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最近話題の財務指標「EBITDA」とは

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「EBITDA」は企業価値を測るひとつの指標として活用されており、経営学やMBAで投資を学ぶ際に取り上げられています。
また銀行の企業への貸付の判断指標としても採用されています。
しかし、経営学やMBAに不案内な方や、投資をこれから始めてみようと興味を持っている方にとっては、聞き慣れない言葉ではないでしょうか。

EBITDAは営業利益や経常利益と並んで、企業を評価する指標のひとつです。
とくに営業拠点を日本以外におく企業や、グローバル企業の評価をする際にEBITDAは欠かせません。

今回はこのEBITDAの読み方や計算方法、役割や特徴、さらには使用する際の留意点について解説します。
「EBITDAをはじめて聞いた」「活用の方法を知りたい」といった方は、ぜひこの記事の内容を参考にしていただければと思います。

EBITDAとは

①EBITDAの読み方と意味

EBITDAは、“Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization”のそれぞれの頭文字を取った略語です。
日本語に訳すと「利息税、減価償却費、および償却前の収益」となります。
各単語の意味は以下の通りです。

Earnings Before Interest Taxes…利払い前・税引き前利益、金利・税金
Depreciation…土地や建物など有形固定資産の減価償却費
Amortization…のれんやソフトウェアなど無形固定資産の減価償却費

読み方は「イービットディーエー」「イービッタ」「エビーダ」など様々あります。
「イービッダー」と読んだ例もあり、特に決まった読み方があるわけではないようです。

②EBITDAの計算方法

EBITDAの計算方法には様々な方法があります。今回は代表的な3つの計算方法を紹介します。

計算式①:EBITDA=当期純利益+支払利息+税金+減価償却費
計算式②:EBITDA=利払い前・税引き前利益+減価償却費
計算式③:EBITDA=営業利益+減価償却費

算出した数値の精度として計算式①が高く、計算式③が簡易的と言えるでしょう。
直ぐにEBITDAの数値を知りたいときは計算式③を用いるのが良いかもしれません。

簡易営業キャッシュフローとしての役割


営業キャッシュフローは、商品の販売や仕入れ、経費や人件費の支払いなど企業の営業活動から生じるキャッシュの変動を表示する項目です。
つまりはその計算期間内に営業活動によってどれだけの金額を稼ぎ出すことができたかを表していると言えます。

キャッシュフローの計算方法は「直接法」と「間接法」の2つの方法があります。

間接法は、損益計算書の税金等調整前当期純利益に非資金損益項目等を調整して計算します。
例えば、減価償却費は経費になるため損益計算書には計上されていますが、キャッシュの増減には影響のない項目(非資金損益項目)です。
また売掛金や買掛金など貸借対照表に表示されながら、キャッシュの増減に影響を与える項目もあります。
そのため、間接法では、税金等調整前等純利益に非資金損益項目である減価償却費を加算し、貸借対照表上の資産負債の増減を加減し、営業キャッシュフローを計算します。

しかしこの計算方法では、損益計算書や貸借対照表の各勘定科目から計算することになり、営業キャッシュフローを計算するために多くの時間や労力を費やしてしまいます。
有価証券報告書を作成している企業であればすぐに確認することはできますが、そうではない企業はなかなかキャッシュフロー計算書まで作成はしていません。

そこで注目されるのが「EBITDA」なのです。
計算式③の「EBITDA=営業利益+減価償却費」の方法であれば、直ぐに計算することができます。
営業キャッシュフローに比べ精度は落ちるかもしれませんが、おおよその概算値を知りたいときに重宝できるでしょう。

銀行貸付余力の判断基準として

①貸付判断としてのEBITDA

EBITDAは簡易的な営業キャッシュフローであり、その企業が「どれだけのキャッシュを稼ぐことができたのか」を表していると言えます。

損益計算書ではその企業の利益を確認することができますが、どれだけのキャッシュを稼ぐことができたのかを確認することはできません。
投資の判断では配当金の受け取りなど、利益よりもどれだけキャッシュを稼ぐことができるかを重要視します。
銀行としても貸し付けた金額を利息含めしっかり返済できるだけのキャッシュを稼ぐことができているのかを注視します。

すべての企業はキャッシュフロー計算書を作成してはいませんので、貸借対照表や損益計算書からEBTDAを計算し簡易的な営業キャッシュフローを算出するのです。

②銀行の貸付判断の基準と目安

銀行の貸付判断には「EBITDA」と「DEBIT」の2つの指標を用います。

「DEBIT」とは有利子負債のことであり、貸借対照表の負債科目の中から利息の発生する科目を合計した金額です。

銀行の貸付判断の計算方法は「DEBIT÷年間EBITDA」です。
そしてこの数値が「0~2であれば安全」、「3~4であれば普通」、「5~6であれば注意」と判断されます。
現時点の有利子負債を何年かけて返済できるかを見ているのです。

そしてこの数値が6以上になると銀行は貸付を中断するようになると言われています。
銀行からの貸付は企業の財務活動の生命線とも言えます。その企業にあとどれだけの貸付余力があるのかを確認することはとても大切なのです。

収益構造の変化によるEBITDAへの影響


EBITDAは損益計算書内の数値から算出しますので、その企業の収益構造の変化によって大きく影響してしまいます。
計算式③の「EBITDA=営業利益+減価償却費」で考えると営業利益と減価償却費がEBITDAに影響することがわかります。

営業利益の増減

営業利益の増減は、その企業の営業活動による収益性の実力の変化と言えます。
営業利益が増加すればその企業の収益性の増加を意味し、営業利益が低下すればその企業の収益性が減少していると言えるでしょう。
そしてこの変化はそのままEBITDAの増減に影響するのです。

減価償却費の増減

減価償却費とは固定資産を使用可能期間にしたがって、少しずつ費用を計上する時に使用する勘定科目のことです。
一般的に費用計上は数年から数十年かけて分割して計上しますが、その資産の購入にあたる支払いは、一括で行われます。
つまり減価償却費として計上される費用は、すでに支払いを終えた金額なのです。

減価償却費はキャッシュフローに影響を与えない費用ですので、減価償却費が増加するとEBITDAも増加します。
減価償却費が減少すればEBITDAも減少します。
多くの固定資産を購入するような製造業であれば、この変化がEBITDAに大きく影響を与えることになるでしょう。

コロナウイルス下で銀行はどのように見ているのか?


2020年2月頃より世界的流行を見せたコロナウイルスの影響により、多くの企業に悪影響を与え、その収益構造を大きく変えました。
そして損益計算書上の利益も大きく減少してしまったとも言えます。

銀行としても今後の貸付方針の転換が考えられており、収益性が低下し回収の見込みが難しい企業には、なかなか新たな資金を貸付することが難しいとも考えているでしょう。
ただしこのコロナウイルスによる財務状況への影響が一過性であると判断してもらえれば貸付も継続してくれるでしょう。

政府としてもコロナ倒産の増加は避けたいと考えていますので、多少「DEBIT÷年間EBITDA」が6を超えても目を瞑ってもらえるかもしれません。
ただしコロナウイルスによる影響が継続し、その企業の収益構造が改善の見込みがない場合は、この限りではないとも言えます。
将来のことは誰にも分かりませんので、今後のコロナウイルスによる動向に注視していきたいものです。

まとめ

いかがでしたか?
EBITDAはまだまだ広く知られた財務指標ではないと言えます。
しかしながらその企業のキャッシュを稼ぎ出せる能力を判断するには、重要な財務指標であるとも言えます。
是非これを機会にEBITDAを活用していただければと思います。

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