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医療機器メーカーにおける販売データの活用方法について

#活用 #販売データ

販売データの活用について その①

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どの業界も同じですが、自社製品の販売データはメーカーにとり最大の情報源です。

医療業界では、「どの病院に、いつ、何が、幾つ売れたか」になり、一見、入手はあたり前のように思えますが、以前にも書いた通りなかなか簡単にいかないものです。

今回は、医療機器メーカーがMD-Net他を通じて入手したデータの活用方法について纏めます。

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データの活用の前に、その事前準備について軽く説明します。

医療機器メーカーにおける販売データの種類

医療機器メーカーでは、販売データは2種類あります。

メーカーからディーラーに販売したデータ(Sell in)、ディーラーが病院に販売したデータ(Sell Out・実消化・納入実績)データです。

Sell inデータは、後値引き(以前説明)をしている場合には、ディーラー迄しかわかりません。 ですから、後値引きをしている会社は、Sell Outデータをディーラーから集め、それを活用しています。ただ、この活用の前にも、幾つかの課題がありマニュアル処理が必要になるため、活用まで至っていない会社も多いようです。 特に規模的に大きくはない日本企業や、外資系支社の場合、後値引きの金額を計算しているのがやっとで、社内のマーケティングには利用できていない状況のようです。 利用するためには、まずは、医療機関情報(病院マスタ)をクレンジングし、外部医療機関情報を入手(購入)して整備する必要があります。その次に、入手したデータをエラーチェックする仕組みを作り、ディーラー/メーカー間の紐づけを作り、プロセスを確立する必要があります。このプロセスを(多くは)月次で回すことでやっと使えるデータになる訳です。

Sell Out(実消化・納入実績) データの活用には、大きく次の二つあります。

営業担当の評価に使う

以前は、Sell in データを利用し、営業担当の評価をしていましたが、現在は、Sell Outデータを使い評価するところが多くなっています。担当の医療機関への売上実績を出し、営業担当に割り振られた目標と比較して期末の評価に使います。

マーケティングに使う

各製品がどの病院に納入されるかを確認します。医療機器業界では、マーケティングデータというのが実質、存在しません。 その点、医薬業界はIMS社等販売会社もありますし、2016年10月から厚生省がNDB(ナショナルデータベース)として、各製品の利用状況がつかめるようになってきました。 マーケティングデータが存在しない医療機器業界では、他社比較や業界でのシェアを表す手段は、リサーチ会社が一部出しているものぐらいですので、情報を活用するしか手はありません。 よって、製品/病院グループの切り口で、Sell in データを各病院への納入状況を追っていきます。

ただ、このデータもそのまま使えないこともあり、調整が必要となります。

  • 価格グループ(MCH等サービス)の利用が増えてきていて、ディーラーも病院への納入実績を出し難くなっている。
  • ディーラーが他のディーラー(2次店)を通して病院に販売するケースが増え、納入実績が出し難くなっている。
  • メーカーからの販売単位が”箱”の場合、ディーラーがその中の”個”の単位で納入する場合が多い。 等

データを活用する上では、通常、BIシステムやレポートシステムを使っています。

使う仕組みも、営業担当と共有する場合と、マーケティング担当等、一部の人が細かく分析する場合とにより、ツールを変えていることが多いようです。

営業担当との共有

    • Salesforce®等CRM/SFAツール上で共有している会社は多いようです。
    • 又は、レポーティング形システム(Dr.sum等)で共有します。
    • 最近ではヴィジュアル系ツールの利用し、簡単な分析ができるようになりました。 マイクロソフトも無料のBIを出しています。 ※Power BI 弊社サービス

PowerBIの例

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Microsoft Power BI ※こちらをクリックするとセルフ分析ページに飛びます。10秒ぐらいかかります。

マーケティング担当での分析

    • エクセルやアクセスで行っているところもあります。実際、かなりのことができます。
    • ここ10年、メジャーな各ソフトウェアが進歩している感があります。(SAS, Cognos, Business Object等) 金額的にも高いため、大企業での限られた利用が多いようです。
    • ビックデータに利用するツールSPSS等の利用はそれほどないようです。

ビッグデータとまではいきませんが、今後、マーケティング担当等本社スタッフだけではなく、営業担当もデータを活用する必要が出てきます。特に包括ケアを中心した各エリアでの医療機関の動向により、自社製品が基幹病院だけではなく、介護施設や、診療所、在宅まで広がっていきます。 それも、現在は各エリア毎に違う動きをしているため、営業担当は自分の担当領域の医療機関の動きを掴み、先読みしたアクションを取る必要が出てきます。そのためも、データ活用に力を入れて取り組む必要があります。

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