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Power BIのライセンス 無料版とPro、Premiumの違いは?ライセンスを選ぶときのポイントを解説!

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Power BIには「無料版」「Pro」「Premium」の3種類のライセンスが存在しますが、それぞれの機能や利用シーンの違いが分かりづらいという声も多く聞かれます。
本記事では、それぞれのライセンスの機能や適した利用シーンについて整理しています。

以下では、各ライセンス(無料版・Pro)の主な違いについて、『できるPower BI データ集計・分析・可視化ノウハウが身につく本』の内容を参考に整理しています。

Power BI は複数のツールで構成されており、それぞれに役割があります。
Power BI Desktopは、PCにインストールして使用するアプリケーションで、データの取り込み・加工・可視化を行います。

作成したレポートは、Power BIサービス(クラウドサービス)にアップロードすることで、Webやモバイル端末からの閲覧や、自動更新、他ユーザーとの共有が可能になります。

また、Power BIモバイルアプリを使用すれば、モバイル端末でレポートやダッシュボードを確認できます。

Power BIの利用の流れは、以下のようになります。
まず、Power BI Desktopを使用してデータの取得・加工・可視化を行い、レポートを作成します。

次に、作成したレポートを Power BIサービス に発行することで、Webやモバイル端末から利用可能となり、ダッシュボード作成やデータの自動更新、他のユーザーとの共有も行えます(共有には有償ライセンスが必要です)。

なお、これらのツールをすべて利用する必要はありません。
たとえば、モバイル端末を使用しない場合、Power BIモバイルアプリ は不要です。

各ツールの機能を理解した上で、必要なものを選んで利用しましょう。

※ Power BI サービスを利用するためには、Microsoft アカウントを使ってサインアップ(登録)する必要があります。
登録後、Web 上でレポートを作成・共有したり、データの自動更新を設定することができます。

Power BI Desktop・サービス・モバイルアプリの役割や違いについては、以下の図にまとめていますので、併せてご確認ください。

Power BIの無料版、Pro、Premiumの大まかな導入の指針

Power BIの各ライセンス(無料版、Pro、Premium)は、利用目的や組織規模に応じて選択する必要があります。
以下に、主な導入の目安をまとめました。

Power BI 無料版と Pro:どちらを選ぶべきか?

自分自身だけでレポートを閲覧・分析する場合は、無料版で十分対応可能です。

無料ライセンスでも、以下のような操作が行えます。

  • データの取り込み・加工・可視化(Power BI Desktop)
  • レポートの Power BI サービスへのアップロード
  • アップロード済みデータの自動更新設定
  • レポートの内容を PowerPoint などの資料にコピーして利用

このように、基本的な分析や資料作成は無料版でも問題ありません。
分析を個人で完結する用途であれば、無料ライセンスが有力な選択肢となります。

他のユーザーとレポートを共有したい場合はProライセンスが必要

Power BI無料版とProの最大の違いは、レポートの共有機能の有無にあります。
無料版では作成したレポートを他のユーザーと直接共有することができません。
社内外のメンバーとレポートを共有・共同作業する場合には、原則として Power BI Proライセンスが必要となります。

具体的にライセンスによる機能の違いをまとめると、以下の表の通りです。

無料版でレポートを公開する場合、「誰でもアクセス可能な URL(Web 上に一般公開)」として発行されます。
一見、URLが複雑なため安全に見えるかもしれませんが、実際には検索エンジンにインデックスされ、第三者に見つかるリスクもあります。

そのため、売上データなど機密性の高い情報を含むレポートを共有する用途には、無料版は適していません。
社内での安全な共有を前提とする場合、Proライセンスの利用が実質的に必須となります。
※ 無料ライセンスでの共有機能は「Webへの一般公開(Publish to web)」のみに限られ、ユーザーやグループ単位でのアクセス制御は行えません。

Proライセンスを導入せずに社内でレポートを共有したい、という声を耳にすることがあります。
推奨される方法ではありませんが、Power BI Desktopで作成された.pbixファイルにはレポート構成と全てのデータが含まれているため、ファイルそのものを共有することで社内共有を実現することも一応は可能です。

ただし、この方法にはいくつかの重大な注意点があります。想定される課題は以下の通りです。

  • 元ファイルに変更が加わった場合、すべての共有先に最新版を再配布しなければならない
  • 受け取った.pbixファイルをもとに作成したレポートは、元ファイルが更新されるとすべて作り直しが必要になる
  • データ更新も各自の端末で手動実行が必要。Power BIの仕様上、全量更新となるため、クラウドソース(例:AWS、GCP)を使っている場合は特に注意が必要
  • 更新タイミングがユーザーごとに異なることで、同じレポートでも数値にズレが生じるリスクがある

そのため、こうしたファイル共有による運用は、基本的に推奨されません。

どうしてもこの方法を検討する場合には、たとえば「年に1回しか更新が発生しない静的なデータを扱うケース」など、限定的な用途にとどめるのが現実的です。

なお、この方法であれば Power BI Desktopをインストールするだけで利用可能なため、Microsoftアカウントによるサインアップすら不要です。
しかしながら、これはあくまで「暫定的な代替手段」に過ぎず、組織的な業務利用には不向きである点には十分留意してください。

Power BI無料版とPro 選択ポイント

Power BIのライセンスを選択する際は、主にレポートの共有有無と更新頻度が重要な判断軸となります。

  • 社内でレポートを他のメンバーと安全に共有したい場合は、Proライセンスの導入が必要です。無料版では共有機能に制限があり、業務運用には適していません。
  • 一方で、個人での分析やレポート作成、または更新頻度がごく少ない場合は、無料版でも対応可能です。

目的と利用スタイルに応じて、最適なライセンスを選択することが重要です。

Power BI ProとPremium:どちらを選ぶべきか

Power BIのライセンス体系は一見わかりづらいですが、ProとPremiumは「どちらかを選ぶ」という関係ではなく、目的の異なるライセンスであるという点を理解しておくことが重要です。

Power BIでレポートを共有するにはProライセンスが必要です

Proライセンスは、Power BI Desktopで作成したレポートをPower BI Serviceにアップロードし、他のユーザーと共有するために必要です。加えて、レポートの閲覧者側もProライセンスを保有していなければ、共有されたレポートを閲覧することができません。
たとえば、開発者が1人、閲覧者が100人いる場合、100人分のProライセンス(1,090 円/人・月)が必要となり、毎月約109,000円のコストが発生します。これが5,000人の組織規模となると、月額で545万円という非常に大きな負担となります。
こうしたケースで有効なのが、Power BI Premiumです。

閲覧専用ユーザーが多い場合はPremiumの導入を検討

Power BI Premiumは、ノード(専用リソース枠)単位でライセンスが提供される仕組みです。

これにより、レポートを閲覧するだけのユーザーにProライセンスを個別に付与する必要がなくなります。
そのため、大量の閲覧ユーザーを抱える組織ではProライセンスのみで運用するよりも、Premiumを導入した方がコスト効率が良くなるケースが多くなります。

ただし、注意すべきポイントがあります。
Premiumは、あくまで「閲覧専用」の権限を提供するものであり、レポートの作成・編集・共有を行うには、引き続きProライセンスが必要です。

【ProライセンスとPremiumの役割整理】

  • Proライセンスを持つユーザー:レポートの作成、更新、共有を担当
  • Premium対象のユーザー:作成済みレポートを閲覧するのみ

つまり、Proはレポートを管理・運営する「作成者・編集者」側のライセンス、Premiumは閲覧だけ行う「利用者」側をカバーするライセンスと考えるとわかりやすいです。

さらに、Premiumを利用する場合は、ノード数に応じたライセンス費用が発生します。
代表的なノード種別と概要は下記の通りです。

※金額は参考価格です。契約条件や提供エリアにより変動する場合があります。

【ノードとは?】
ノードとは、Power BI専用に割り当てられたサーバーリソース枠のことです。
ノードのグレードが高いほど、

  • 利用できるストレージ容量
  • 同時アクセスの処理性能
  • 更新頻度の上限

が拡張され、より多くのデータ・ユーザーに対応できるようになります。

Power BI ProとPremiumの選択ポイントまとめ

  • 全ユーザーがレポートの作成・共有を行う場合 → Proライセンスを人数分導入
  • 閲覧専用ユーザーが多数存在する場合 → Pro + Premiumの組み合わせが有効
  • Premiumの導入にはノード単位の費用が発生するため、コスト試算が不可欠

ライセンス別に異なる機能制限:データ容量と保存領域

ここからは機能でMicorosoft Power BIのライセンスの違いを見ていきましょう。

Power BIでは、ライセンスごとに「1レポートあたりのデータ容量」や「全体のストレージ容量」に上限が設定されています。

1レポートあたりのデータ容量の上限

  • 無料版 / Pro:1GB / レポート
  • Premium:最大 50GB / レポート(ノードにより異なる)

「データ容量」は、Power BI Desktopでレポートを作成する際に読み込むデータソース(例:売上データ、顧客情報など)の合計サイズを指します。

たとえば、複数のテーブル(会社マスタ、顧客マスタ、売上データなど)を1つのレポートにまとめる場合、
これら全体の合計が容量制限を超えないよう注意が必要です。

また、Power BIではデータを圧縮して保存する仕組みがあり、実際のファイルサイズよりも小さく収まるケースがあります。
圧縮効率はデータ内容に依存しますが、一般的にはCSVやExcelファイルよりも効率的に格納され、実質的には1GBでも十分なケースが多いといえます。
ユーザー数やレポート規模に応じて、どの程度の容量が必要かを事前に見積もることが、ライセンス選定において重要です。

ライセンス別のストレージ容量の違い

Power BIでは、ユーザーごとのストレージ容量にもライセンスによって差があります。
これは、Power BIサービス上で保持できる全レポート・データセットの合計容量を意味します。

  • 無料版 / Pro(個人単位):10GB / ユーザー
  • Premium(ノード単位):最大 100TB / ノード

たとえば、1レポートあたりの容量が500MB程度の場合、Proライセンスであれば約20本のレポートを保存可能という計算になります(あくまで参考値)。

高頻度でレポートを作成・保存する運用の場合、無料版やProでは容量が不足する可能性があり、定期的な整理や古いレポートの削除などの工夫が必要になるケースもあります。
一方、Premiumでは専用のストレージが付与されるため、大規模運用においてもストレージの上限に悩まされることは少なくなります。

大規模組織や全社レベルでの展開を想定している場合には、重要な判断材料となります。

自動更新の回数制限:更新頻度にもライセンス差がある

Power BIでは、スケジュールされた自動更新の実行回数に制限があり、利用ライセンスによって回数が異なります。

  • 無料版 / Pro:1日あたり最大 8 回
  • Premium:1日あたり最大 48 回

たとえば、営業日が8時間の場合、無料版やProでは「1時間に1回」程度の更新、Premiumでは「10分に1回」まで対応可能です。

業務で最新のデータを頻繁に確認したい場合、Premiumの更新頻度が大きな強みとなります。
自動更新を利用するには、オンプレミス環境のデータベースやローカルファイルとPower BIサービス間を接続するためのオンプレミス データゲートウェイを構成する必要があります(クラウドソースでは不要な場合もあります)。
なお、リアルタイムに近い更新が求められる場合には、「DirectQuery」という接続方式を使用することも可能です。

これは、レポート閲覧時にデータベースに直接クエリを投げ、都度データを取得する仕組みです。

ただし、DirectQueryはシステムへの負荷が高く、使用できるビジュアルや計算処理にも制約があるため、設計段階での検討と最適化が必要になります。

まとめ:ライセンス選定は利用目的と運用体制に合わせて

本記事では、Power BIの無料版、Pro、Premiumの機能や制限の違いについて、主に「共有機能」「容量制限」「更新頻度」などの観点から解説してきました。
実際のライセンス選定にあたっては、以下のような点を踏まえて判断することが重要です。

  • レポートは 個人利用が中心か、チームや全社での共有が必要か
  • データの更新頻度やリアルタイム性へのニーズがどの程度あるか
  • 閲覧ユーザーの数と規模に対して、Pro・Premiumのどちらがコスト効率的か

Power BIは柔軟にスモールスタートできるツールでもあるため、まずは無料版や Proから導入し、必要に応じて Premiumを検討するという段階的な進め方もおすすめです。

自社の利用目的に応じて最適なライセンスを選択し、Power BIの強力な分析・共有機能を最大限に活用していきましょう。

ここまで他にもまだまだ違いはありますが、まず抑えるべきポイントとして違いを紹介しました。

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