Tableauのスカイラインチャートとは?作成手順や主な活用シーンを分かりやすく解説
目次
データを視覚化して複雑な情報を直感的に理解することは、ビジネスの意思決定において非常に重要です。
Tableauは、シンプルで効果的な分析ツールを提供し、その中でも「スカイラインチャート」は特に優れたグラフタイプの一つです。スカイラインチャートは、売上や利益率など複数の指標を同時に比較・分析する際に役立ちます。
棒の幅や高さを利用してデータの関係性を視覚化することで、データの特徴や傾向を一目で把握できる強力なビジュアライゼーションです。
この記事では、スカイラインチャートの基本的な特徴から、具体的な作成手順、さらに実際の利用シーンまでを分かりやすく解説します。
データ分析を始めたばかりの初心者の方でも、この記事を参考にすればスカイラインチャートを活用して深いインサイト(洞察)を得ることができるでしょう。
ビジネス分析の幅を広げ、データに基づく意思決定を強化するための第一歩として、ぜひこの記事をお役立てください。
スカイラインチャートとは?
スカイラインチャートとは棒グラフの一種で、横軸に売上などの累計値、縦軸に利益率などの別の指標を配置し、棒の幅で売上の大きさを表現するチャート(グラフ)です。これにより、売上規模と利益率の関係性を一目で把握でき、各カテゴリのパフォーマンスを視覚的に比較できるようになります。
このチャートは、特に各カテゴリの売上規模と収益性を同時に分析したい場合に有効です。
例えば、「売上が大きいが利益率は低いカテゴリ」や「売上は小さいが利益率が高いカテゴリ」などを特定することで、ビジネス戦略の見直しや重点的な改善箇所の特定に役立つでしょう。
スカイラインチャートは、売上と利益率の関係を直感的に理解するための強力なツールであり、Tableauでは累計計算や棒の幅の調整などの機能を活用することで簡単に作成できます。
Tableauでスカイラインチャートを作成する手順
それでは実際に、Tableauを使ってスカイラインチャートを作成する具体的な手順をご紹介します。なお、今回はTableauに付属している「サンプルスーパーストア」を使用し、各カテゴリの売上規模と利益率の関係性を可視化していきます。
あらかじめ、Tableauにサンプルスーパーストアの「オーダー(注文)」シートを接続しておきましょう。
Tableauにデータを接続する方法がわからないという方は、以下の記事を参考にしてみてください。
◆Tableauにおけるデータ接続と加工方法を手順付きで解説
手順1:利益率の計算フィールドを作成する
利益率を計算するフィールドを作成します。
データペインにある▼>計算フィールドの作成 から、以下の計算式を作成しましょう。
★利益率
SUM([利益]) / SUM([売上])
手順2:棒グラフを作成する
スカイラインチャートのベースとなる棒グラフを作成します。
[サブカテゴリ]を列シェルフに、[★利益率]を行シェルフに、それぞれドラッグ&ドロップしましょう。
また、マークカードにある自動>棒 に変更します。
これで、各サブカテゴリの利益率を示す棒グラフが作成されます。
手順3:サブカテゴリを並べ替える
サブカテゴリを売上の降順に並べ替えます。
列シェルフにある[サブカテゴリ]を右クリック>並べ替え から、下記のように設定しましょう。
並べ替え順序:降順
フィールド名:[★利益率]
手順4:売上の大きさで棒の幅を調整する
[売上]をマークカードの「サイズ」にドラッグ&ドロップし、棒の幅が売上に比例するように設定します。
これにより、売上が大きいサブカテゴリほど棒の幅が広く表示されます。
手順5:スカイラインチャートに変更する
通常の棒グラフからスカイラインチャートの形に変更します。
下記の操作を順に実行していきましょう。
・列シェルフにある[サブカテゴリ]を、マークカードの「色」にドラッグ&ドロップ(※複製ではなく移動)
・列シェルフに[売上]をドラッグ&ドロップ
・画面サイズを、標準>ビュー全体 に変更
・マークカードにある「サイズ」>固定 に変更し、配置を「右」に変更
手順6:売上の累計を計算する
列シェルフにある[合計(売上)]を右クリック>表計算を追加 をクリックします。
ポップアップ画面で、下記の設定を行いましょう、
次を使用して計算:特定のディメンション、サブカテゴリに✔
手順7:グラフの見栄えを調整する
必要に応じて、グラフの書式設定を行って完成です!
今回は、下記の操作を行いました。
・[★利益率](y軸)を右クリック>書式設定 から、数値をパーセンテージ(小数点1ケタ)に変更
・[サブカテゴリ]をマークカードの「ラベル」にドラッグ&ドロップ
・マークカードの「ツールヒント」をクリックし、中身を下記のように変更
以上でスカイラインチャートの完成です!
スカイラインチャートを作成したことで、
- 「電話機」は最も売上が大きいが、利益率は真ん中くらいである
- 「コピー機」は売上がそこそこ大きくて利益率も高い、優良なサブカテゴリである
- 「テーブル」は売上がそこそこ大きいものの、利益がマイナス(赤字)になっている
などといったインサイトが得られました。
Tableauにおけるスカイラインチャートの主な利用シーン
スカイラインチャートは、Tableauで複数の指標を同時に視覚化する際に非常に有効なツールです。
ここでは、Tableauにおけるスカイラインチャートの主な活用シーンを3つご紹介します。
①2つの指標の関係性を分析したい時
スカイラインチャートは、売上と利益率など、2つの指標の関係性を一目で把握するのに適しています。棒の幅で売上規模を、棒の高さで利益率を表現することで、各カテゴリのパフォーマンスを直感的に比較できます。
例えば、売上が大きいが利益率が低い商品や、売上は小さいが利益率が高い商品を特定することで、販売戦略の見直しや重点的な改善箇所の特定に役立つでしょう。
②最小値や最大値のトレンドを強調したい時
スカイラインチャートは、データセット内の最小値や最大値のトレンドを強調するのにも適しています。
棒の高さと幅を組み合わせると、極端な値や異常値が視覚的に強調され、データの分布や傾向を明確に示すことが可能です。これによって、異常なデータポイントの検出や特定の期間・カテゴリでのパフォーマンスの急激な変化を迅速に把握できるようになるでしょう。
③全体の傾向と個別の特徴を把握したい時
スカイラインチャートは、全体の傾向と各カテゴリの個別の特徴を同時に把握するのに有効です。
累積売上を横軸に、利益率を縦軸に配置することで、全体の売上の流れと各カテゴリの利益率の違いを一目で確認できます。これにより、全体の売上傾向を把握しつつ、特定のカテゴリの強みや弱みを明確に理解し、より効果的な意思決定をサポートしてくれます。
まとめ
この記事をとおして、Tableauでスカイラインチャートを作成する方法とその利用シーンについて詳しく解説しました。
スカイラインチャートは、売上や利益率など複数の指標を同時に視覚化し、データの関係性や傾向を一目で把握できる強力なビジュアライゼーションツールです。
本記事では、スカイラインチャートの基本的な特徴から作成手順、そして実際にどのような場面で活用できるかを、初心者にも分かりやすく説明しました。
スカイラインチャートを使いこなすことで、複雑なデータセットからより深いインサイトが得られ、意思決定を効率的にサポートできるでしょう。これによってデータ分析の幅が広がり、業務の効率化や成果の向上につながることを実感できるようになります。
Tableauを活用してデータ分析を進める方にとって、この記事がスカイラインチャートを使った新しい分析方法の発見や理解の促進につながることを願っています。
ぜひ実際のTableau業務で試してみてください。
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