Marketing Cloud on Coreとは GrowthとAdvancedの違いを分かりやすく解説
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目次
- 1. Marketing Cloud on Coreとは何かを理解する2つの視点
- 1.1 Marketing Cloud on Coreの全体像と位置付け
- 1.2 従来版(Engagementなど)との主な違い
- 2. GrowthとAdvanced、それぞれの特徴と強みを比較する
- 2.1 Growth Editionの主な機能と想定ユースケース
- 2.2 Advanced Editionの強化機能とAI活用の広がり
- 2.3 共通機能とプラン選定における注意点
- 3. 自社に合うエディションを見極める3つの判断軸
- 3.1 業務規模・施策の複雑度から見る適合性
- 3.2 データ活用やAIの必要度をどう見極めるか
- 3.3 将来的な拡張・投資判断の視点
- 4. まとめ
Salesforce Marketing Cloudは、2023年から”on Core”という新しい基盤のもとで提供されています。
この記事では、特に中級者が迷いやすい「Growth Edition」と「Advanced Edition」の違いと選定ポイントを、具体的な機能や活用視点から整理し、どちらが自社にフィットするのかを見極める手助けをします。
Marketing Cloud on Coreとは何かを理解する2つの視点
Salesforce Marketing Cloudは、従来の「Engagement」構成から大きく進化し、統合基盤「on Core」上に再構築されました。
この変化は見た目以上に本質的な違いを生んでおり、中級者であればその背景をしっかり把握しておきたいところです。
Marketing Cloud on Coreの全体像と位置付け
Marketing Cloud on Coreとは、Salesforce本体のCRM基盤「Core Platform」をベースに再設計されたマーケティングソリューションです。従来は外部連携によって実現していたオブジェクト操作やデータ連携が、Core上でネイティブに扱えるようになったことで、部門をまたぐキャンペーンや施策が格段に一体化しやすくなっています。
中級者にとって特に注目すべきは、「Campaignオブジェクト」の扱いです。Sales CloudやService Cloudと共通の構造を持つようになったことで、業務横断的な活用がより現実的になりました。導入のしやすさは増しつつあり、実際にできることは広がっています。その変化を実感している方も少なくないでしょう。
従来版(Engagementなど)との主な違い
最大の違いは、データ構造と操作感です。従来のMarketing Cloud(Engagementなど)は独自のUIとデータモデルで構成されており、Salesforce製品との連携には一定の知識や設計が求められていました。一方、on CoreではCRMとマーケが“同じ文脈”で動作するため、連携性が飛躍的に向上しています。
UI面も大きく刷新され、標準化された操作フローによって、担当者間の引き継ぎや教育がしやすくなりました。こうした変化をどう捉えるかは人それぞれですが、シーンによっては大きな武器にもなり得るはずです。
GrowthとAdvanced、それぞれの特徴と強みを比較する
同じ“on Core”基盤を使っていても、Growth EditionとAdvanced Editionでは実現できることに明確な差があります。
自社の目的に照らして最適なプランを選ぶには、表面的な機能比較だけでなく、それぞれの活用シーンまで含めた理解が欠かせません。
Growth Editionの主な機能と想定ユースケース
Growth Editionは、マーケティング施策の立ち上げや基礎的なセグメント運用を安定して行える構成になっています。例えば、リード育成やメール配信、基本的なスコアリングなど、営業部門との連携が主軸となる企業にはちょうどよい選択肢です。
「キャンペーン管理」や「メールテンプレートの作成」といった日常業務が、よりSalesforceの標準機能に近い形で操作できる点も魅力の一つです。既にSales Cloudを活用している企業であれば、短期間で連携施策を走らせられる柔軟性もあります。
ただし、AIや高度なパーソナライゼーションなど、より深いマーケティング分析を求める企業には少し物足りなさを感じるかもしれません。シンプルで明確な施策を安定運用したい企業に向いていると言えるでしょう。
Advanced Editionの強化機能とAI活用の広がり
Advanced Editionは、Growthに含まれるすべての機能に加え、AIや自動化の機能が大幅に強化されています。特に注目すべきは、Einsteinを活用したキャンペーン最適化や、イベントドリブンなパーソナライズ配信の実現です。
例えば、「今この瞬間にWebサイトを見ている顧客に、最適なメッセージを即時に送る」といった体験を作るには、Advancedの機能群が必要不可欠です。施策の複雑度が増すほどに、この上位エディションの価値は際立ちます。
また、「Path Experiment」など、複数シナリオを同時にテストできる仕組みも備えており、PDCAの高速化にも貢献します。マーケティング戦略を積極的に展開する体制が整っている企業であれば、Advancedが持つ拡張性と柔軟性は大きな力となるでしょう。
共通機能とプラン選定における注意点
どちらのエディションにも共通するのは、SalesforceのCRM基盤と直結したキャンペーン設計や、セグメントの一元管理が可能な点です。基本的な顧客コミュニケーションに必要な機能は、両プランに備わっています。
注意したいのは、「現時点で使いたい機能」だけを基準に選ばないことです。例えば、最初はGrowthで十分と感じても、数ヶ月後に必要となる機能がAdvancedにしかないケースは珍しくありません。機能拡張が後からできるとはいえ、設定や教育に再コストが発生する可能性もあるため、中長期的な成長計画と照らし合わせて判断するのが賢明です。
自社に合うエディションを見極める3つの判断軸
「Growthか、Advancedか」。機能一覧や価格表だけでは、決め手に欠けることも多いはずです。実際の運用に踏み込んで考えることで、自社に本当に合う選択肢が見えてきます。
業務規模・施策の複雑度から見る適合性
まず注目したいのは、日々のマーケティング施策の規模や複雑さです。たとえば、単一製品のリード獲得やメール配信が中心であれば、Growth Editionでも十分に対応できます。一方で、複数ブランドの同時展開や、BtoBとBtoCの異なる施策を並行して行うような企業では、Advanced Editionのほうが無理がありません。
「施策の幅が広い」「チャネルが多い」「複数の部門と調整が必要」といった環境では、Growthでは対応しきれない“詰まり”が将来的に起こる可能性もあります。現状だけでなく、今後想定される業務の広がりにも目を向ける必要があります。
データ活用やAIの必要度をどう見極めるか
次に考えたいのは、どれだけのデータを扱い、どの程度AIの支援が必要なのかという点です。まだナーチャリングの初期段階にある企業や、PDCAサイクルをこれから本格化させたいという段階であれば、Growthの範囲でも十分な成果を出せるでしょう。
一方、すでに顧客データが多様で複雑だったり、セグメントの切り方に悩んでいたりする場合は、Advanced EditionのEinstein機能が大きな助けになります。「データはあるけれど活かしきれていない」と感じているなら、AI機能が本格的に役立つタイミングかもしれません。
将来的な拡張・投資判断の視点
最後に忘れてはならないのが、将来への投資としてどちらを選ぶかという視点です。今後、事業拡大やマーケティング体制の強化を見据えているのであれば、あえて初めからAdvanced Editionを選ぶという判断も十分に現実的です。
もちろん、現時点で全機能を使いこなす必要はありません。ただ、「後からAdvancedに移行する」という選択肢は、初期導入に比べて追加設定や調整コストが発生しやすくなります。数カ月先、あるいは1年後の姿をイメージしながら、少し先回りした投資判断を下すことも、中級者に求められる視点のひとつです。
まとめ
Marketing Cloud on Coreは、単なる新プランの追加ではなく、Salesforceが描くマーケティングの未来像を体現した基盤です。その上で提供されるGrowth EditionとAdvanced Editionは、どちらもSalesforceとの親和性を高めた新世代のマーケツールとして、確かな実用性を備えています。
重要なのは、自社が今どんなマーケティングをしていて、これから何を目指すのかを正しく把握することです。現時点で必要な機能だけを見るのではなく、将来の展開や運用体制まで視野に入れて選ぶことが、後悔のない導入につながります。
GrowthとAdvanced、それぞれの強みは異なりますが、どちらが“正解”という話ではありません。読者の皆さんが、本記事を通じて自社にとって最適な選択肢を見つけられることを願っています。
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