CloudPagesの活用設計とは LP制作やフォーム連携の実装ポイントを分かりやすく解説
#Marketing Cloud #設計 #CloudPages
目次
- 1. CloudPagesとは?できること・できないことを整理
- 1.1 Marketing CloudにおけるCloudPagesの役割
- 1.2 外部CMSとの使い分けポイント
- 1.3 実装前に押さえるべき設計視点
- 2. CloudPagesでのLP制作手順と設定のコツ
- 2.1 テンプレートを使った基本的なページ公開
- 2.2 AMPscriptによる動的なコンテンツ表示
- 2.3 画像配置やCTA最適化の実装ポイント
- 3. CloudPagesフォーム実装とデータ活用方法
- 3.1 Smart Captureを使ったデータ拡張子連携
- 3.2 AMPscript・SSJSによるカスタムフォーム処理
- 3.3 Journey Builder連携による自動化フロー
- 4. CloudPages実装で注意すべきセキュリティ設定
- 4.1 reCAPTCHA・CSRF対策の基本
- 4.2 SSL・ドメイン設定と社内セキュリティ準拠
- 4.3 同意管理とプライバシー対応の実装ポイント
- 5. CloudPages活用後の効果測定と改善施策
- 5.1 トラッキング設定と成果の可視化
- 5.2 ABテストによるLP改善の進め方
- 5.3 他チャネル施策とのデータ統合
- 6. まとめ
CloudPagesは、Marketing Cloud上でLPやフォームをスピーディに構築できる強力な機能です。とはいえ、初めて触れると設定項目が多く「どこから始めればいいのか」と迷う方も少なくありません。
本記事では、CloudPagesの基本から実装の手順、運用時の注意点まで体系的に整理し、安心して活用できる設計のポイントを解説します。
CloudPagesとは?できること・できないことを整理

CloudPagesは、Marketing Cloud上でLPやフォームをスピーディに構築できる仕組みです。メール施策やキャンペーンとの連携性が高く、データを一元管理できる点が特徴です。
Marketing CloudにおけるCloudPagesの役割
Marketing CloudのCloudPagesは、LP制作のための“専用CMS”というより、データを動かすためのアプリケーションレイヤーに近い存在です。Smart Captureを使えば、フォーム経由の情報をデータ拡張子に直接保存できます。これにより、登録からメール配信までの自動化を一貫して設計できます。
一方で、複雑なUIやデザイン制御には限界があります。社内デザイナーが作り込むタイプのLPよりも、施策スピードを優先したページに向いています。
外部CMSとの使い分けポイント
CloudPagesは、WordPressやHubSpotなどの外部CMSと異なり、Marketing Cloudの中でデータ連携が完結する点が強みです。フォーム入力からトリガーメール、スコアリングまでを同一基盤で扱えるため、データ整合性を保ちやすいです。
ただし、SEOやオウンドメディア向けの公開機能は限定的です。そのため、短期キャンペーンLPや会員専用フォームなど、閉じた目的のページに適しています。
実装前に押さえるべき設計視点
CloudPagesを活用する前に、「誰が更新するか」「どのデータを扱うか」を明確にしておくことが、後の運用効率を左右します。開発者だけでなく、マーケティング担当者が運用に関わるケースも多いため、AMPscriptやHTMLの編集権限、公開ドメインの管理体制を整理しておきましょう。
また、フォーム投稿先のデータ拡張子は用途別に分けて設計しないと、後から運用が複雑化します。実装前に構造を定義しておくことが、長期的な運用安定につながります。
CloudPagesでのLP制作手順と設定のコツ

この章では、CloudPagesでのLP制作手順と設定のコツを解説します。テンプレート活用からAMPscriptによる動的表示まで、実践的な実装手順を順を追って整理します。
ただし、設定を誤るとデザイン崩れやトラッキング漏れにつながることもあるため、正しい手順を押さえておくことが成果につながります。
テンプレートを使った基本的なページ公開
CloudPagesでは、標準テンプレートを選んでページを作成するのがもっとも手軽です。レイアウトやフォントがあらかじめ整っているため、テキストや画像を差し替えるだけで基本的なLPが完成します。
作成したページは「CloudPages URL」から即時に公開できますが、公開範囲の設定には注意が必要です。社内テスト環境を残したい場合は、URLトークンの有効期限を設定しておくと安全です。
AMPscriptによる動的なコンテンツ表示
AMPscriptを使うと、メールで受け取ったユーザー情報をもとに、LP上の内容を動的に変化させられます。たとえば、「初回登録者には特典を表示」「既存顧客には別のCTAを出す」といったパーソナライズが可能です。
この仕組みにより、同じLPでもユーザー属性ごとに最適化でき、成果率の高いキャンペーン設計につながります。ただし、AMPscriptの条件分岐は複雑になりやすいため、コメントを残して管理することが大切です。
画像配置やCTA最適化の実装ポイント
CloudPagesでは、画像サイズが大きすぎると読み込み速度が落ち、離脱率に直結します。理想は1枚あたり200KB以下、全体で1MB未満を目安に圧縮しましょう。
CTAボタンは、AMPscriptでパラメータを埋め込み、クリック情報をデータ拡張子へ送る設計にしておくと効果測定がしやすくなります。トラッキング設計を事前に組み込んでおくことで、運用後の分析効率が大きく変わる点も覚えておきましょう。
CloudPagesフォーム実装とデータ活用方法
フォーム機能はCloudPagesの中核です。入力された情報をMarketing Cloud上のデータ拡張子に保存し、後続のメール配信やJourney連携に活用できます。正しく設計すれば、データの精度と運用効率の両方を高められます。
Smart Captureを使ったデータ拡張子連携
最も基本的な方法は「Smart Captureブロック」を使う実装です。ドラッグ&ドロップでフォームを作成し、保存先のデータ拡張子を指定するだけで設定が完了します。開発知識がなくても扱いやすく、キャンペーンLPに最適です。
ただし、Smart Captureは入力項目のカスタマイズ性が限られます。バリデーションやレイアウトを細かく調整したい場合は、次のカスタム実装を検討しましょう。
AMPscript・SSJSによるカスタムフォーム処理
より柔軟な制御が必要な場合は、AMPscriptやServer-Side JavaScript(SSJS)を利用します。送信内容を変数として受け取り、条件に応じてデータ拡張子へ書き込む仕組みです。
たとえば「特定のドメインのみ登録を許可する」「入力内容を別ページにリダイレクトする」といった制御も可能です。
この手法では、エラーハンドリングを忘れず実装することがポイントです。想定外の入力があった場合にログを残す設計をしておくと、運用トラブルを防ぎやすくなります。
Journey Builder連携による自動化フロー
フォーム入力後にメール送信やスコアリングを自動で行うには、Journey Builderとの連携が効果的です。フォーム送信をトリガーにして、ウェルカムメール送付や属性更新を自動化できます。
このフローを構築しておくことで、施策のスピードと精度を同時に高められます。特にリード獲得施策では、**「登録から配信までの時間を短縮」**できることが成果に直結します。
CloudPages実装で注意すべきセキュリティ設定

CloudPagesは外部に公開されるため、設定を誤ると情報漏えいにつながるおそれがあります。ここでは、安全に運用するためのセキュリティ設定と実装時の注意点をまとめます。
reCAPTCHA・CSRF対策の基本
フォームを設置する際は、まず reCAPTCHA を導入してボット投稿を防ぐのが基本です。AMPscriptやSSJSを使えば、送信処理の直前にトークンを検証することができます。
また、CSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ)対策も重要です。送信時にトークンを付与し、サーバー側で一致を確認することで不正なリクエストを防止します。これらの処理はやや技術的ですが、運用上の事故を防ぐためには欠かせません。
SSL・ドメイン設定と社内セキュリティ準拠
CloudPagesのURLは「mcusercontent.com」などのSalesforce提供ドメインを利用するのが一般的ですが、独自ドメイン+SSL対応を設定することで信頼性が高まります。特に個人情報を扱うフォームでは、常時SSL化が必須です。
また、企業によっては「外部サーバーへのフォーム送信」を制限している場合もあります。社内セキュリティガイドラインを確認し、ドメイン設定と公開範囲を明確にしておくと安心です。
同意管理とプライバシー対応の実装ポイント
フォームを通じて個人情報を収集する場合は、同意管理の設計が欠かせません。チェックボックスで同意を取得し、その状態をデータ拡張子に保存するようにしましょう。
また、プライバシーポリシーへのリンクをフォーム内に明示し、情報利用の目的をわかりやすく伝えることも大切です。これらの対応は法令遵守のためだけでなく、ユーザーの信頼を得るための要素でもあります。
CloudPages活用後の効果測定と改善施策

CloudPagesの運用は、公開して終わりではありません。トラッキング設定やABテストなど、効果測定を通じて成果を磨いていくことが重要です。
デザインや実装を工夫しても、改善サイクルがなければ成果は持続しません。分析から改善までの実践ステップを順に見ていきましょう。
トラッキング設定と成果の可視化
CloudPagesでは、各ページやボタンにトラッキングパラメータを付与して、クリック率やフォーム送信数を計測できます。AMPscriptを使ってURLにユニークIDを付けることで、個別ユーザーの反応も追跡可能です。
また、Marketing Cloudの「Tracking」機能やGoogle Analyticsと連携すれば、LP経由でのコンバージョン数を正確に可視化できます。これらのデータを基に改善点を明確化することが、次の施策精度を高める第一歩です。
ABテストによるLP改善の進め方
効果を高めるためには、LPのコピーやビジュアルを変えてABテストを行うのが有効です。CloudPagesでは複数バージョンのページを同時に公開し、アクセスを分散させることで検証が可能です。
結果を見て、クリック率やフォーム送信率が高い要素を特定すれば、最も成果を出す構成を再利用できます。特にBtoCキャンペーンでは、訴求文やCTAボタンの色変更だけでも成果が変わるケースがあります。
他チャネル施策とのデータ統合
CloudPages単体での成果だけを見ても、全体最適は図れません。メール配信・LINE通知・広告流入など、他チャネルと合わせて効果を分析することが大切です。
Marketing Cloudでは、Journey BuilderやData Viewを活用して各チャネルのデータを統合できます。これにより、「LPからの登録後にどのシナリオが最も成果を上げたか」を把握しやすくなります。運用チーム内でデータを共有し、チャンネル横断で改善を回す仕組みを整えると理想的です。
まとめ
CloudPagesは、Marketing Cloudの中でランディングページやフォームを一元的に管理できる強力な機能です。適切な設計を行えば、データ収集からメール配信、効果測定までをスムーズに自動化できます。
本記事では、実装前の設計ポイントからLP制作、フォーム連携、セキュリティ対策、そして効果測定までの流れを整理しました。重要なのは、「スピード」と「安全性」と「データ活用」の3つをバランスよく設計することです。
特に、AMPscriptやJourney Builderとの連携をうまく活かすことで、より精度の高いマーケティング施策を展開できます。小規模なキャンペーンでも、CloudPagesを正しく設計すれば、スピードと安全性を両立した運用が実現します。
CloudPagesの特徴を理解したうえで、自社施策にどのように活かせるかを考えてみてください。きっと新しい施策設計のヒントが見つかるはずです。
<Marketing Cloud>
弊社ではSalesforceをはじめとするさまざまな無料オンラインセミナーを実施しています!
>>セミナー一覧はこちら
弊社はプロセスコンサルティングを行っている会社です。
お気軽にお問い合わせください!
>>お問い合わせはこちら

