医療機関コードとは何かといった問い合わせをいただくことが増えてきました。そこで今回は、医療機関コードとは何か?わかりやすく解説したいと思います。
目次
医療機関コードとは
医療機関コードとは、正確には「処方箋発行医療機関コード」と呼ばれるもので、10桁の数字からなるコードです。
医療機関コードは、10桁の構成で、初めの2桁が都道府県コード、3桁目が点数表番号、4桁目以降が地区(2桁)+番号(4桁)+チェックディジット(1桁)となっています。
現在の医療機関コードは処方箋には必ず記載されるようになっており、薬局で入力を行うことで、レセプトにも記載されるコードです。
医療機関コードを利用されることで何が変わるのか?
医療機関コードを用いることで、病院の送信データと薬局データを照合し、齟齬がないか確認しています。(これを突合点検と呼びます)
これを行うことで、病院が意図した薬剤が正しく処方されることの担保となります。
薬剤は誤った使い方をすると毒にもなり得ますが、処方された個人はそれが正しい薬かどうかがわかりません。
ドクターが直接処方するわけではないため、その部分に齟齬が発生し得るところ、安全性の確保が従来の課題でした。
(薬には「禁忌」が存在します。
単純に薬の飲み合わせ次第では大変な危険も起こりえますし、
その人個人の状態にそぐわなければ、患者の状態を悪化させてしまうことにもつながります。
医療業界は電子化や統一コードなど、製品として世に出た後の流れにおいて、まだまだ不十分な点があります。
薬の安心安全は精製過程以外にも、処方の部分も関わってくるわけです)
医療機関コードとは ~コードの中身詳細~
医療機関コードの詳細は以下の通りです。
・医療機関コード①:医療機関コード>都道府県コード
都道府県を特定するコードであらかじめ固定の値が制定されています。
例:北海道「01」
・医療機関コード②:医療機関コード>点数表コード
医科:1
歯科:3
※レセプトは発行されないが、番号自体は以下の通り他の分類にも存在します。
調剤(薬局):4
老人保健施設:5
訪問介護ステーション:6
・医療機関コード③:医療機関コード>地区番号
都道府県番号の地区版です。
・医療機関コード④:医療機関コード>番号
各施設を識別する番号です。都道府県地区をまたぐことで重複があり得ます。
・医療機関コード⑤:医療機関コード>チェックディジット
データがおかしくないか確認するためのコードです。
以上のように体系だったルールが存在するので、10桁のコードを読み解くことによって、
医療機関及びその情報を読み解くことができます。
・医療機関コードは変更されることがある
医療機関コードは一度付与されると、半永久的に変わらないかというとそうではありません。
例えば、開設者変更や所在地変更によって変わってしまいます。
また保健医療機関の再指定の届け出が6年と決められているため、そのタイミングで新たな番号へ変わります。
(一般の方はこの点に不利益を感じることは少ないと思いますが、弊社のように医療データを扱う会社にとっては、意外と曲者なのです。)
確認手段
各厚生局にオープンデータとして存在します。
各施設が届出たデータを取りまとめて公開していますので、ネット環境があれば誰でも入手可能です。
オープンデータの問題点
各厚生局のフォーマットで公表されているため、全国版を集計して分析活用するのには向いていません。
また、表記もカンマのある10桁であったり、末尾に文言が記載されていたりと、揺らぎが存在します。
この点、いわゆるデータ屋としては非常に頭を悩ます点です。
(共感いただける企業担当者様も少なくないと思います)
病院マスタ
先のような問題点を解決すべく、弊社ではフォーマットや表示形式を整えた「病院マスタ」というマスタデータを作成しています。
無料版と有料版があり、それぞれ保有するデータ量や内容が異なりますが、
用途によっては無料版でも十分活用いただけると思います。
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