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Tableauの行レベルセキュリティとは?実装方法やセキュリティの概要を分かりやすく解説

#Tableau #行レベルセキュリティ

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データの安全性を確保しながら効果的にデータ活用することは、現代のビジネスにおいて欠かせません。

Tableauは、データの視覚化や分析を簡単に行えるツールであるだけでなく、セキュリティ対策も万全です。適切なセキュリティ設定を行うことで、機密データを保護しながら効率的なデータ活用が可能になります。

特に、Tableauでは「行レベルセキュリティ」などの高度な機能を使うと、ユーザーごとにアクセス可能なデータ範囲を細かく制御することができます。

この仕組みは組織全体のデータガバナンスを強化し、データ漏洩リスクを大幅に減らすための強力な武器となるでしょう。

そこで本記事では、Tableauにおける基本的なセキュリティの概要から、具体的な設定方法までを初心者にも分かりやすく解説します。

ビジネスにおけるデータ管理を一歩先へ進めたい方々にとって、この記事が有益なガイドとなれば幸いです。

【概要】Tableauにおけるセキュリティとは?


Tableauは、企業がデータを活用して意思決定を行うための強力なビジネスインテリジェンスツール(BIツール)です。

しかし、データの可視化や共有を行う際には、情報の機密性や整合性を確保するためのセキュリティ対策が不可欠です。

Tableauでは、ユーザー認証やデータアクセス制御など、多層的なセキュリティ機能を提供しています。これにより、適切なユーザーが適切なデータにアクセスできるよう管理し、データ漏洩や不正アクセスを予防してくれます。

特に、行レベルセキュリティ(Row Level Security)を活用すると、同じワークシートやダッシュボードのままで、ユーザーごとに閲覧できるデータの範囲を細かく設定することが可能です。

このように、Tableauのセキュリティ機能は、組織(企業)のデータガバナンスを強化して安全なデータ活用をサポートします。

Tableauにおける5つのセキュリティ項目


Tableauでは、データの安全性を確保するために5つの重要なセキュリティ項目を設定しています。

これらは、企業のデータ管理の質を向上させるだけでなく、利用者の安心感も高めます。

それぞれの項目を理解して適切に対策を講じることで、データの漏洩や不正利用を防ぎ、効率的な業務運営が可能になるでしょう。

①運用上のセキュリティ

運用上のセキュリティは、Tableauを利用する際の基本的なセキュリティポリシーです。システム管理者は、適切なバックアップ計画を策定してログ管理を徹底することが求められます。

例えば、システム障害時に備えてデータを定期的にバックアップすることは、データ損失のリスクを最小限に抑える重要な手段となるでしょう。

また、アクセスログをモニタリングすることで、不審な動きを早期に発見できます。

②ユーザーのセキュリティ

ユーザーセキュリティでは、各ユーザーがアクセスできるデータを制限する仕組みが導入されています。

これにより、特定のユーザーだけが必要な情報にアクセスできるように設定することが可能です。

例えば、営業チームが自分の担当エリアのデータだけを閲覧できるようにすることで、データの機密性を確保します。

③ネットワークのセキュリティ

ネットワークセキュリティは、Tableau CloudやTableau Serverといったオンライン環境でTableauを使用する際に重要です。

HTTPS(SSL/TLS)の設定により、通信中のデータが暗号化され、不正アクセスのリスクを軽減できます。

また、ファイアウォールを設定して不必要な外部からのアクセスを遮断することで、セキュリティの強化も可能です。

④アプリケーションのセキュリティ

アプリケーションセキュリティでは、Tableau自体の脆弱性を最小限に抑えることが目的です。

最新バージョンのTableauを使用することや、セキュリティパッチを適用することで、攻撃のリスクを減らせます。

また、ユーザー認証を多要素認証(MFA;Multi-Factor Authentication)に設定することで、不正ログインを防ぎます。

⑤データのセキュリティ

データセキュリティは、Tableauで取り扱うデータそのものを守る仕組みです。

「行レベルセキュリティ」を適切に設定すると、ユーザーごとに閲覧可能なデータ範囲を細かく制御することができます。

例えば財務データを扱う場合、特定のユーザーが全社の情報にアクセスできないような制限の設定が可能です。

行レベルセキュリティの主な実装方法【データセキュリティ】

Tableauにおける行レベルセキュリティ(RLS;Row Level Security)は、ユーザーごとにアクセス可能なデータを制限する方法です。

これにより、機密情報を保護しながら必要なデータだけを適切な利用者に提供できます。

以下では、主な実装方法を3つご紹介します。それぞれの方法に適した場面があるため、実際の運用に合わせて選択することが重要です。

なお、今回は下図のような「地域・都道府県・カテゴリ別のメジャー(利益、売上、数量)」のクロス集計表をベースに、行レベルセキュリティを実装していきます。

 Tableauにデータを接続する方法がわからないという方は、以下の記事を参考にしてみてください。
    ◆Tableauにおけるデータ接続と加工方法を手順付きで解説

手動フィルター

手動フィルターは、ダッシュボードやシートごとに条件を設定して特定のデータだけを表示する方法です。

フィルターを直接設定するため、少人数のユーザー向けや一時的なセキュリティ設定に適しています。

手順は以下の通りです。

手順1
画面上部にあるサーバー>ユーザーフィルターの作成>地域 を順にクリックします。

手順2
ポップアップ画面の左側で、グループ名やユーザー名を選択した後、右側では表示させたい(絞り込みたい)項目に✓を入れましょう。

例えば下図のように事業部や部署単位でグループを作成している場合、グループ(に属するユーザー)ごとに閲覧できるデータ範囲を制御することができます。

手順3
[ユーザーフィルター1]というフィールドが作成されるため、フィルターに追加します。

自分のTableauアカウントが手順2でフィルターを作成したグループに含まれていれば、絞り込みができているはずです。

操作手順は以上です。

「手動フィルター」は、例えば特定の営業担当者が自分の顧客データだけを確認できるようにする場合に有効です。

一方、多くのユーザーがいる場合や頻繁に条件が変更される場合には管理が煩雑になるというデメリットもあります。

外部データを使用した動的フィルター

動的フィルターは、Excelなどの外部データに保存された条件をもとにユーザーごとに異なるデータを表示する方法です。

これにより、大規模なデータ環境でも効率的にセキュリティを管理できます。

手順は以下の通りです。

手順1
ユーザー別(担当者別)の都道府県のExcelデータを準備します。(下図)

手順2
準備したExcelデータをTableauに接続します。

手順3
準備したExcel側のデータで、新しい計算フィールド(下記)を作成しましょう。


★ユーザー名フィルター
[Username] = FULLNAME()

なお、FULLNAME関数は「ログイン中のユーザー名」を表す関数のため、「Excelリストにあるユーザー名と、ログイン中のユーザー名が一致するか?」を判定する計算フィールドになります。

手順4
[★ユーザー名フィルター]をフィルターに追加>何もクリックせずに「次へ」>真 をクリックします。

今回のログインユーザーは「東京都」の担当のため、東京都のみでフィルターされました。

「外部データを使用した動的フィルター」は、例えば部門やユーザーごとのデータにアクセス権を割り当てたい場合に便利です。

この方法では権限変更が容易であり、更新作業が効率化されます。

データソースフィルターを使用した動的フィルター

データソースフィルターは、Tableauのデータソースレベルでアクセス制限を設定する機能です。

先ほどの「外部データを使用した動的フィルター」では、ワークシートに接続した後にフィルターを作成していましたが、今回はデータソースの段階でフィルターを適用します。

これにより、複数のワークシートやダッシュボードに同じ条件を適用することが可能です。

手順は以下の通りです。

手順1
データソースペインを開き、画面右上の「追加」をクリックします。

手順2
ポップアップ画面から、追加>Username をクリックします。

手順3
条件タブで「式指定」を選択し、下記の計算式を入力しましょう。


[Username] = FULLNAME()

これで、データソース段階でデータが絞り込まれました。

操作手順は以上です。

「データソースフィルターを使用した動的フィルター」は、特定のデータソースを複数のプロジェクトで使用する場合に特に有効です。

個別設定の手間を減らし、一貫性のあるフィルタリングが可能になります。

まとめ

この記事では、Tableauにおけるセキュリティの重要性や具体的な実装方法について詳しく解説しました。

セキュリティは、企業がデータを安心して活用するための基盤であり、その管理が適切であるほど、ビジネスの信頼性と効率性が向上します。

セキュリティに関する知識を活用することで、Tableauを導入した際のデータガバナンスが強化され、より安全で効果的なデータ分析が可能になるでしょう。

適切なセキュリティ設定により、データ活用の可能性が広がるだけでなく、企業全体の意思決定プロセスをよりスムーズにすることができます。

この記事が、Tableauのセキュリティについての理解を深めるきっかけとなり、実際の業務での活用を後押しする参考になれば幸いです。

ぜひ、Tableauのセキュリティ機能を最大限に活用して、安全で効率的なデータ分析環境を構築してください。

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