。
LiteConnect:手軽に始めたいユーザー向けの選択肢
LiteConnectは、TotalConnectよりもさらにシンプルなファイルアップロード方式です。特に前処理やマッピングが不要で、アップロード後すぐにダッシュボードに反映されるスピード感が特徴です。
たとえば、社内の簡易レポートやイベントの集計結果など、「今だけ見たい」データをサッと取り込んで可視化したいときに便利です。Datoramaを初めて触る方でも、すぐに成果を実感しやすいスタートポイントといえるでしょう。
導入事例に学ぶ、活用シーンと成果
Datoramaがどのように活用されているのか、実際の導入事例を見ることでイメージがより具体的になります。ここでは、異なる業種や目的で導入されたケースを紹介しながら、その成果や背景にあった課題に注目していきます。
大学のオンライン教育機関がROI向上に成功した事例
アメリカのルイジアナ州立大学(LSU)では、オンライン教育事業においてマーケティング投資の成果が見えにくいという課題を抱えていました。広告出稿やメールキャンペーン、SNS運用など多様なチャネルが並行する中、それぞれのパフォーマンスを把握する手段が乏しかったのです。
そこでDatoramaを導入した結果、各チャネルのKPIを一元的に可視化し、費用対効果をリアルタイムで把握できるようになりました。その結果、広告予算の最適配分が可能になり、従来よりも高いROIを達成。担当者は「数字に基づいた自信ある意思決定ができるようになった」と語っています。
広告代理店での多チャネル統合による運用効率化
あるデジタル広告代理店では、クライアントごとにレポート形式や評価指標が異なっており、レポート作成だけで1日数時間を費やしていました。Excelによる手作業では限界があり、属人化も深刻な課題となっていたといいます。
Datoramaを導入したことで、各クライアントの媒体データを自動で統合し、レポートをテンプレート化することに成功。さらに、営業やアカウントマネージャーもダッシュボードをリアルタイムで閲覧できるようになり、クライアントとの報告・提案のスピードが向上しました。まさに「運用業務の見える化と分業」が実現した好例です。
社内共有レポートの標準化と意思決定の迅速化
自社ECを運営するBtoC企業では、週次の経営会議用に各部署からKPIを集め、レポートをまとめる作業が大きな負担となっていました。Datoramaを導入後、各部門が扱うデータを共通のフォーマットで表示できるようになり、経営陣への報告資料の準備時間が半減。
さらに、部署間の数値のずれや報告フォーマットの差異がなくなり、意思決定までのスピードも向上しました。部門横断の可視化により、「点の報告」ではなく「面での判断」が可能になったという声も上がっています。
まとめ
Datorama(Marketing Cloud Intelligence)は、マーケティングの現場で日常的に感じる「分かりにくい」「まとまらない」「伝わらない」といった課題に対して、極めて実践的な解決策を提供してくれるツールです。
複数チャネルのデータをスムーズに統合し、誰もが理解しやすい形で成果を可視化する。こうした仕組みが整えば、レポート作成にかかる時間も、意思決定に迷う時間も、大きく削減できます。Datoramaは、ただの分析ツールではなく、“マーケターが自信を持って動ける環境”を整えるためのパートナーといえるかもしれません。
もし、日々の業務に少しでも非効率さを感じているなら、一度Datoramaの活用を検討してみる価値は十分にあるでしょう。
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