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医療施設調査とは オープンデータの特徴や活用方法を解説

#オープンデータ #医療施設調査

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日本では地域の医療需要に合った医療体制を拡充するため、地域医療構想の実現に向けた取り組みが推進されています。医療施設の配置状況は、厚生労働省が実施する「医療施設調査」で確認できます。ホームページから調査結果を取得し、誰でも二次利用が可能です。

本記事では、医療施設調査のオープンデータの特徴について解説します。医療施設調査を病院の経営やビジネスに活用する方法も掲載しているので、ぜひ参考にしてください。

医療施設調査の概要


医療施設調査とは、病院や診療所(医療施設)の分布及び整備の実態を明らかにするために厚生労働省が実施している調査です。医療施設の診療機能を把握し、医療行政の基礎資料を得ることが目的とされています。

調査の種類は、現在開設している全医療施設に関する静態調査と、開設・廃止・変更等の動きが生じた施設に関する動態調査です。調査の概要について、詳しく見ていきましょう。

項目 静態調査 動態調査
調査対象 開設している全ての医療施設 開設・廃止・変更等の届出を行い、受理又は処分された医療施設
調査事項 ・施設名
・施設の所在地
・開設者
・診療科目
・設備
・従事者の数
・従事者の勤務状況勤務の状況
・許可病床数
・社会保険診療等の状況
・救急医療体制の状況
・診療及び検査の実施の状況
・その他関連する事項
・施設名
・施設の所在地
・開設者
・診療科目
・許可病床数等
調査時期 3年ごとの10月1日 開設・変更等があった都度

 

医療施設調査で頻出する用語の定義


医療施設調査のオープンデータを正しく分析するためには、頻出する用語の理解が欠かせません。オープンデータの内容を確認する前に、以下の定義を理解しておきましょう。

分類 用語 定義
医療施設 病院 医師や歯科医師が診療を行う場所で、20人以上の患者が入院できる施設を有するもの
一般診療所 医師や歯科医師が診療を行う場所(歯科医業のみは除く)で、
・19人以下の患者が入院できる施設を有するもの
または
・患者の入院施設を有しないもの
歯科診療所 歯科医師が診療を行う場所で、
・19人以下の患者が入院できる施設を有するもの
または
・患者の入院施設を有しないもの
病院 精神科病院 精神病床のみを有する病院
結核療養所 結核病床のみを有する病院
一般病院 上記以外の病院
病床 精神病床 精神疾患を有する者を入院させるための病床
感染症病床 以下に示す感染症の患者を入院させるための病床
・一類感染症
・二類感染症(結核を除く)
・新型インフルエンザ等感染症
・指定感染症
・新感染症
結核病床 結核の患者を入院させるための病床
療養病床 ・一般診療所
 長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるための病床
・病院
 長期にわたる制限はなく、精神/感染症/結核病床を除く病床
一般病床 精神病床、感染症病床、結核病床、療養病床以外の病床

 

オープンデータとしての医療施設調査


医療施設調査の結果は、オープンデータとして厚生労働省のホームページや政府統計ポータルサイト「e-Stat」で公開されています。誰でも無料で取得でき、二次利用が可能です。医療施設調査のオープンデータで公開されている主な内容を見ていきましょう。

項目 公開内容
施設数 ・施設の種類別にみた施設数
・開設者別にみた施設数
・病床の規模別にみた施設数
・診療科目別にみた施設数
 *病院における標ぼうする診療科目別施設数
 *診療所における標ぼうする診療科目別施設数
 *小児科、産婦人科、産科を標ぼうする施設数
病床数 ・病床の種類別にみた病床数
・開設者別にみた病床数
・都道府県別にみた人口10万対病院病床数
診療等の状況 ・検査等、手術等、放射線治療の実施状況
・緩和ケアの状況
・特殊診療設備の保有状況
・在宅医療サービスの実施状況
・救急医療の状況
・院内感染防止対策の状況
・受動喫煙対策等の状況
・新人看護職員研修の状況
・職員のための院内保育サービスの状況
従事者数の状況 ・病院の常勤換算従事者数
・一般診療所の常勤換算従事者数
・歯科診療所の常勤換算従事者数
・病院の職種別にみた100床当たり常勤換算従事者数
・病院の都道府県別にみた人口10万対常勤換算医師数

 

医療施設調査のオープンデータの活用方法2選


全国に存在する医療施設の施設数や病床数に特化した医療施設調査のオープンデータ。病院や民間企業の経営戦略の策定に活用できます。医療施設調査のオープンデータの主な活用方法は、以下のとおりです。

【病院】新たに開設する診療科の選定

医療施設調査のオープンデータでは、診療科目別に施設数が集計されています。新たな診療科の開設を検討している病院であれば、どの診療科が減少・増加傾向にあるのかを特定できます。小児科や産婦人科、産科に関しては、直近15年間の分析も可能です。

同様に厚生労働省が実施している「患者調査」では、傷病分類別の患者数がまとめられています。傷病分類と診療科を紐づければ、診療科別の患者数が特定できます。

両調査を複合すると、患者数が増加傾向にあるにも関わらず、施設数が減少傾向にある診療科は、需要が高いにも関わらず競合が少ない市場と言えるでしょう。該当する診療科を開設すれば、患者の流入が見込めます。

【企業】製品の営業をかける地域の選定

医療施設調査のオープンデータでは、都道府県別に病院の病床数が集計されています。特定の病床に特化した製品を販売している企業であれば、営業利益が見込める地域を選定できます。

例えば、感染症病床向けの感染症隔離ブースやマスク、予防衣を販売している企業であれば、感染症病床に絞ってグラフや表を見ると、需要が高い都道府県・二次医療圏が一目瞭然です。

また、病床機能は変更が可能であるため、病床を保有してさえいれば、営業次第では製品を購入してもらえる可能性があります。オープンデータでは営業成績が上がる見込みがない無床病院の数も集計されているため、無床病院の数が少ない地域に営業エリアを絞る方法も有効でしょう。

まとめ

医療施設調査は、病院や診療所の分布や整備の実態を把握するために厚生労働省が実施する調査です。静態調査と動態調査の2種類に分かれており、診療科や病床の種類、都道府県別などで医療施設数と病床数が集計されています。

病院や企業の担当者は医療施設調査のオープンデータを活用し、経営戦略の策定にぜひ役立ててみてください。

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