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病院マスタの現状とあるべき姿|弊社では医療機関マスタを無料で提供

#マスタデータ #病院マスタ

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どの業界でもそうですが、ビジネスの仕組み創りを考える上で大切となるのが、各データの集まりになるマスタデータとそれを使って行うプロセスです。

医療機器業界は、医療機器・医療材料を商品マスタや、主に病院を管理する取引先情報、薬事関連の情報を管理する薬事マスタ等、他の業界比べて多くのデータを扱います。そのうち、今回は取引先情報、特に10万件を超える病院マスタについて考えます。

病院マスタの現状|病院コードは存在しない!?


私は医療機器の会社に10年程前に転職しましたが、その際に驚いた一つに病院マスタの情報管理に苦労しているところです。素人的に考えると病院は国で管理しているのだから、当然病院コードやその情報は一括して管理されており、それが共有されていると勝手に思っていました。
実際は、そのようなものはなく、病院コードすら統一したものはありません。各メーカー、各販売会社・卸会社が別々のコードで管理しています。

業界の中ではアルトマーク社等が情報を収集し、有料販売をしています。一番、メジャーなのはアルトマーク社で180社以上に販売しておりますが、なかなか料金が高く中堅メーカー以下では手を出せない印象を持っています。
他社は価格的には良いのですが、情報の精度はアルトマークが一番です。

これは、アルトマークが各顧客から情報を収集する仕組みを活用しているためで、大手の医薬メーカーの多くを顧客として抱えているため、他社はなかなか追いつけないところです。

各社が主な情報ソースとしているのは、各地域の厚生局がインターネット上で公開している情報です。
これはpdfとエクセル(何故かpdfのレイアウトイメージ)なのですが、(おそらくは意図的に)データとして使えるリストとしては提供されていないので、マニュアルで読み込むこととなります。悪用のリスクを回避したい気持ちは解りますが、恐ろしく無駄が業界で発生していることを考えるとデータで提供すればよいように思います。 有料でもリストは世の中にある訳ですから、悪用する人は簡単に手に入れます。お役所的というところでしょうか?
保険医療機関・保険薬局の管内指定状況等一覧/東北厚生局

※そんなこともあり、弊社では厚生局データを読み込み無料提供しております。
Frogwell / 病院マスタ提供

各社の現状|病院マスタのメンテナンスは各社で行っている


医療機器業界の各メーカー、販売会社・卸では、マスタをどこかから購入しそれを自社でメンテナンスしています。定期的に購入するところは少なく、何年か前に1回購入してそれを元に自社で情報を入れているところが多いように思います。
実際のところ分析までできている会社は少ないので、情報はバラバラで古く、重複データもたくさん存在しているのですが我慢しているという状況でしょうか?

社内のシステムも、病院マスタを有効利用できる仕組み、例えば基幹システム上でマスタを管理し、そのコードをBI(情報系分析システム、レポートシステム等)やCRM/SFA(顧客情報管理システム)と共有して渡し連携させているような会社は殆どないようです。進んだ会社でも、まさに今、とりかかっているという感じでしょうか。 確かにこの仕組みができれば、社内のバックオフィス(経理・販売管理・購買等)だけでなく、営業担当と情報をやり取りすることができ、効率的です。

また、状況的に良くないのが、会社間のやり取り、特にメーカーと販売会社・卸とのやり取りです。前述のとおり、各社がバラバラの病院コードを持っているため、EDI(インターネットを通した受発注)等を使うためには、各社で読み替えロジックを社内システムで持つことになります。もともと、数万単位の病院コードを、各販売会社・卸毎に読み替える訳ですから、何10万、何100万のレコードとなる訳です。

各メーカーはこの仕組みの構築と、メンテナンスをマニュアルで強いられており、病院名称の変更・統合・廃止が多い最近の状況では、メンテナンスが大変です。
解らないコードがあれば、都度問い合わせて病院名を確認し、データをメンテナンスする必要があります。それを各社が行っている訳ですから、業界的な労力の無駄は莫大です。

病院マスタのあるべき姿とは


一番、理想となる姿は、業界共有マスタではないでしょうか?
業界全体で同じ情報を利用可能なわけですから、診療科や病院機能も含めて一つのマスタをクラウド上(インターネット上)で管理し、各メーカーや販売会社・卸はそれにアクセスして利用する。

メンテナンスは、インターネットで自動的に収集してくる情報と、各社が個別に調べている情報が自動的にアップデートされる形が美しいです。 この仕組みがもう一つ進むと、クラウドに接続された各社のシステムが、取引関係も全てクラウド上で行うことができ、業界のビジネスを2,3つ高いレベルに引き上げるものです。
実社会のビジネス(営業、流通等)とは別の次元で、ビジネスプラットフォームがあることになります。

なかなか、業界共通マスタとはいかないでしょうが、将来は必ずこの方向に進むと確信しています。
どうせこの方向に進むなら、どこよりも早く進み他国、他業界より一歩先を進みたいものです。

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