日本国民の糖尿病疑いが1000万人。注目される対策ワードは?
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日本国民の糖尿病疑いが1000万人
平成28年国民健康・栄養調査結果の概要が発表され、新聞などでも多く取り上げられました。
糖尿病の疑いが1000万人。今や国民病ともいえる糖尿病とはどのような病気なのでしょうか。
糖尿病にも種類がありますが、今回考える糖尿病は生活習慣に起因する糖尿病を掘り下げていきます。
糖尿病が及ぼす医療費への影響
まずは糖尿病がどのくらい国に対して大きな影響力のある病気であるかを考えていきます。
平成26年度 国民医療費の概況(厚生労働省)のデータから糖尿病に関連する医療費は1兆円とも言われています。平成26年度の医療費全体が40兆円規模と考えると、決して小さな数字とも言えません。
また糖尿病の特徴として、完治が難しいが直ちに生命の危険が及ばない点と、進行すると他の病気を引き起こすことがあげられます。
前者については、治療が長引くため莫大な医療費がかかる、後者については病気の進行に合わせた他の病気で医療費が発生します。
特に後者の一例として人工透析が必要な病気を発症した場合には年間1人当たり500万円の医療費が必要になり、医療費負担に多大な影響を及ぼしています。
糖尿病にならないために必要なこと
糖尿病は簡単に言えば、血糖値が高くなる病気です。その予防には以下の3つが考えられます。
- 血糖値が高くならないような生活習慣にすること
- 血糖値が高くなりにくい体質に改善すること
- 血糖値が高くなりにくい体質を維持すること
2と3の血糖値が高くなりにくい体質と維持することは、血糖値を利用できる体づくりをするということです。肥満・非筋肉体質になると血糖値をコントロールするインスリンの働きが弱くなり(インスリン抵抗性)、高血糖になりやすい傾向があります。
その逆に非肥満、筋肉体質では、血糖値は高くなりにくくなります。
インスリンの働きを良くするには、肥満防止、適正体重の維持、そして適度な運動が欠かせません。では1の血糖値が高くならない生活習慣はどのように考えていけば良いでしょうか。
糖尿病について考える健康食品業界
血糖値をコントロールするという意味では健康食品業界の取り組みはかなり早い段階から行われています。機能性表示食品制度が始まって以降、数多くの商品が登録されていますが、その多くは難消化性デキストリンによるものです。これは血糖値の上昇をゆるやかにすると謳う商品にはだいたい含まれていると言っていいでしょう。
難消化性デキストリンは食物繊維の一種で、消化をさせにくくすることで栄養素の吸収を遅延させ、血糖値の上昇をゆるやかにします。
一部の商品が脚光を浴びていますが、自然素材からアプローチをとる会社も見受けられます。
日本古来の素材 桑の隠された力
健康素材は多種多様ありますが、血糖値という意味で現在も研究が進められている素材があります。その一つとして桑の葉があげられます。
桑の葉といえば、シルクの生産に使用される蚕の餌として知られていると思いますが、この桑には血糖値を抑制する成分が入っているとして一部の研究者に注目されている素材です。
先の難消化性デキストリンは消化のスピードをコントロールすることですが、桑の葉の血糖値抑制のロジックは糖の分解を抑制し、吸収そのものを阻害するというというものです。この作用の主成分として考えられているのがDNJという成分です。この成分は糖に酷似しているため糖の分解を阻害し、結果として血糖値を上昇させない効果を期待しています。桑の葉にはこの成分が豊富に含まれているため、注目が集まっています。
自分を守ることは国を守ること
現在は糖尿病の増加を背景に、血糖値に対する関心が高まっています。単に病気としての糖尿病というより、糖尿病から始まる大きな病気をいかに防いでいくかという視点も欠かせません。病気になってから治りにくいのが糖尿病で、なってから大きな病気になるのもまた糖尿病です。
適度な運動もそうですが、血糖値に注目した食生活のコントロールも大事な視点と言えるでしょう。