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これだけはおさえておきたい顧客購買行動モデル

はじめに

「顧客購買行動」とは、その商品やサービスを購入する消費者が、商品・サービスを認知してから購入・利用に至るまでの過程や行動を説明した概念です。

これまでの顧客購買行動では店頭での商品の認知や友人・知人などの口コミが主な認識方法でしたが、昨今ではインターネットの普及によりその認識方法は大きく変わってきています。

特に近年ではFacebookやInstagramなどのSNSの登場により、消費者自身が商品・サービスの宣伝を行えるようになってきました。
テクノロジーの進歩により社会生活も少しずつですが確実に変化しています。

そのため消費者の一般的な購買行動モデルについて理解し、自社の商品・サービスと照らし合わせ、適切なマーケティング戦略を練る必要があるのです。

そもそもなんでマーケティングが必要なの?

「マーケティング」という言葉はビジネスの世界ではよく耳にします。マーケティング部などを設置し、専門で社員を配置している会社もあります。
しかしながらマーケティング部を設置せず、営業部など他の部署と一体化している会社がほとんどです。
実際、上場企業においてもマーケティング部署設置している企業は2018年時点の集計で3,429社中378社に留まっており、その設置率は11.0%となっています。
まだまだマーケティングの普及には程遠いようです。

しかしながらマーケティングは「企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにするための概念」であり、顧客に真に必要な商品やサービスを届けるために必要不可欠な考え方と言えます。

また経営の神様と言われるドラッカー氏は、「マーケティングの理想は、販売を不要にするものである。」と述べており、「マーケティングを成功させれば、商品を並べるだけで自然に売れていく」と言っても過言では無いでしょう。

このことからマーケティングを成功させることは、その企業の事業を成功させる鍵だと言えるでしょう。

これだけは知っておきたい顧客購買行動モデル

マーケティングの中でも最も顧客に近いところを分析するのが顧客購買行動モデルです。
消費者がどのように商品やサービスを知り、それを手に取り購入まで至るのかを分析することができなければ、顧客に十分なアプローチをすることができません。

また何か販売の過程で、問題が起こったとしても、その原因を分析し解決に至るまでの打ち手を導き出すことも難しいでしょう。

今回はこの顧客購買行動モデルのうち、これだけは知っておきたいモデルを紹介していきます。

AIDA(アイダ)

AIDAは1925年、アメリカ合衆国のE・K・ストロングが「Theories of Selling(販売のセオリー)」という論文の中で提唱された顧客購買行動モデルであり、Attention、Interest、Desire、Actionの頭文字を取っています。

Attention(認知):テレビ・新聞・雑誌などの広告を見て商品・サービスを知る
Interest(興味):消費者が商品・サービスに興味を持つ
Desire(欲求):消費者が商品・サービスを欲しくなる・利用したくなる
Action(行動):消費者が商品・サービスを購入する・利用する

インターネットもない今から100年も前に提唱された顧客購買行動モデルであり、この基本的な考え方は以降登場する様々な顧客購買行動モデルのベースとなっていると言えます。
またこの他に「Memory:記憶」を追加したAIDMAもあり、合わせて覚えておくと良いでしょう。

AIDCAS(アイドカス)

AIDCASはAttention、Interest、Desire、Conviction、Action、Satisfactionの頭文字を取った顧客購買行動モデルです。
特に最後のSatisfaction(評価)が加わっていることが特徴的で、商品やサービスを販売するだけではなく、その後の消費者がどのように自社の商品やサービスを評価してもらえるかの考え方が組み込まれています。

またAIDCASは消費者視点と企業視点双方から分析する手法となっています。

<消費者視点>

Attention(認知):消費者が広告などを見て商品・サービスを知る
Interest(興味):消費者が商品・サービスに興味を持つ
Desire(欲求):消費者が商品・サービスを欲しくなる
Conviction(確信):消費者が自分に必要だと確信を持つ
Action(行動):消費者が商品・サービスを実際に購入する・利用する
Satisfaction(評価):消費者が商品・サービスに対して評価する

<企業視点>

Attention(認知):自社の商品・サービスを認知させる施策
Interest(興味):自社の商品・サービスに興味を持たせる施策
Desire(欲求):自社の商品・サービスを欲しくなるための施策
Conviction(確信):消費者が自分に必要だと確信を持つための施策
Action(行動):消費者が商品・サービスを購入するための施策
Satisfaction(評価):消費者が商品・サービスに対して評価する環境

このように消費者が無意識に購入し評価できるような環境設定を、企業側がその枠組みごとの様々な施策を検討し打ち手を実行していきます。
マーケティングは企業と消費者の会話などとも言われたりしますが、この消費者視点と企業視点双方のマッチがこの会話であると言えるでしょう。

AISAS(アイサス)

AISASはインターネットが社会に普及し始めた2004年に、国内広告代理店大手の電通が提唱した購買行動モデルです。
Attention、Interest、Search、Action、
Shareの頭文字を取っています。
これまでの顧客購買行動モデルに加えて、「Search(検索)」と「Share(評価を共有)」を付け加えていることが特徴的で、インターネットの普及による社会生活の変化から、これまでのテレビCMや雑誌などの宣伝だけでなく、消費者自身で必要な情報が検索し、掲示板などで評価を共有できるようになったことを加味した顧客購買行動モデルとなっています。

Attention(認知):広告を見て商品・サービスを知る
Interest(興味):商品・サービスに興味を持つ
Search(検索):商品・サービスに関する情報を検索する
Action(行動):商品・サービスを購入する・利用する
Share(共有):商品・サービスに対しる評価をSNS等で共有する

社会環境の変化、特に技術革新によって私たちの生活は大きく変わってきます。
これにより消費者の行動も合わせて変化し、これまでの顧客購買行動モデルでは不十分になってしまいます。
そしてこのAISASの登場はその典型的な例だと言えるでしょう。

これ以降、さらなるインターネット環境の拡充からスマートフォンの登場など、私たちの生活環境は目まぐるしく変化していきます。
これに合わせて新しい顧客購買行動モデルが次々と登場してくることになるのです。

AISCEAS(アイーシズ)

AISCEASはAttention、Interest、Search、Comparison、Examination、Action、Shareの頭文字を取った顧客購買行動モデルであり、AISASに「Comparison(比較)」と「Examination(検討)」を追加したモデルです。

インターネットが普及し今では1人1台はスマートフォンを持つ時代となっています。
それまでは自宅や会社のパソコンで欲しい情報を検索することが一般的でしたが、スマートフォンの普及で場所を問わず好きな時間に情報を検索することができるようになりました。
また価格.comや商品比較サイトなど、同種類の様々な商品の価格や機能、評判などを比較・検討することができるようになりました。
またFacebookやInstagramなどの登場により、消費者が自身の使用した商品やサービスの感想を発信することがより容易になったと言えるでしょう。

Attention(認知):広告などを見て商品・サービスを知る
Interest(興味):商品・サービスに興味を持つ
Search(検索):商品・サービスに関する情報を検索する
Comparison(比較):複数の商品・サービスを比較する
Examination(検討):複数の商品・サービスの中から欲しいものを検討する
Action(行動):商品・サービスを購入する・利用する
Share(共有):商品・サービスに対しる評価をSNS等で共有する

最初に提唱された顧客購買行動モデルAIDAに比べると、消費者が商品やサービスの購入に至るまでの段階は増加してきています。
このことから以前と同じような消費者へのアプローチを行っていては、不十分な結果となってしまうでしょう。

最後に

いかがでしたか?今回はこれだけはおさえておきたい顧客購買行動モデルを時代に沿って紹介しました。
しかしながら技術革新や社会環境の変化は常に変化しており、従来のモデルでは補いきれない部分も多々出てくるでしょう。

特に2023年には通信規格5Gが普及するようになり、これまでの通信環境とは大きく変わってくることが予想されます。
また2020年に発生したコロナウイルスの影響により、私たちの社会行動は大きく変化しました。
そしてこれらを加味した顧客購買行動モデルはどの企業もまだまだ策定中だと言えます。

常に新しい顧客購買行動モデルの情報を集め、皆さんのビジネスに役立てて頂ければと思います。

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