Tableauの文字列関数とは?概要と主な文字列関数の使い方を分かりやすく解説
目次
Tableauでのデータ分析は、数値や日付データだけでなく、文字列データの扱いも非常に重要です。
特に、ユーザー名や商品コード、カテゴリ名などのテキスト情報は、日常業務のさまざまなシーンで活用されています。その中でも「文字列関数」は、データの一部を抽出したり、不要な部分を除去したり、より意味のある形に整えたりするための強力な機能です。
TableauではCONTAINS関数やMID関数などさまざまな文字列関数が用意されており、それぞれの特性を理解することで、より柔軟なデータ操作が可能になります。
この記事では、Tableau初心者の方にも分かりやすいように、代表的な文字列関数の使い方と注意点を丁寧に解説しています。
Tableauでテキストデータの処理に困った時や、もっと便利な活用法を知りたい時の参考として、ぜひお役立てください。
【概要】文字列関数とは?
Tableauの文字列関数とは、データ内の文字列情報を抽出・加工・検索するための重要なツールです。
名前やコードなどのテキストデータを目的に応じて整形したり、一部を抜き出したりする際に活用されます。
Tableauでは数値や日付だけでなく、文字列データも分析対象となることが多いため、文字列関数の理解は非常に重要です。
例えば、
- 製品コードからカテゴリを切り出す
- 特定の語句を含むデータを抽出する
といった作業で役に立つでしょう。
また、Tableauの文字列関数には文字数の指定や検索位置の制御など細かい調整が可能なものも多く、分析の精度や見やすさを高めるために欠かせない機能のひとつです。初心者にとっては「どの関数を使えばよいか分からない」といった悩みが多いですが、基本的な関数の仕組みと使用場面を理解すれば、実務にもすぐに応用できます。
これからご紹介する具体的な関数を知ることで、文字列データの処理が格段に効率化され、分析の幅が広がるでしょう。
Tableauにおける主な文字列関数の使い方
Tableauには、データ分析を効率的に行うための多彩な文字列関数が用意されています。これらの関数を活用することで、文字データの整形・検索・置換が自在になり、分析の幅が広がるでしょう。
ここでは、主な文字列関数の使い方を具体的な手順とともに解説していきます。
CONTAINS関数
★CONTAINS関数の書き方:CONTAINS(文字列,サブ文字列)
CONTAINS関数は、指定された文字列に指定された部分文字列が含まれている場合に「真」を返す関数です。テキスト中に特定の文字列が含まれるかどうかを判別することができます。
例えば、Apple製品かどうか(=[製品名]に”Apple”という文字列が含まれているか)を調べたい時は、下記の計算フィールドを新しく作成しましょう。
```
★Apple製品判定
CONTAINS([製品名],"Apple")
```
このフィールドをビューに追加することで、「真」「偽」でApple製品かどうかを判別できます。(下図)
また、[★Apple製品判定]をフィルターに入れて「真」のみを保持することで、Apple製品のみの表にすることも可能です。(下図)
LEFT関数/RIGHT関数
★LEFT関数の書き方:LEFT(文字列,文字数)
★RIGHT関数の書き方:RIGHT(文字列,文字数)
LEFT関数(RIGHT関数)は、文字列の左端(右端)から 指定された数の文字を返す関数です。
例えば、[オーダーID]からオーダー番号だけを取り出したい時は、RIGHT関数を使って下記の計算フィールドを新しく作成しましょう。
```
★オーダー番号
RIGHT([オーダー Id]‚6)
```
このフィールドをビューに追加することで、[オーダーID]からオーダー番号(右端から6つの文字列)を抽出できます。(下図)
MID関数
★MID関数の書き方:MID(文字列,開始,[長さ])
MID関数は、指定された開始位置から始まる文字列を返す関数です。
オプションとして3番目の引数に[長さ]を指定した場合、その引数に相当する数の文字だけが含まれます。(指定しなかった場合は、開始位置から最後までの文字列を取得)
例えば、[オーダーID]からオーダー年だけを取り出したい時は、MID関数を使って下記の計算フィールドを新しく作成しましょう。
```
★オーダー年
MID([オーダー Id]‚4‚4)+'年'
```
このフィールドをビューに追加することで、[オーダーID]からオーダー年(4番目から、文字列4つ分)を抽出できます。(下図)
REPLACE関数
★REPLACE関数の書き方:REPLACE(文字列,サブ文字列,置換文字列)
REPLACE関数は、文字列中の特定部分を別の文字列に置き換える関数です。
別の文字列(2つ目の引数であるサブ文字列)が見つからない場合、文字列は変更されません。
また、3つ目の引数である置換文字列に「””」(空白)を入れると、その文字列を削除することもできます。
例えば、[地域]から「地方」を空白に置換(=「地方」という文字列を削除)したい時は、REPLACE関数を使って下記の計算フィールドを新しく作成しましょう。
```
★地域(地方省略)
REPLACE([地域],"地方","")
```
このフィールドをビューに追加することで、[地域]から「地方」という文字列を削除できました。(下図)
FIND関数
★FIND関数の書き方:FIND(文字列,サブ文字列,[開始])
FIND関数は、文字列の中で特定の語句(2番目の引数であるサブ文字列)が最初に現れる位置を取得します。
なお、見つからない場合は「0」を返します。
例えば、[顧客名]から苗字と名前の間にある「空白」の場所を確認したい時は、FIND関数を使って下記の計算フィールドを新しく作成しましょう。
```
★苗字と名前の間にある空白の位置
FIND([顧客名]," ")
```
このフィールドをビューに追加することで、苗字と名前の間にある空白の位置を確認できます。(下図)
また、「MID関数」と併用すると、苗字のみ、すなわち「空白が現れる1つ前の文字列まで」を取得することも可能です。
下記の計算フィールドを新しく作成しましょう。
```
★苗字
MID([顧客名],1,FIND([顧客名]," ")-1)
```
FIND([顧客名],” “)-1は、「空白の1つ前の文字位置(番号)」を指します。
すなわちMID([顧客名],1,FIND([顧客名],” “)-1)は、「1番目から空白の1つ前まで」を意味し、結果的に苗字のみを取得することが可能です。
このフィールドをビューに追加することで、苗字のみを抽出できました。(下図)
Tableauで文字列関数を使う際の注意点
Tableauで文字列関数を使う際は、いくつかの注意点を押さえることが重要です。
文字列の取り扱いは見た目以上に繊細で、思わぬ動作やミスにつながる可能性もあります。事前にこれらの注意点を知っておくことで、Tableauの文字列処理をより正確に行え、思い通りの可視化に近づけるでしょう。
①大文字・小文字やロケールの影響
Tableauでは、文字列の比較や検索で大文字と小文字を区別します。つまり「Tokyo」と「tokyo」は異なる値として扱われます。そのため、ユーザーの入力値や外部データとの一致判定を行う際に、意図しない動作が起きることがあります。
また、ロケール(言語や国ごとの設定)によって、文字列の並び順や変換結果が異なる場合があります。特にソートや集計を行う場面では、ロケールの違いが集計結果に影響することもあるため、環境設定に注意しましょう。
②文字数指定と文字列の長さの違いに注意
文字列関数の中には、特定の文字数を指定して文字列を操作するものがあります。しかし、英数字と日本語では1文字のデータサイズが異なるため、期待通りの結果にならないケースがあります。
使用するフォントやデータソースによって表示に差が出ることがあるため、事前に検証しておくと安心です。
③文字列が見つからないときの取り扱い
FINDやCONTAINS関数などを使って文字列を検索する際、指定した文字列が見つからない場合の挙動には注意が必要です。
FIND関数では「0」が返され、CONTAINS関数では「偽(False)」となりますが、結果をそのまま可視化に使うと計算結果が想定外になることがあります。
事前にIF関数などと組み合わせて、「見つからなかった場合の処理」を明示的に定義しておくことで、こうしたトラブルを回避できるでしょう。
まとめ
この記事では、Tableauで使用できる文字列関数について、基本的な考え方から代表的な関数の使い方、さらに活用時の注意点までを詳しく解説しました。
文字列関数は、氏名の分割や特定ワードの抽出、置換など、データを読みやすく整えるために欠かせないツールです。
本記事では、初心者にもなじみやすい関数であるCONTAINS関数やMID関数などを取り上げ、それぞれの用途と使用例を紹介しました。
また、実務でよく起きる「大文字・小文字の違い」や「文字数とバイト数の違い」によるエラーなど、つまずきやすいポイントについても解説しています。
Tableauの文字列関数を適切に使いこなすことで、より柔軟なデータ加工が可能となり、ダッシュボードの見やすさや分析の精度も向上します。これから業務でTableauを活用したい方は、ぜひ文字列関数の基本を押さえ、日々の分析業務に活かしてみてください。この記事が、その一助となれば幸いです。
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