Power BIのテーマ設定とテンプレート化とは?レポート管理・標準化を分かりやすく解説
#Power BI #テーマ設定 #テンプレート化 #レポート管理
目次
- 1. なぜPower BIの標準化が必要なのか
- 1.1 レポートの属人化が引き起こす問題
- 1.2 デザインのばらつきが与える印象の影響
- 1.3 管理ルールを設けることで得られる効果
- 2. 標準化の基本方針を決める
- 2.1 レイアウト・配色・フォントを統一する
- 2.2 KPIや指標名の命名ルールを整理する
- 2.3 作成・更新・レビューの責任分担を明確にする
- 3. テーマ設定でデザインを統一する
- 3.1 テーマファイルとは?
- 3.2 JSONテーマファイルの基本構造
- 3.3 色・フォント・背景などを一括管理する方法
- 3.4 共通テーマを全レポートで適用する手順
- 4. テンプレート化で効率的な開発を実現
- 4.1 PBITファイルとは?
- 4.2 テンプレート化の手順(既存レポートから作成)
- 4.3 配布・更新の運用ルール
- 4.4 テンプレートファイルのインポート手順
- 4.5 テーマファイルとテンプレートファイルの使い分け
- 5. 標準化運用を維持するコツ
- 6. まとめ:統一感がPower BIの信頼性を高める
Power BIで複数人がレポートを作成すると、デザインや指標の表現がばらつき、理解や意思決定に時間がかかることがあります。
本記事では、テーマ設定やテンプレート化を活用して、レポートのデザイン・指標・運用ルールを統一し、効率的で信頼性の高いレポート管理を実現する方法をわかりやすく解説します。
なぜPower BIの標準化が必要なのか

社内で複数人がレポートを作成すると、デザインや設定がバラバラになりやすく、ユーザー体験に影響します。
統一されていないレポートは、数値の理解や比較に時間がかかり、意思決定のスピードを低下させます。
ここでは、標準化が必要な理由を3つの観点で整理します。
レポートの属人化が引き起こす問題
担当者ごとに作り方やデータの扱い方が異なると、同じ指標でも解釈が分かれてしまいます。
結果として、レビューや修正に余計な手間がかかり、情報の信頼性も低下します。
また、退職・異動によってノウハウが失われるリスクも大きく、レポート運用が一時的にストップするケースも珍しくありません。
デザインのばらつきが与える印象の影響
色やフォント、レイアウトが統一されていないと、ユーザーはレポートごとに見方を覚え直す必要があります。
統一されたデザインは視認性を高め、情報の理解をスムーズにします。
特に経営層向けレポートでは、「見やすさ」「統一感」はデータへの信頼そのものに直結します。
管理ルールを設けることで得られる効果
標準化ルールを設けることで、属人化を防ぎ、開発効率を向上させられます。
さらに、共通ルールに基づいたレポートは社内での信頼性が高くなり、データ活用の浸透につながります。
標準化の基本方針を決める

Power BIの標準化では、まず「何をそろえるべきか」を明確にすることが重要です。
デザイン・KPIや指標名の命名・プロセスのルール化の3つの軸を整理すると、開発者は迷わずレポートを作成でき品質の安定化につながります。
レイアウト・配色・フォントを統一する
レポートの見やすさは、レイアウト・配色・フォントで決まります。
配色はKPIやステータスの意味を固定し、どのレポートでも統一された解釈ができる状態を目指します。
統一デザインを運用に組み込むと、ユーザーが迷わずにデータを理解できるようになります。
最低限そろえるべき要素は「タイトル位置」「背景色」「カードの配置」「KPI色」の4点。これだけでも統一感が大きく向上します。
KPIや指標名の命名ルールを整理する
指標名が担当者ごとに異なると、比較や集計が難しくなります。
「売上金額」を「Sales」「Revenue」と複数表現するのは避け、命名ルールを整理して全レポートで統一します。
-
ルール例:
- 英語・日本語どちらで統一するか
- 単位や桁数の表記
- KPI名に日付や期間を明示
作成・更新・レビューの責任分担を明確にする
作業の責任範囲が曖昧だと、更新漏れや誤公開の原因になります。
作成・更新・レビューの担当を明確化し、プロセスをルール化することで属人化リスクを抑えられます。
テーマ設定でデザインを統一する

テーマ設定を活用すると、配色やフォント、背景などを一括管理できます。
共通テーマを適用することで、複数人が作成してもデザインの統一が保たれ、開発効率も向上します。
テーマファイルとは?
テーマファイルは Power BIのデザイン設定をまとめたファイル(JSON形式) です。
配色、フォント、背景色、表やグラフのアクセントカラーなど、レポートの「見た目」に関わる要素を一括で管理・適用できます。
テーマファイルには、ページ構成やビジュアル配置、DAX計算式などは含まれず、あくまで デザインルールのみを定義する 点が特徴です。
テーマファイルでできることは、「レポートの見た目(デザイン)を統一する」ことです。
テンプレートファイルが「レポートの型(構造)を再利用する」仕組みであるのに対し、テーマファイルは色・フォント・雰囲気といった“見た目の統一”を担う仕組みといえます。
JSONテーマファイルの基本構造
Power BIのテーマはJSON形式で管理されます。
基本構造は以下の通りです。
- name:テーマ名
- dataColors:グラフやカードの主要色
- background / foreground:背景色・文字色
- tableAccent:表・マトリクスのアクセント色
色・フォント・背景などを一括管理する方法
作成したJSONテーマは、[表示]→[テーマ]→[テーマを参照]で読み込むと全レポートに適用できます。
管理ポイント:
- 主要色:KPIや比較対象に意味付け
- フォント:タイトル・本文・ラベルで統一
- 背景・文字色:視認性の確保
- 表のアクセント色:重要データの強調
特に「表の見た目」を揃えると、ユーザーの読み取り負荷が大きく下がり、現場からの問い合わせ減少にもつながります。
共通テーマを全レポートで適用する手順
操作手順
- メモ帳に基本構造を記載 →[ファイル]→[名前を付けて保存]
- [名前を付けて保存]したメモ帳のファイル名を直接「●●.json」に変更
- Power BI Desktopを開く→[表示]→[ⅴ]を選択
- [テーマを参照]を選択
- 自身で作成した「●●.json」ファイルを選択→[開く]
- ファイルが正常に追加されました→[了解しました]で読み込み完了
- 既存レポートにも適用してデザインを更新
- 共有フォルダやGitでバージョン管理






この手順で、複数人でも統一感のあるレポートを維持できます。
テンプレート化で効率的な開発を実現

テンプレート化を活用すると、標準テーマや基本レイアウトを引き継ぎ、新規レポート作成の工数を削減できます。
また、組織全体で同じ品質を担保できるため、管理ルールの徹底にも役立ちます。
PBITファイルとは?
.PBITファイルはPower BIのテンプレートファイルです。
テーマだけでなく、ページ構成、ビジュアル配置、DAX計算式などを含められます。一方で、実データは含まれないため、利用時に接続先を指定します。
テンプレートファイルでできることは、「レポートの型(構造)をそのまま再利用する」ことです。
テーマファイルが“見た目の統一”であるのに対し、テンプレートは設計そのものを標準化する仕組みです。
メリット:
- 標準化されたデザイン・設定を適用可能
- 作成工数を削減
- 複数メンバーで共有可能
テンプレート化の手順(既存レポートから作成)
- 既存レポートを開く
- 不要データを整理
- テーマ・レイアウトを確認・調整する
- 3.の設定が完了したら[適用]
- [名前を付けて保存]→[Power BI テンプレート(.PBIT)]

● データセット・不要ページ・不要ビジュアルを削除
● [表示]→[ⅴ]→[現在のテーマのカスタマイズ]で色・フォント・背景を統一



テンプレートを1つ作るだけで、後続のレポート作成時間を30〜50%削減できるケースもあります。
配布・更新の運用ルール
- 共有フォルダやクラウドで配布
- バージョン管理で履歴を明確化
- 改訂時はチームに通知して最新版を使用
テンプレートファイルのインポート手順
作成済みの.PBITファイルは、以下の手順で利用できます。
- Power BI Desktopを起動
- [ファイル]→[開く]→[このデバイスを参照する]
- .PBITファイルを選択
- データ接続情報を入力
- レポートが自動生成される



※パラメーターをテンプレートに定義していない と、テンプレートを開いても接続情報入力(パラメーター入力)画面は出ません。

これにより、誰でも同じ構成のレポートを短時間で作成できます。
テーマファイルとテンプレートファイルの使い分け
両者の違いは以下の通りです。
- テーマファイル:色・フォントなど見た目の統一
- テンプレートファイル:構造・設計・計算式の再利用
デザインだけそろえたい場合はテーマ、開発効率まで高めたい場合はテンプレートの併用が効果的です。
標準化運用を維持するコツ

運用を持続するには、チェックリスト活用・テーマ改訂ルール・管理台帳で情報共有の3点を組み込むことが効果的です。
- チェックリスト例
- テーマ改訂:バージョン管理・変更通知・適用タイミングを明確化
- 管理台帳・ナレッジ共有:レポート一覧化、手順書・FAQ整備、定期更新

標準化の浸透には、担当者間での軽い振り返りやミニレビューを定期的に行うことも役立ちます。
小さな見直しの積み重ねによって、レポートの品質は継続的に改善され、
チーム内で自然と統一ルールが共有されていきます。
これにより、チーム全体で標準化を維持し、属人化を防ぎつつ効率的な開発環境を実現できます。
まとめ:統一感がPower BIの信頼性を高める

テーマ設定・テンプレート化・運用ルールを組み合わせることで、デザインと指標が統一された高品質なレポートを作成できます。
チェックリストや管理台帳の活用で運用を持続し、属人化リスクを抑えられます。
ポイントまとめ:
- JSONテーマでデザイン統一
- .PBITテンプレートで効率的な開発
- チェックリスト・管理台帳で運用維持
- 周知・バージョン管理で統一感確保
標準化を徹底すれば、Power BIは信頼性の高い情報源となり、意思決定の精度とスピードを向上させられます。
標準化は「手間が増える」取り組みではなく、開発スピード向上とミス削減を実現する投資です。
統一感のあるレポート運用は、まさにデータガバナンス強化の第一歩です。
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