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Power BIのPPCライセンスとは 種類や特徴を分かりやすく解説

#Power BI #PPCライセンス

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Power BIには、ProやPremiumなど複数のライセンス形態があり、さらにPremiumの中でも「PPC(Premium Per Capacity)」や「PPU(Premium Per User)」といった種類が存在します。
選択肢が多く、それぞれの特徴や向き不向きを理解するのは簡単ではありません。

この記事では、特に混同されやすいPPCとPPUを中心に、Power BIの主要なライセンス体系を整理し、選び方のポイントを解説します。
導入を検討している方や、最適なライセンスを提案したい方はぜひ参考にしてください。

Power BIのライセンスの種類


まずはPower BIのライセンス体系を整理しておきましょう。

Power BI 無料版

Power BIには、Microsoftアカウントがあれば誰でも利用できる無料ライセンスがあります。

Power BIサービス自体は無料版でも利用可能ですが、
主に個人利用や小規模な利用に向いており、共有や共同編集の方法に制限があります。
無料版でも、データのインポート、レポートやダッシュボードの作成・閲覧など、基本的なデータ分析機能は利用できます。ただし、他ユーザとのオンライン共有はできず、レポート共有を行う場合は、作成したPBIXファイルを直接渡し、相手の環境で開いてもらう必要があります。そのため、業務で複数メンバーが同時にレポートを閲覧・編集するようなケースでは、上位ライセンス(ProやPPUなど)の利用が一般的です。

Power BI Pro

Power BI Proはユーザー単位で契約する有料ライセンスです。
無料版の機能に加え、Power BIサービス上での共有・共同編集が可能になります。Proライセンスを持つユーザー同士であれば、レポートやダッシュボードをオンラインで共有し、同じワークスペースで編集作業を行えます。

組織内での本格的な共同利用や、複数メンバーでのレポート運用を行う場合は、Proが事実上の標準ライセンスとなります。
参考:Power BI Proの最新価格は公式サイトをご確認ください。
Microsoft Power BI Pro 価格ページ

Power BI PPU (Premium Per User)

PPUはProと同様にユーザー単位で契約する有料ライセンスです。
Proのすべての機能に加え、以下のPremium機能を個人単位で利用できます。

  • 大規模データセット(最大400GB)のサポート
  • 高度なAI分析機能
  • ページネーションレポート(印刷やPDF配布に適した形式)
  • 自動レポート配信機能

データ分析業務が中心のアナリストや、開発チームなど、高度な分析や大容量データ処理を必要とする個人ユーザーに向いています。
参考:Power BI Premium Per Userの最新価格は公式サイトをご確認ください。
Microsoft Power BI Premium 価格ページ

Power BI PPC (Premium Per Capacity)

PPCはユーザーではなく組織全体で使うリソース容量を契約するライセンス形態です。契約したキャパシティを組織全員で共有して利用します。
PPCでは、専用のリソースが確保されるため、大人数が同時にアクセスしてもパフォーマンスが落ちにくく、大規模組織での運用に適しています。

また、PPC容量に保存したコンテンツは無料版ユーザーでも閲覧可能となり、Proライセンスを持たない社員や外部パートナーにもレポートを配信できます。なお、現在PPCはMicrosoft Fabricの一部として統合されています。
参考:Power BI Premium Per Capacityの最新価格は公式サイトをご確認ください。Microsoft Fabric 容量プランと価格

Power BI Embedded

Power BI Embeddedは、開発者が自社アプリケーションにPower BIの分析機能を組み込むためのライセンスです。
Azureサブスクリプションを通じて提供され、利用時間に応じた従量課金制となります。

PPCと同様に容量ベースのライセンスですが、対象はアプリケーション開発者やSaaS提供企業です。レポートをアプリに埋め込む際は、作成・設定にPower BI ProまたはPPUライセンスが必要になります。

Power BI PPCライセンスの特徴


では、今回のメインテーマである、Power BI PPCライセンスについてもっと詳しく解説していきます。

主な特徴

仕組みとしては、前述のとおり「容量ベースで契約し、組織全体で利用できる」モデルですが、実際の運用にあたっては以下のような利点があります。

  • 大規模利用でも快適:専用リソースを使えるため、多数のユーザーが同時利用しても処理が安定します。
  • 閲覧ユーザーのコスト削減:閲覧のみの社員や外部パートナーにはProライセンスが不要。
  • 作成・編集にはPro/PPUが必要:配信対象は広げられるが、制作者側は従来どおり有料ライセンスが必要。

料金体系

Power BI PPCは、契約する容量(SKU)によって料金が異なります。
SKUごとにメモリ量や仮想コア数などが設定されており、選択するSKUによって処理能力や同時利用数が変わります。

組織の規模や利用頻度に合わせて選択することが重要です。
参考:Power BI Premium Per Capacityの最新価格とSKU一覧は公式サイトをご確認ください。
Microsoft Fabric 容量プランと価格

Power BI PPCのメリット

  • 大規模組織でのコスト効率が高い
  • 容量を組織全体で共有できるため、利用者数が多い場合でもライセンスコストを抑えられます。
    個別ライセンス割り当てが不要なため、閲覧専用ユーザーが多い企業に適しています。

  • 無料版ユーザーへの配信が可能
  • PPCでは、ProやPPUを持たないユーザーにもレポートを配信できます。
    社外パートナーや顧客へのデータ共有も容易です。

  • 大容量データ処理に対応
  • 最大400GBのデータセットサイズと、100TB以上のストレージ容量をサポート。
    複雑なモデルや膨大なデータを扱うプロジェクトでもパフォーマンスを維持できます。

Power BI PPUライセンスとの違いは?

PPC(Premium Per Capacity)とPPU(Premium Per User)は名前が似ていますが、
課金体系と共有範囲が大きく異なります。
それぞれの特徴を表にまとめると以下のとおりです。

ポイント

  • PPCは容量課金なので、ユーザー数が多いほどコスト効率が高まります。
  • PPUはユーザー課金で、少人数チームでPremium機能を使いたい場合に有効です。
  • 無料版ユーザーや外部パートナーへの配信が必要なら、PPCが有利です。

Power BI PPCライセンスを導入するべきか?

PPCライセンスは、「多数のユーザーに安定したパフォーマンスでレポートを配信する」という用途に特化したモデルです。特に、無料版ユーザーや外部パートナーを含めた広範な共有が必要な場合や、大容量データを扱う場合に力を発揮します。

一方で、少人数のチームがPremium機能を使うだけならPPUの方がコスト効率が良いこともあります。そのため、導入前には以下の条件にどれだけ当てはまるかを確認すると判断しやすくなります。

Power BI PPCとその他ライセンスの比較まとめ

Power BIの主要ライセンスを、特徴や向いているケース別に整理すると以下のようになります。

Power BIのライセンス選択は、利用人数・共有範囲・データ規模によって最適解が変わります。

  • 大規模展開・無料ユーザー共有・大容量データ → PPCが有力候補
  • 少人数でPremium機能利用 → PPU
  • 通常のチーム共有 → Pro

ライセンス選択を誤ると、不要なコストが発生したり、逆に必要な機能が不足することもあります。
まずは利用シナリオを整理し、Microsoft公式の価格ページで最新の料金と機能を確認したうえで導入を検討することが重要です。

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