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Interaction Studioとは リアルタイム分析や行動ベース配信を分かりやすく解説

#Marketing Cloud #Interaction Studio #リアルタイム分析 #行動ベース配信

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「どのページを見ているか」「何をカートに入れたか」。こうした行動を“その瞬間”に捉え、ポップアップやメールで即座にアプローチできたら――。かつては理想論だったリアルタイムのパーソナライズ施策が、今では現実の選択肢となっています。

本記事では、Salesforceが提供する「Marketing Cloud Personalization(旧Interaction Studio)」の機能や仕組みを、EC業界の具体的な事例とともにわかりやすく解説します。オンサイト行動に基づいたマーケティング施策を検討中の方に向けて、「自社ならどう活用できるか」のヒントをお届けします。

リアルタイム接客を変える3つのInteraction Studio活用シーン


SalesforceのMarketing Cloud Personalization(旧称Interaction Studio)は、ただのデータ分析ツールではありません。ユーザーがサイト上で起こす一つひとつの行動に、リアルタイムで反応し、適切なタイミングでアクションを起こす――。そんな“動的な接客”を可能にするのがこのツールの強みです。

ここでは、EC事業者が現場でよく直面する3つの典型的な状況をもとに、Interaction Studioをどう活用できるのかを具体的に紹介します。

閲覧履歴に応じたポップアップでの再来訪促進

ユーザーが複数回、同じカテゴリーページを訪れているものの、なかなか購入には至らない――そんな行動パターン、心当たりはありませんか?従来であれば「また来てくれたな」と思うだけで終わっていたこうした行動も、Interaction Studioを使えば即時にアクションに変えられます。

たとえば、「お気に入りのカテゴリをご覧いただきありがとうございます。今だけ10%OFF!」という内容のポップアップを、その場で自動表示。しかも、誰にどの内容を表示するかは、ユーザーの閲覧履歴や来訪頻度に応じて柔軟に出し分け可能です。

このように、関心の高いユーザーに限定してメッセージを届けることで、無駄なキャンペーン配信を避けながら、再来訪やCVの最大化を狙えます。

カート放棄者へのリアルタイムメール通知

カートに商品を入れたのに、決済に進まず離脱してしまう――ECではよくある「惜しい」瞬間です。Interaction Studioを使えば、こうした離脱行動を即時に検知し、数分以内にリマインドメールを配信することが可能です。

さらに優れているのは、そのメール内容がユーザーの過去の閲覧履歴や購入傾向に基づいてパーソナライズされる点。単なるリマインドではなく、「あなたにおすすめしたい理由」が伝わる設計となっているため、開封率や再訪率の向上にも貢献します。

このような“離脱直後のアプローチ”は、Salesforce Marketing CloudのJourney Builderと連携することで、より高度なシナリオにも拡張可能です。

商品詳細ページ滞在中のレコメンド表示

ユーザーが商品詳細ページに長く滞在している――それは、購入を真剣に検討しているサインです。Interaction Studioでは、こうした「今まさに悩んでいる」タイミングに合わせて、ページ内にレコメンド情報を挿入することができます。

たとえば、「一緒に買われている商品」や「この商品を見た人が検討している別商品」など、文脈に即した提案をリアルタイムで自動表示。このレコメンドも、ユーザーの属性・関心・行動履歴に基づいて出し分けが可能なため、表面的な関連商品とは一線を画します。

こうした“タイミングを逃さない提案”こそ、リアルタイム・パーソナライズの真骨頂です。

導入企業は何を期待し、どう使っているのか


Interaction Studio(現:Marketing Cloud Personalization)は、業種を問わず多くの企業に導入されています。
特にEC業界では、「行動に即したタイミングで何かを届けたい」というニーズが顕在化しており、リアルタイムでのパーソナライズを求める動きが加速しています。

ここでは、異なるビジネスモデルを持つ3社の活用事例を通じて、どのような課題に直面し、どう解決していったのかを具体的に見ていきましょう。

アパレルEC企業のCV率改善事例

ある大手アパレル系ECサイトでは、流入数は安定しているのに、コンバージョン率(CVR)が思うように伸びないという悩みを抱えていました。ヒートマップ分析などを活用してユーザー行動を深掘りした結果、商品ページの閲覧回数は多いものの、最後のひと押しが不足しているというインサイトが得られました。

そこで導入されたのが、Salesforce Marketing Cloud Personalization。閲覧傾向に応じて「残り在庫がわずか」「今週の人気アイテムTOP3」などの訴求をポップアップで出し分けたほか、ユーザー属性に合わせたトップページのダイナミック表示も実施。

結果として、CVRは約1.4倍に改善。さらに、直帰率の低下と平均滞在時間の増加も確認され、ユーザーエンゲージメント全体の底上げにつながりました。

定期購入系ECにおけるLTV向上施策

健康食品やサプリメントを扱うサブスクリプション型ECでは、「初回購入の壁は越えるが、継続が続かない」というLTV(顧客生涯価値)に関する課題がありました。

Interaction Studioでは、初回購入後の行動をもとに「リピート傾向の高い顧客」と「離脱リスクが高い顧客」をセグメント分け。それぞれに対し、継続キャンペーン、FAQコンテンツ、利用シーンの紹介動画などを動的に出し分ける施策を実施しました。

結果、継続率は15%以上アップし、定期購入者の平均LTVも大幅に改善。
割引ではなく、価値訴求とタイミングの精度で成果を出した好例と言えるでしょう。

BtoB商材でのナーチャリング活用

Interaction StudioはBtoC領域だけでなく、BtoB企業でも効果を発揮しています。あるSaaSベンダーでは、資料請求やセミナー申込に至らない“未確定層”へのアプローチに課題を感じていました。

導入後は、サイト上で閲覧したページや滞在時間に応じて、「業界別導入事例」「機能比較資料」などのコンテンツを動的に出し分け。さらに、MAツールと連携し、閲覧内容に合わせたパーソナライズメールを自動で配信することで、ホットリードへの昇格率が上昇しました。

結果、資料請求件数は約1.7倍、営業部門へのトスアップ数も30%増という成果に。リアルタイムの行動データを元にしたシナリオ設計が、BtoBにおけるナーチャリングにも大きな武器となった事例です。

失敗しないために押さえておきたい導入3ステップ


Interaction Studio(Marketing Cloud Personalization)は、Salesforceが提供する強力なリアルタイムパーソナライズツールです。
とはいえ、その多機能さゆえに、なんとなく導入しただけでは成果が出にくいのも事実。
導入で失敗しないためには、準備段階から意識すべきステップがあります。

ここでは、導入時に特に重要な3つの工程を整理し、それぞれに必要な考慮ポイントを具体的に紹介します。

ユーザー行動の「収集」と「可視化」準備

Interaction Studioは、サイト上のユーザー行動――閲覧、クリック、カート追加、スクロール深度など――をリアルタイムで記録・分析することが可能です。ただし、これらのデータを正しく活用するには、「どの行動をトラッキングするか」「どのイベントを重要視するか」といった定義づけが欠かせません。

導入前には、Google Analytics 4(GA4)やCRM、ECプラットフォームとの連携設計を行い、「どのデータをどう流し込むか」「どの視点で可視化するか」を明確にしておきましょう。

ここを曖昧にしたままだと、ツールの導入後に「結局なにが見えるようになったのか分からない」といった事態に陥りがちです。

シナリオとセグメントの設計例

Interaction Studioの強みは、ユーザーの行動や属性に基づいて細かくセグメントを切り、それぞれに合わせたアクションを設計できる点です。しかし、機能が多すぎて「結局なにから始めたらいいか分からない」という声もよく聞かれます。

最初の一歩としては、「カート放棄後◯分以内にメールを送る」「商品ページ3回閲覧ユーザーにレコメンドを表示する」など、シンプルかつ成果につながりやすいシナリオから始めるのがおすすめです。複雑な条件設定は、効果検証の結果を見ながら段階的に精緻化していくほうが、運用の現実性も高まります。

また、SalesforceのMarketing Cloud内で他のプロダクト(Journey BuilderやEmail Studioなど)と連携することで、シナリオの自動化・拡張性をさらに高めることも可能です。

配信タイミングとチャネル設計の注意点

Interaction Studioでは、Web、メール、モバイルアプリ、LINEなど複数のチャネルをまたいでメッセージを配信できます。しかし、成功するかどうかは、「どのチャネルで、どのタイミングで届けるか」に大きく左右されます。

たとえば、ユーザーが商品比較をしているタイミングに合わせてWeb上で訴求するのか、それとも離脱後にメールで再アプローチするのか。チャネル選定と配信タイミングの精度が、ユーザー体験と成果の両方に直結します。

また、すべてをリアルタイムにすればいいわけではなく、情報過多にならないよう設計することも重要です。“静かに、でも確実に届くタイミング”を見極める設計力が、Interaction Studioの価値を最大限に引き出すカギとなります。

まとめ

Interaction Studio(Marketing Cloud Personalization)は、ユーザーのオンサイト行動をリアルタイムで捉え、その瞬間に最適な情報を届ける“接客力”を持つツールです。EC業界においては、カート放棄や商品ページ滞在など、購入直前の微細なサインを逃さず施策に変えることが、CV率やLTVの大きな分かれ道になります。

本記事では、閲覧履歴ベースのポップアップ配信、離脱直後のメール通知、ページ内レコメンドの出し分けといった具体的なユースケースに加え、実際の導入企業がどのような課題を抱え、どう活用しているかをご紹介しました。さらに、導入設計のステップを押さえることで、“高機能だけど扱いにくいツール”という先入観も払拭できたのではないでしょうか。

Interaction Studioは、単なるWeb解析やレコメンド配信にとどまらず、Salesforce Marketing Cloud全体と連携することで、より一貫した顧客体験設計が可能になります。
まずは小さな施策からでも、自社のユーザー行動にリアルタイムで応じる仕組みを構築し、「今この瞬間の最適な接客」ができる土台を築いてみてはいかがでしょうか。

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