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Tableauのゲージチャートとは?具体的な作成手順や主な利用シーンを分かりやすく解説

#Tableau #ゲージチャート

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ビジネスの現場で目標の達成状況や現在のステータスを一目で把握することは、意思決定のスピードと正確性を高めるうえで非常に重要です。
そのような状況で活躍するのが、Tableauの「ゲージチャート」です。

ゲージチャートは、スピードメーターのような見た目で、進捗や数値の達成度を直感的に伝えることができます。
ダッシュボードに取り入れることで、複雑な数値の報告が視覚的にわかりやすくなり、関係者間の情報共有がスムーズになるでしょう。

本記事では、Tableauに標準搭載されていないゲージチャートをどのように作成するのかを、サンプルスーパーストアのデータを使いながら具体的な手順で丁寧に解説します。

ゲージチャートの使い方をマスターすれば、データの「伝わり方」が劇的に変わります。

Tableauをより効果的に活用したい方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

【概要】ゲージチャートとは?


ゲージチャートとは、メーターやスピードメーターのような形状で、数値の達成度や目標に対する進捗を直感的に可視化できるグラフです。
ビジネスの現場では、KPI(重要業績評価指標)のモニタリングなどでよく使われます。棒グラフや折れ線グラフなどと比較して、一目で状況を把握できるのが主な特徴です。
特に、単一の指標を「現在値」「目標値」「最大値」の3要素で評価したい場合に適しています。

例えば、営業部の月間売上をリアルタイムで確認したいときに、「現在:400万円/目標:500万円」という形でゲージチャートを使えば、どの程度目標に近づいているかが一瞬で伝わります。

ただし、ゲージチャートは複数の指標を同時に比較するのには向いていません。そのため、利用シーンを慎重に選ぶことが重要です。Tableauには標準でゲージチャートのテンプレートは用意されていませんが、円グラフや計算フィールドを活用することで再現できます。そのため、作成には少し応用的な知識が必要です。

Tableauでゲージチャートを作成する具体的な手順


それでは実際に、Tableauでゲージチャートを作成する具体的な手順をご紹介します。

今回は、下記のサンプルデータを使用して、「各営業メンバーの売上進捗率を表すゲージチャート」を作成していきます。

なお、Tableauでゲージチャートを作成するには円グラフをベースにしたカスタマイズが必要です。
標準機能にはゲージチャートが用意されていないため、「計算フィールド」や「二重軸」を組み合わせて再現していきます。

 Tableauにデータを接続する方法がわからないという方は、以下の記事を参考にしてみてください。
    ◆Tableauにおけるデータ接続と加工方法を手順付きで解説

手順1:進捗率を表す計算フィールドを作成する

まずは売上進捗率の計算フィールド(下記)を作成しましょう。

★売上進捗率
SUM([売上実績])/SUM([売上目標])

手順2:半円グラフ用の計算フィールドを作成する

ゲージを作るベースとなる、半円グラフ用の計算フィールドを作成します。

下記5つの計算フィールドを順に作成しましょう。

★Slice1
IIF([★売上進捗率]>0.5,[★売上進捗率]-0.5,0)

★Slice2
IIF([★売上進捗率]>0.5,1-[★売上進捗率],0.5)

★Slice3
1

★Slice4
IIF([★売上進捗率]

★Slice5
IIF([★売上進捗率]

手順3:半円グラフを作成する

手順2で作成した計算フィールドを用いて、ゲージチャートのベースとなる半円グラフを作成します。

以下の操作を順に行いましょう。

・マークカードのグラフタイプを自動→円グラフに変更

・マークカードの「角度」に[メジャーバリュー]をドラッグ&ドロップ

・メジャーバリューカードから[★Slice1]〜[★Slice5]以外を削除

・マークカードの「色」に[メジャーネーム]をドラッグ&ドロップ

・マークカードの「色」>色の編集 から、下図のように色を変更
(※★Slice3は下円のため、白色にする)

・メジャーバリューカードにある[★Slice3]を右クリック>メジャー(合計) を「最小値」に変更

・表示サイズを標準→ビュー全体 に変更

手順4:ドーナツチャートを作成する

円グラフのままでもわかりやすいですが、より「ゲージ感」を出すためにドーナツチャートへ変更しましょう。

以下の操作を順に行います。

 ドーナツチャートの作成方法を詳しく学びたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
    ◆Tableauでドーナツチャートを作る方法を分かりやすく解説

・行シェルフに[最小値(1)]のフィールドを2つ作成

・二重軸に変更

・内円(ドーナツ)のピルを全削除

・マークカードの色やサイズを調整、ヘッダーの非表示

・[★売上進捗率]を「ラベル」に追加してラベル位置を調整
(※ラベル位置を調整するために、空白スペースを3,4行入れる)

手順5:メンバーをフィルターに追加する

最後に、メンバー別の進捗を見るために[メンバー]をフィルターに追加して完成です。

単一値のフィルターを用いることで、メンバーごとの進捗率をゲージチャートで可視化できました。

また、[メンバー]を「ラベル」に追加することで、メンバーとその進捗率をゲージチャート内で確認できるようになります。

Tableauにおけるゲージチャートの主な利用シーン3選


Tableauにおけるゲージチャートは、「パッと見て状況が分かる」ことを重視する可視化手法です。ただし、単一の数値を扱うケースに特化しているため、利用場面を選ぶ必要があります。

ここでは、Tableauにおけるゲージチャートの具体的な活用シーンを3つに分けてご紹介します。

①KPIの進捗を直感的に示したい時

目標に対する進捗度を一目で確認したい場合、ゲージチャートが効果を発揮します。

KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)は、定量的に業務の成果を測るための指標です。

例えば、「今月の売上目標50万円に対して現在40万円」というような進捗状況を表示する際、ゲージチャートを使うと到達度がメーターのように視覚的に表現されます。

このように数値の達成状況を「割合」として把握する必要がある業務では、棒グラフやテキストよりもゲージチャートが優れています。

目標到達率をパッと伝えたい時に有効敵といえるでしょう。

②現状が許容範囲かどうかを素早く確認したい時

ゲージチャートは、現在の値が「許容範囲内にあるかどうか」を素早く判断したい時にも有効です。

たとえば、システムのエラー発生率や生産ラインの稼働率など、「閾値(しきいち)」を超えると問題になる指標があります。

ゲージチャートでは、進捗バーの色を「緑・黄・赤」などに設定することで、視覚的に警告を出せるようにできます。

このような用途では、「正常ゾーン」「注意ゾーン」「異常ゾーン」を色分けして配置することで、ユーザーが現状のリスクを即座に把握できるでしょう。

色によるフィードバックは、日常業務の意思決定にもつながる強力な視覚情報です。

③複数の指標を並べて視覚比較したい時

複数の部門や店舗、製品ごとの進捗を比較したい時も、ゲージチャートは効果的です。

例えば、各店舗の売上達成率を一覧で見たい場合、同じフォーマットのゲージを横並びで配置すれば、どこが遅れているか、どこが好調かが一目で分かります。

Tableauのダッシュボード上に並べることで、進捗状況のばらつきや相対的な違いが明確に伝わります。

ただし、ゲージチャートは1つの指標に特化したグラフのため、比較する指標の数が多すぎると逆に見づらくなる点には注意が必要です。

3〜6件程度の比較にとどめておくのが良いでしょう。

まとめ

この記事では、Tableauでゲージチャートを作成する手順と、具体的な活用シーンについて詳しく解説しました。

ゲージチャートは、目標に対する進捗や現状のステータスを、メーターのような形で直感的に可視化できる優れたビジュアライゼーション手法です。

Tableauには標準のゲージチャート機能は備わっていないものの、計算フィールドや円グラフ、二重軸などの機能を組み合わせることで再現可能です。

本記事では、サンプルスーパーストアのデータを用いた作成ステップを、Tableau初心者にも分かりやすくご紹介しました。

Tableauでゲージチャートを活用することで、数字の意味を瞬時に把握できるようになり、チーム内の共通認識の形成や意思決定のスピードアップにもつながります。

この記事が、より効果的なダッシュボード設計やデータ活用の第一歩となれば幸いです。

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