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Marketing Cloudを使ったカスタマーサクセス施策とは 解約防止につながる設計ポイントを分かりやすく解説

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顧客がサービスを使い続けるかは、最初の体験と日々の接点でほぼ決まります。導入したのに定着せず、解約がじわじわ増える──そんな不安を抱えるCSマネージャーは少なくありません。Marketing Cloudで行動に沿った体験を設計し、オンボーディングから定着、予兆対応までを一本化する道筋を、具体例とあわせて解説します。

Marketing Cloudで変わる3つの解約防止アプローチ


解約は突然の出来事に見えても、必ず小さな前触れがあります。初期体験でつまずいたり、利用が続かなくなったりと、顧客の行動には兆しが現れるのです。

ここでは、Marketing Cloudを活用して成果を上げやすい三つのアプローチを紹介します。

顧客オンボーディングを成功させる初期体験設計

最初の数週間でどんな体験をするかが、その後の継続率を大きく左右します。ゴールは一つに絞り、そこに至るステップを最短で設計することが肝心です。Journey Builderを使えば、初回ログインから設定、最初の成果獲得までを段階的に示せます。分岐を複雑にしないことが、完了率を高める近道です。

顧客との接点ごとにメッセージを変えることも欠かせません。初回は短く明快な言葉で一歩目を後押しし、二回目は操作の迷いを解消する案内を添える。そして三回目では小さな成功を祝うメッセージを届けるのが効果的です。接点は多くても、伝えたいことは一つに絞るほうが響きます。

オンボーディングの主役は企業ではなく顧客自身です。機能説明を並べるより、「どの業務がどれだけ楽になるのか」を描く方が定着につながります。テンプレートをそのまま使うのではなく、属性や行動データに応じて複数のシナリオを用意すると、完了率の差がはっきり表れるでしょう。

利用定着を促すパーソナライズ施策

サービスを継続する理由は顧客ごとに違うため、Email Studioで一斉配信するだけでは刺さらず、利用頻度が落ちるリスクがあります。業種や役割、利用状況を組み合わせて細かくセグメントを作り、送るメッセージの役割を明確にしましょう。価値の再確認、操作不安の解消、成功体験の共有。この三つを回していくと定着率が安定します。

案内はシンプルにまとめ、行動は一つに限定するのが基本です。ヘルプ記事にリンクを貼るだけでは弱いため、CloudPagesに短い手順を載せ、完了ボタンで次のステップに誘導すると効果が出やすいです。顧客が「できた」と感じる体験を積み重ねることで、離脱のリスクは下がっていきます。

さらに、サービス利用の節目ごとに「おめでとう」のメッセージを届けることも有効です。導入から一週間、特定機能の初利用、レポートの作成完了といった瞬間を祝うと、モチベーションが自然と続きます。小さな拍手の積み重ねが、利用を長く支える力になるのです。

離脱予兆を察知するアラートと対応策

解約の多くは、行動の変化を追えば予測できます。ログインが減る、主要機能を使わない、管理者が交代した。こうしたサインをスコア化すれば、危険度の高い顧客を早めに見つけられます。スコアは一度決めて終わりではなく、数週間ごとに調整すると精度が高まるでしょう。

ただし、アラートの最初のメッセージは慎重に設計すべきです。利用が滞っている理由の多くは「怠け」ではなく、業務の優先度や環境の変化です。「3分で完了する代替手順があります」といった小さな提案を示すと、顧客が動きやすくなります。

特にリスクが高い顧客には、自動配信と人のフォローを組み合わせるのが効果的です。Marketing Cloudから即時通知を出しつつ、同じタイミングでCS担当者の名前を添えると、安心感が増して返信率が上がります。返信が来た場合は、自動シナリオを必ず止めて対話に切り替えること。人とシステムが競合しないようにするのが信頼維持の条件です。

成功事例から学ぶ3つの活用パターン


理論を理解しても、自社でどう生かせるのかはなかなか想像しにくいものです。そこで、Marketing Cloudを取り入れて解約防止や利用定着に成果を上げた事例を紹介します。

BtoCとBtoB、それぞれの状況を踏まえて見ていきましょう。

BtoCサービスでの利用定着強化(LINE/プッシュ通知活用)

ある通販サービスでは、注文変更や利用更新を忘れる顧客が多く、解約の大きな原因となっていました。

そこでMarketing Cloudを導入し、LINEとプッシュ通知を組み合わせたリマインドを設計。注文期限の3日前、当日朝、終了直前という三段階でメッセージを送る仕組みを整えました。

この仕組みにより、期限切れのケースは大幅に減少しました。三段階に分けた通知は「押し付けられている」という印象を与えにくく、顧客が自分のタイミングで行動できる余地を残したことが評価されています。単なるリマインドではなく、心理的なストレスを和らげる設計が成果につながった好例です。

BtoB SaaSでのハイタッチ施策とアダプション成功

BtoB向けのSaaSを提供する企業では、導入後のアダプションが進まず解約につながることが課題になっていました。そこで、Marketing Cloudを用いて利用開始から30日間のオンボーディングシナリオを設計。さらにCS担当者によるハイタッチ支援を組み合わせ、自動化と人的フォローの両輪で顧客を支援しました。

初期段階では週1回の進捗確認を自動通知で実施し、遅れが見られる顧客にはCSMが直接フォロー。結果として、オンボーディング完了率は60%から85%へと大きく改善しました。顧客が早期に成果を実感できたことで、解約率の低下にもつながっています。

解約率を下げつつアップセルに成功したケース

解約防止にとどまらず、アップセルを実現した事例もあります。あるSaaSベンダーは利用状況をスコアリングし、活用度の高い顧客群を特定。その層に対して、上位プランのトライアル案内をパーソナライズ配信しました。

結果として、通常は解約が増えやすい更新期において、アップセル契約が増加。解約率は10%から3%にまで低下し、LTVも大幅に向上しました。解約を抑えるだけではなく、積極的な提案に転じることで、カスタマーサクセスが収益拡大の原動力になり得ることを示す好例です。

成果を定量化するための3つの指標


施策を実行しても、効果が見えなければ改善につながりません。Marketing Cloudでの取り組みを検証するには、顧客行動を数字で把握することが不可欠です。

ここでは、特にカスタマーサクセスの現場で役立つ三つの指標を取り上げます。

オンボーディング完了率

オンボーディング完了率は、初期設定や初回成果の達成までを終えた顧客の割合を示します。早期に成功体験を得た顧客ほど解約リスクが下がることは、多くの調査でも裏付けられています。

Marketing Cloudでは、ログインや設定操作の完了をトラッキングし、ステップごとに可視化することが可能です。

数値が伸び悩む場合は、手順が複雑すぎたり、案内が顧客の状況に合っていなかったりするケースが多く見られます。データを確認しながらボトルネックを特定し、体験をシンプルに設計することが改善の第一歩となります。

アクティブ率・利用頻度

サービスを「使っているかどうか」だけではなく、「どのくらいの頻度で活用しているか」を測るのがアクティブ率です。ログイン日数、主要機能の利用回数、レポートの作成数などを指標にすると、定着の度合いを具体的に把握できます。

たとえば、あるBtoB SaaSでは「月に3回以上主要機能を使っているか」を基準に、アクティブ顧客とリスク顧客を区分しています。このように基準を設けると、優先的にフォローすべき顧客が明確になります。

利用頻度が落ちている場合は、機能が複雑すぎたり、業務との相性が合わないことが原因になりがちです。追加のチュートリアルや業界別の活用事例を届けることで、再び利用を促進できる可能性があります。

解約率・LTV改善

解約率とLTV(顧客生涯価値)は、カスタマーサクセス施策の最終的な成果を測る指標です。解約率は一定期間に契約を終了した顧客の割合を示し、LTVは顧客がもたらす収益を長期的に評価します。

解約率が下がるだけでなく、アップセルやクロスセルでLTVが伸びれば、取り組みは経営的な成果としても評価されやすくなります。Marketing Cloudでは顧客接点のデータと成果を紐づけて分析できるため、施策と結果の関係を把握しやすいのが強みです。

これらの数値は経営層への報告にも有効です。「解約率が◯%改善し、LTVが◯万円増加した」と具体的に示せば、施策の説得力は一段と増すでしょう。

まとめ

Marketing Cloudは、顧客との接点を増やすだけのツールではありません。オンボーディングの設計、利用定着を支えるパーソナライズ、離脱予兆の検知と対応。それぞれの局面で一歩先を読んだ行動を可能にします。

今回紹介した事例に共通するのは、顧客の小さな行動や感情を丁寧にすくい上げている点です。リマインドの仕方や称賛のタイミング、数値の測り方一つで、解約率やLTVは大きく変わっていきます。

カスタマーサクセスの使命は、顧客を“成功体験”に導き、その成果を自社の成長につなげることです。Marketing Cloudを適切に活用すれば、解約防止という守りの施策にとどまらず、アップセルやロイヤルティ向上といった攻めの展開にも広げられるでしょう。

まずは自社の取り組みを振り返り、顧客が継続して成果を感じられる仕組みを整えることから始めてみてください。それが解約率低減のもっとも確かな道であり、CSチームの存在価値を高める第一歩になるはずです。

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