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医薬や医療機器業界におけるCRM/SFAについて

#CRM #SFA

CRM/SFAについて その①

CRM/SFAについて

医薬や医療機器業界で利用が進んでいるシステムにCRM(顧客情報システム)、SFA(営業支援システム)があります。どちらも、営業部門を中心とした顧客との接点を管理するシステムです。SFAの方が営業支援機能を中心としたもの、CRMの方がマーケティングや他部門も含めた少し広い機能をカバーしていると思えば大よそ正しい説明ですが、ほぼ同じシステムのことを言っています。

最近は、他業界でも導入が進んではいますが、医薬・医療機器業界は以前からもっとも利用進んでいる業界です。90年代後半からシーベル(現:オラクルが買収)を中心としたSFAブームの際にも、外資系を中心に多くの会社が導入しました。これは偶然という訳ではなく、この業界が抱えている課題がCRM/SFAと合致したからと思います。

医薬・医療機器業界の抱える課題

  • 顧客(病院)が多すぎて、情報共有が進まない
  • 顧客(病院)が地方にあるため、営業マンの連携が難しい
  • 他部門との連携が行いにくい  等々

顧客である病院の数が多すぎで、地方に点在し、なかなか情報管理や共有がし難いことから、CRM/SFAの利用により改善したいという狙いです。ただ、2005年ぐらいまでは、使いこなしている会社は多くはありませんでした。一番の理由としては、営業マンがオフィスに戻ってからシステムに入力する必要があったため、結構な作業負荷となり、面倒になって、入力情報が少なくなってしまったことにあります。会社の命令だから、イヤイヤ入力をしていたというところでしょうか。商談のパイプライン(受注予定金額)を管理する程度の利用にとどまったところが多かったようです。

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出典:キーマンズネット
2000年頃から、セールスフォースドットコム社がクラウド型のCRM/SFAを販売し、大きなブームを作っています。クラウドのため、スマホ等の進化もあり、営業マンはどこでもCRM/SFAに情報を入力することが可能になりました。今までオフィスに戻って登録した作業が、ちょっとした待ち時間や車・電車の中で登録したり、過去の情報を参照したりすることが可能になったのです。セールスフォースに続き、外資系のオラクル(元 シーベル)や、日本系のNIコンサルティングやソフトブレーン等もクラウドに対応しました。 また、クラウド故に月額課金(SaaS)が可能になり、今まで数百万必要だった初期投資が、分散できることになったのも進歩です。

最近では、CRM/SFAの機能にとどめるのではなく、セールスフォースやサイボウズのような自由なプラットフォームにより、自由にマスタや画面を作ることができ、他部門との連携や独自の利用をするようになってきました。営業部門と生産部門とをつなげたり、社員の工数管理とプロジェクト管理をつなげたり、在庫管理の仕組みを作ったり、ERP(基幹業務システム)まではいかないですが、ERPでできなくて独自にMS Access等で構築していた機能をこのプラットフォームに実現したりしています。

ERPと比べるとCRM/SFAは規模的に手ごろなためか、多くの企業で販売しています。ただ、私が思うのにセールスフォースがこの10年業界をリードしており、セールスフォースと他社を比較して導入を決めるのが良いようです。中心機能はこの20年ほぼ同じですので、どのベンダーでもできるといえばできると思います。ただ、先程、ご説明したクラウド機能(場所の自由)、拡張機能(拡張の自由)、月額課金(規模・投資の自由)を踏まえて選択してみればよいと思います。

ただ、最初に導入する場合、顧客管理は今までシステム化が進んでいない部分だけに、その活用はほぼ想像できないと思います。使いながら、自社にあった工夫を繰り返し行って形にしていくのが現実です。使いながら、利用者の意見を吸収してドンドン変更をかけて進展させていく、その意味で拡張の自由度はとても重要と思います。

今までのIT部門に任せればよいという考えではなく、利用部門が中心に進める覚悟と体制があれば、確実に成果につなげていけるものと思います。私が以前勤めていた外資の医療機器メーカーでは、仕事のプロセスのデザイン・主管部署がIT部門からビジネス部門へとシフトしていました。 ビジネス部門の責任者が、プロセス設計・システム利用の責任者でもあり、一番のパワーユーザとして活躍していました。 今後、日本もシステムの主導がビジネス部門に移るにつれて、そのようなマネジャー・ディレクターが増えていくことになります。 そのようなビジネス部門の人たちには、自由度の高いCRM/SFAは活躍の場を拡げる良い機会になるように思います。

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