Journey Builderとは 基本機能やメール送信自動化を分かりやすく解説
#機能 #Marketing Cloud #自動化 #Journey Builder
目次
- 1. Journey Builderとは何かを理解することで見えるマーケティングの可能性
- 1.1 Journey Builderの定義と目的
- 1.2 Marketing Cloudにおける位置づけ
- 1.3 他ツールとの違い(Automation Studioとの比較)
- 2. 基本画面と機能を知ることで操作のハードルを下げる
- 2.1 ダッシュボードの構成要素(フォルダ・履歴・テンプレートなど)
- 2.2 キャンバスの見方と各エリアの役割
- 2.3 エントリーソースの種類と設定の基本
- 3. メール送信を自動化する3つのアクティビティ機能
- 3.1 Decision Splitでセグメントごとに異なるフローを設計する
- 3.2 Wait by Attributeで配信タイミングを最適化する
- 3.3 Email Activityでパーソナライズされたメールを届ける
- 4. 実践で使えるJourney構築ステップを具体的に紹介
- 4.1 ターゲットの設定とエントリートリガーの選定
- 4.2 アクティビティの設計とテスト配信
- 4.3 公開とその後のメンテナンス方法
- 5. API連携と高トラフィック対応で広がる応用の可能性
- 5.1 API Eventを使ったリアルタイムなトリガー設定
- 5.2 High Throughput Sendingによる大量配信の注意点
- 5.3 他システムとの連携で実現する施策の拡張
- 6. 成果を最大化するために押さえたいベストプラクティス
- 6.1 最初に紙でジャーニーを設計するメリット
- 6.2 Exit Criteriaで無駄なアクションを省く
- 6.3 Goals設定で成果を可視化する方法
- 7. まとめ
顧客一人ひとりに合わせたマーケティングを自動化したい——そんなニーズに応えるのが、Salesforce Marketing Cloudの「Journey Builder」です。視覚的な操作で複数チャネルを横断したシナリオを設計できるため、最適なタイミングと内容での配信が可能になり、運用効率と成果を同時に高められます。
本記事では、Journey Builderの基本的な考え方から、画面の見方、代表的な機能、実践的な構築フロー、さらにはAPI連携による応用例までを、マーケティング初心者にもわかりやすく解説します。
Journey Builderとは何かを理解することで見えるマーケティングの可能性
Journey Builderは、顧客一人ひとりに合わせたコミュニケーションを自動で最適化できるツールです。名前のとおり「顧客の旅(Journey)」を設計することで、より自然な関係構築を支援します。まずはその基本的な仕組みと役割を押さえておきましょう。
Journey Builderの定義と目的
Journey Builderは、Salesforce Marketing Cloudの中でも中核を担う機能です。顧客の行動や属性に応じたマーケティング施策を自動で展開でき、操作も視覚的なキャンバスで行えるため、専門知識がなくても扱いやすいのが特徴です。設定次第で、問い合わせ後のフォローやリピート促進など、多様な施策を一貫して管理できます。
Marketing Cloudにおける位置づけ
Marketing CloudはEメールやSMS、SNSなど複数チャネルの一元管理を可能にするプラットフォームです。その中心にあるJourney Builderは、各チャネルで一貫した顧客体験を設計・実行でき、エンゲージメントの向上やLTVの最大化に貢献します。メールだけでなく、SMS通知やアプリ連携を含む複数チャネルとの統合運用が可能です。
他ツールとの違い(Automation Studioとの比較)
Automation Studioは定期的な一括処理に強く、スケジュール型の施策に向いています。一方でJourney Builderは、顧客の行動やイベントをトリガーにリアルタイムで反応できる点が特長です。たとえば「商品閲覧後24時間以内にフォローメール」といった即時性の高い施策にはJourney Builderが適しています。
基本画面と機能を知ることで操作のハードルを下げる
ツールを使いこなすには、まず操作画面と流れを知ることが大切です。複雑に見えるかもしれませんが、全体の構成を把握すればスムーズに運用へ移行できます。
ダッシュボードの構成要素(フォルダ・履歴・テンプレートなど)
ダッシュボードでは、作成済みジャーニーの履歴管理、フォルダ分け、テンプレート選択ができます。テンプレートを使えば、基本的なシナリオ構成が用意されており、初めての設計もスムーズです。たとえば「ウェルカムメール配信」などはテンプレからすぐに作成できます。
キャンバスの見方と各エリアの役割
キャンバスは、ジャーニーを視覚的に組み立てるエリアです。左に各アクティビティ、中央に構築スペース、右に個別設定エリアがあります。複雑な条件分岐や複数のチャネルを組み合わせる場合でも、視覚的に整理しやすい構成になっています。
エントリーソースの種類と設定の基本
エントリーソースは、ジャーニーの開始条件です。リスト登録、API経由、Web行動など、様々なきっかけで顧客を自動でジャーニーに取り込めます。実際には「購入完了」「問い合わせ送信」「アプリ起動」などがよく使われるトリガーです。
メール送信を自動化する3つのアクティビティ機能
Journey Builderの要である「アクティビティ」は、顧客の状況に応じてアクションを自動実行する仕組みです。中でも使用頻度が高く、成果に直結しやすい3つの機能に絞ってご紹介します。
Decision Splitでセグメントごとに異なるフローを設計する
Decision Splitは、特定の条件に応じてジャーニーを複数の経路に分ける機能です。たとえば「開封した人」「購入した人」「アプリ未使用者」などに分岐し、それぞれに適した内容を届けられます。条件設定も画面上でわかりやすく操作できます。
Wait by Attributeで配信タイミングを最適化する
Wait by Attributeでは、顧客データに登録された日付や時刻を参照して、アクションのタイミングを調整します。たとえば「誕生日の1日前にクーポンを送信」といったパーソナライズ施策が実現できます。
Email Activityでパーソナライズされたメールを届ける
Email Activityは、登録データをもとに動的に内容を切り替えたメールを配信できる機能です。名前や購入履歴、関心カテゴリに応じて本文を自動で変更でき、開封率やクリック率の向上につながります。
実践で使えるJourney構築ステップを具体的に紹介
知識を得たあとに重要なのは、実際にどう構築・運用するかです。ここでは、初心者でも安心して取り組める構築フローをステップ形式で紹介します。
ターゲットの設定とエントリートリガーの選定
まずは、誰に向けたジャーニーなのかを明確にします。「新規会員」「購入者」「休眠顧客」など、目的に応じてターゲットを定義し、適切なエントリーソースを設定します。これがジャーニーの成功可否を分ける重要な出発点です。
アクティビティの設計とテスト配信
構成が決まったら、キャンバス上にアクティビティを配置し、流れを組み立てます。設計後は必ずテスト配信で挙動を確認し、配信ミスや条件漏れがないかをチェックしましょう。少人数の社内テストでも実施しておくと安心です。
公開とその後のメンテナンス方法
設計したジャーニーは「公開」することで稼働が始まります。ただし、公開後も改善が必要です。配信結果をレポートで確認し、クリック率が低いセグメントの見直しや、配信タイミングの調整などを定期的に行いましょう。
API連携と高トラフィック対応で広がる応用の可能性
より高度な施策に取り組むには、外部システムとの連携や大量配信への対応も重要です。ここでは、中級者以上を対象にした応用テクニックをご紹介します。
API Eventを使ったリアルタイムなトリガー設定
API Eventは、外部システムからのデータ受信をきっかけに、即座にジャーニーを開始できる仕組みです。たとえば、予約フォーム送信やアプリ内購入といったアクションをリアルタイムに反映できます。即応性が求められるBtoC施策で重宝されます。
High Throughput Sendingによる大量配信の注意点
大規模配信では、システムにかかる負荷や一時的な送信遅延も発生しやすくなります。High Throughput Sendingを使えば、送信速度を確保しつつ安定性を保てます。ただし、インフラやデータ量に応じた事前調整は不可欠です。
他システムとの連携で実現する施策の拡張
CRMやEC基盤、分析ツールなどと連携することで、顧客の行動履歴やLTV情報を活用した施策が可能になります。社内のデータ資産をつなぐことで、より緻密なマーケティングが実現します。
成果を最大化するために押さえたいベストプラクティス
日々の運用でもう一歩成果を伸ばしたいとき、押さえておくべきポイントがあります。ここでは、よくある落とし穴とその対策をまとめました。
最初に紙でジャーニーを設計するメリット
ツール上で作る前に、紙やホワイトボードで構成を描いておくと、流れの整理や課題の発見がしやすくなります。複数人で作業する場合は、認識のズレを防ぐ効果もあります。
Exit Criteriaで無駄なアクションを省く
不要な連絡が続くと、顧客体験を損ねる原因になります。Exit Criteriaを使えば、条件を満たした顧客を自動でジャーニーから除外できるため、スムーズな体験設計に役立ちます。
Goals設定で成果を可視化する方法
ジャーニーごとにゴールを設定すれば、「どのシナリオが効果的か」が定量的に見えるようになります。クリック率、開封率、購入率など、数値で改善判断ができるのは大きなメリットです。
まとめ
Journey Builderは、個別対応の自動化と大規模配信を両立できる強力なマーケティングツールです。使い始めは基本機能から、慣れてきたらAPI連携や外部データの活用など、少しずつステップアップしていくのが効果的です。まずはシンプルなジャーニーを作って、小さな成果を積み重ねていきましょう。
<Marketing Cloud>
弊社ではSalesforceをはじめとするさまざまな無料オンラインセミナーを実施しています!
>>セミナー一覧はこちら
弊社はプロセスコンサルティングを行っている会社です。
お気軽にお問い合わせください!
>>お問い合わせはこちら