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Power BIのKPIとは?KGIとの違いから設計・可視化・運用までを分かりやすく解説

#Power BI #KPI #KGI

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「KPIって聞いたことはあるけど、何から始めればいいのか分からない」
「Power BIでKPIを見える化したけど、結局“数字を見るだけ”になっている」
――そんな悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。

Power BIは“数値を見せる”だけのツールではありません。正しくKPIを設計・運用すれば、“組織を動かすダッシュボード”に変わります。

この記事では、KPIとKGIの違いから、設計・可視化・運用のポイントまでを体系的に解説します。
Excelの延長でKPIを管理していた方でも、今日から実践できる内容です。

KPIとは?KGI・先行/遅行指標の整理

KPIとKGIの違いを理解する

KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)は、最終目標であるKGI(Key Goal Indicator)に向けた“中間の達成度”を測る指標です。
たとえば、KGIが「年間売上1億円達成」だとすると、KPIはそのために必要な「月間商談数」「成約率」「平均単価」などの要素になります。

Power BIでは、これらのKPIをリアルタイムでモニタリングすることで、“目標のどこが順調で、どこに課題があるか”を可視化できます。

先行指標と遅行指標のバランス

KPIを設定する際に重要なのが、「先行指標」と「遅行指標」のバランスです。

  • 先行指標:行動の結果を先取りして測る(例:提案件数、来店数)
  • 遅行指標:成果として後から表れる(例:売上、利益率)

遅行指標だけを見ていると、手を打つタイミングが遅れがちになります。
Power BIでは、両者を同時に可視化することで、“今やるべきアクション”を見える化できるのです。

KPI設計のステップ

目的と目標を明確にする

KPI設計の出発点は、「何を達成したいのか」という目的の明確化です。
「売上アップ」「顧客満足度向上」などの抽象的な目標を、具体的な数値・行動指標に落とし込むことが大切です。目的が曖昧なままKPIを決めると、ダッシュボードが“飾り”になってしまいます。

指標の構造を整理する

KPIはピラミッド構造で考えると分かりやすくなります。

  • 上位目標(KGI):年間売上1億円
  • 中位KPI:月間売上、成約率、単価
  • 下位KPI:商談数、見積提出数、来店件数

Power BIでは、こうした階層構造をモデリング機能で表現できます。「どのKPIがKGIに影響しているか」をビジュアルで把握できるように設計しましょう。

更新頻度と責任者を決める

KPI管理は“運用”が命です。指標を決めても、更新やチェックが止まれば意味がありません。
Power BIの「スケジュール更新」機能を使えば、毎朝自動でデータを更新し、リアルタイムの状況を維持できます。同時に、各指標の“責任者”を明確にすることで、誰がどの数値に責任を持つのかが一目で分かる仕組みになります。

KPIの可視化:標準ビジュアルで十分に伝わる

KPIビジュアルの使い方

Power BIには標準で「KPI」ビジュアルが用意されています。
目標値・実績値・傾向(トレンド)を一枚のカードで表示でき、ダッシュボード上でのインパクトが非常に高いのが特徴です。
設定手順はシンプルです。

  1. KPIビジュアルを選択
  2. フィールドに「値」「ターゲット」「トレンド軸」を指定

「目標未達なら赤」「達成なら緑」といった配色を設定すると、誰が見ても瞬時に状況を把握できるレポートになります。

ゲージ・カード・マトリクスの活用

KPIビジュアル以外にも、目的に応じて次の要素を組み合わせると効果的です。

  • カード:主要指標の単値表示(例:売上合計・成約率)
  • ゲージ:目標に対する進捗を直感的に表示
  • マトリクス:商品別など KPIを一覧化

特に経営層向けのダッシュボードでは、「カード+ゲージ」でシンプルにまとめると視認性が高くなります。

KPIダッシュボード運用のポイント

更新と共有を仕組み化する

KPIの運用では、情報の鮮度が何より重要です。Power BI Serviceの「スケジュール更新」や「ワークスペース共有」を活用し、常に最新データを全員が同じ画面で確認できる体制を整えましょう。
組織全体で共有すれば、会議資料を都度作成する手間も省け、“リアルタイム経営”に近づきます。

レビューと改善の習慣化

KPIは設定して終わりではなく、運用の中で磨いていくものです。
週次・月次レビューを行い、「目標設定が適切か」「計測タイミングにズレはないか」を見直しましょう。
Power BIの「コメント」機能を活用すれば、ダッシュボード上で直接フィードバックを残すことも可能です。

よくある落とし穴と回避策

KPIが多すぎる

指標を増やしすぎると、何が重要なのか分からなくなります。
まずは3〜5個に絞り、最も成果に直結する指標を明確にしましょう。

データ粒度が揃っていない

日次・週次・月次など、データの粒度が混在していると正しい比較ができません。
Power Queryで期間単位を統一し、すべてのKPIが同じ時間軸で評価できるよう整備します。

目標値が曖昧

KPIは「測定可能(Measurable)」であることが原則です。
根拠のない目標値を設定すると、現場が混乱します。ダッシュボード上に「計算式の注釈」や「KGIとの関係図」を載せると理解が深まります。

まとめ


KPI管理の目的は「数値を出すこと」ではなく、「行動を変えること」です。
Power BIを活用すれば、目標と現状のギャップをリアルタイムで可視化し、チーム全員が同じ方向を向く環境をつくれます。

  • KGIを見据えてKPIを設計する
  • 可視化はシンプルに、伝わる形で
  • 運用・レビューを習慣化する

この3点を意識すれば、KPIダッシュボードは単なる報告ツールではなく、「意思決定を加速させる経営インフラ」として機能します。
Power BIで、数字を“眺める”から“動かす”へ。今日から自社のKPI運用を一歩進めてみましょう。

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