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Power BI 複合グラフとは 作成方法や活用シーンを分かりやすく解説

#Power BI #活用 #複合グラフ #作成

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売上・原価・利益率といった複数の数値データを、別々のグラフで分析していませんか?

単体のグラフでもある程度の傾向は把握できますが、異なる指標を「1つのグラフで重ねて可視化」することで、相関関係やボトルネックがより明確になる場面も多くあります。そこで活用したいのが、Power BIの「複合グラフ」機能です。

複合グラフは、たとえば「棒グラフ+折れ線グラフ」など、異なる種類のグラフを重ねて表示することができ、売上と利益率の関係性や、数量と割合など“異なる単位のデータ”の組み合わせ分析に非常に便利です。

本記事では、Power BIを使った複合グラフの基本と作成方法、実務で活かすためのポイントまでを、初心者にもわかりやすく解説します。

複合グラフとは|異なる指標を1つのグラフで見せる強力な手法


複合グラフとは、棒グラフと折れ線グラフなど複数のグラフ形式を一つにまとめた可視化手法です。異なる種類のデータを同じ軸上に重ねることで、「量の変化」と「比率の推移」など、複眼的な分析が可能になります。

たとえば、
棒グラフ → 各社の売上や支出など「実数の大小・推移」を見やすく表現

折れ線グラフ → 利益率や在庫回転率など「割合・傾向」をスムーズに可視化

こうしたグラフを組み合わせることで、「売上が上がっているが、利益率は下がっている」など、
個別のグラフでは気づきにくい相関関係や課題の発見につながります。
複合グラフは、経営指標の分析や部門間のパフォーマンス比較など、意思決定に直結する分析にとても有効です。

複合グラフはどんなときに使う?|具体的な活用シーン

複合グラフは、異なる単位や意味を持つデータを一つにまとめて比較分析したいときに有効です。
以下は代表的な活用シーンの例です。

このように、量と割合、過去と未来、規模と効率など、
異なる視点のデータを同時に比較したいときに複合グラフは最適です。

Power BI 複合グラフの作成方法とコツ

ここからは、Power BI Desktop 上で「複合グラフ(折れ線グラフおよび集合縦棒グラフ)」を作成する手順を紹介します。
公式サンプルデータ「Retail Analysis Sample」を使って操作するため、実務に近いイメージで体感できます。

サンプルデータの準備

Power BI Desktop で操作するには、まずサンプルファイル(.pbix形式)を以下よりダウンロードしましょう。

Retail Analysis sample for Power BI: Take a tour – Power BI | Microsoft Learn
└下にスクロールして、該当箇所をクリックするとサンプルデータがダウンロードされます。

ダウンロード後、.pbix ファイルを開くと、店舗別の売上や利益率、エリア情報などが含まれたサンプルレポートが表示されます。
今回はこのデータを使って、棒グラフと折れ線グラフを組み合わせた「複合グラフ」を作成します。

複合グラフの作成手順(棒グラフ+折れ線)

今回は、**売上(棒グラフ)と利益率(折れ線グラフ)**を組み合わせた複合グラフを作成します。
Power BI Desktop で Retail Analysis Sample を開いた状態で、以下のステップに沿って操作を進めてください。

ステップ①:新しいレポートページを追加

Power BI Desktop 下部メニューの[+]ボタンから、空のレポートページを追加します。

ステップ②:「折れ線グラフおよび集合縦棒グラフ」を選択

右側の[視覚化]パネルから、「折れ線グラフおよび集合縦棒グラフ」
のアイコン(📊📈)をクリックし、キャンバス上に配置します。

ステップ③:フィールドを設定

視覚化に必要なフィールドを以下の通り設定します。

※今回は店舗別の比較を行わない前提で「凡例」は設定しませんが、必要に応じて「Store Name」などを凡例に追加することで、複数系列を比較することも可能です。

以下が設定したグラフです↓


※上記画像では選択したフィールドに名前を変更しています。

ステップ④:グラフのデザインを調整(任意)

  • タイトルやラベル、色のカスタマイズ
  • Y軸のスケールや単位の設定
  • 不要なグリッド線の削除 など

見やすく整えることで、グラフの伝わりやすさが向上します。

作成後のイメージ

完成した複合グラフでは、「売上」の推移(棒グラフ)と「利益率」の変動(折れ線)
が一つのグラフにまとまり、時系列の傾向と相関関係がひと目で分かります。

複合グラフを作成するときのコツ

Power BIで複合グラフを作る際は、単に2種類のグラフを組み合わせるだけでなく、分析に適したデータ同士を選ぶことが重要です。

ここでは、失敗しないためのポイントを2つ紹介します。

① 意味のある関係性のあるデータを組み合わせる

複合グラフの魅力は「異なる指標の関係性を一目で把握できる」ことです。
ただし、まったく関係のないデータを組み合わせても意味のある示唆は得られません。

❌悪い例(関係性が薄い)
・日本の子ども用靴の売上 × アフリカ諸国の人口密度

→ たとえグラフ上で何らかの傾向が見えたとしても、分析として活用できない可能性が高いです。

 

✅良い例(関係性がある)
・売上 × 利益率
・アクセス数 × 購入率
・顧客数 × リピート率

「ある程度関係があるだろう」と仮説を立てたうえで作成することで、グラフから実用的な示唆を得られます。

 

② 単一グラフの方が適しているケースを見極める

すべてのケースで複合グラフが最適とは限りません。
以下のような場合は、単一のグラフの方が伝わりやすくなることもあります。

複合グラフが「かえって見づらい」場合もあるため、
目的に応じて適切な可視化方法を選択することが大切です。

まとめ|Power BIの複合グラフで複数指標の関係を見える化しよう

Power BIの複合グラフは、「売上 × 利益率」など異なる種類のデータを一つのグラフにまとめ、
関係性を視覚的に把握できる便利な機能です。

この記事では、以下の内容について解説してきました。

  • 複合グラフとは?活用シーンの具体例
  • 公式サンプル「Retail Analysis Sample」を使った作成手順
  • 作成時に気をつけたい2つのポイント

特にPower BI初心者の方にとっては、「どのグラフを使えばよいか迷う…」というケースも多いかもしれません。

そんなときは、複合グラフを使って複数の視点で比較するという選択肢を持つことで、
より深いインサイトに気づくことができます。

なお、複合グラフの設定やデザイン調整について不安がある方は、
ぜひフロッグウェルまでお気軽にご相談ください。実務に役立つPower BI活用法をご提案いたします。

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